キャリー (新潮文庫)

制作 : Stephen King  永井 淳 
  • 新潮社
3.59
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本棚登録 : 914
レビュー : 103
  • Amazon.co.jp ・本 (390ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102193044

作品紹介・あらすじ

「おまえは悪魔の申し子だよ」狂信的な母、スクールカーストの最下層…悲劇はその夜、訪れた。巨匠キングの鮮烈なるデビュー作にして、三度の映画化を経た永遠の名作。

感想・レビュー・書評

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  • 狂信的な母からの精神的・肉体的支配、同級生からのいじめ。禁欲的であるよう強いられ、男性に狙われないようにと時代遅れなほどズルズルと長いスカートや野暮ったいブラウスを着せられ、二次性徴についての知識も与えられなかった17歳の少女 キャリー。

    幼い頃からTK能力を持ち、それゆえ母からも悪魔の子とされ、ティーンエイジャーらしい楽しみとも無縁だったキャリーがつかの間味わったプロム・ナイトの華やかさ。心ない同級生とその彼氏の悪だくみにより、有頂天から一気に突き落とされた悲しみ、怒り。

    彼女のTK能力により、チェンバレンの町は凄惨な悲劇の舞台となり多くの死者で溢れかえる。救いのなさが印象的な作品です・・・。

  • 一貫して漂う血のイメージ
    序盤のシャワールームのシーンの衝撃
    プラムでの絶望
    街が火で包まれる、キャリーが復讐する高揚感
    無垢な少女が赤く染まってしまうコントラスト
    モダン・ホラーでありエンターテイメント性が強い

    キャリーたち登場人物目線と、数年後の雑誌や調査報告書、関連書籍の記録文書と交互に流れて物語が展開していく

    読みやすさと面白さでグイグイ進んでいった。

  • リメイクを観て旧作を観て原作に辿りつきました。
    原作は凄いね。死者440人、街が壊滅。大惨事じゃないですか。
    事故後に開催された委員会、関係者により出版された書籍、目撃者の証言等から過去を遡る形でキャリーの実像に迫る形になっているのが面白い。
    当然の事ながらキャリーの心の動き、葛藤は映画よりも細かく描かれている。
    16歳になるまでの抑圧された過去、3歳時に石の雨を降らせた過去、父ラルフを失った過去。
    全てを封印していた記憶、能力が初潮に依って甦る。
    そしてプロムにおける人生最大の幸福の瞬間に豚の血を浴びた事に依って、抑圧された感情が能力と共に爆発する。
    ここから先はやはり映像の方がインパクトが有りますね。但し映画は体育館周辺からガソリンスタンドまで限定であるのに対し、小説ではキャリーは街を徘徊し破壊の限りを尽くす。小説の方が派手です。
    最後はスーに看取られ、有る意味幸せな終焉を迎える。キャリー事件は終結するが、全く違う場所で第2のキャリーが?ホラー小説らしいエンディング。
    映画のラストは怖い。リメイクより旧作の方が怖い。(マジで心臓がキュッとなりました)

  • スティーブン・キングの代表作にして70年代に流行った超能力(念力:サイコキネシス)を持つ《能力者》を主人公に、周囲の人間の回顧録や議事録を閲覧するかのような展開のホラー小説。
    家庭環境や学校生活で苦境な日々を送るストレスから潜在的に持っていた能力を怨念とともに解放し、主人公をとりまく社会だけでなく、自らの命も崩壊させてしまう悲劇は能力者の持つ宿命か。主人公を十代の少女に設定し《血》をキーワードに、生々しく社会に横たわるイジメと生と性にまつわる宗教的思想を背景に、少女から女に、そして母へと「変身」して行く女性の神秘と力に畏怖と憧れを抱いた作者の視点は、怒りを生に、超能力を死としたストーリーはホラーというよりもネガティブな青春小説。
    日本における宗教的な観念は別として、女性の持つ排他的で陰湿なイジメの構図は、学校での「学生社会」という閉ざされた社会環境で今なお行われている現実でのそれを痛感する事象あり、イジメを受ける者の怒りは、やがて社会全体に放たれ、怨念による破壊は十代の思春期に妄想した「絶対の力」としてのリアリティーを持つ。
    体の内に流れるべき血を体にまとった姿は「人」ではない存在のメタファーであり、町を焼きつくし崩壊させる念力の描写など、忌み嫌われた者が力を持って社会に復讐するという構図は日本では怪談話や怪獣映画で表現されるシノプシスである。米本国はもとより、日本での人気は、実はそんな所にあるのかもしれない。

  • 超能力、サイコキネシスを持った少女の小説。映画なら面白いかもしれないが、読みづらい。

  • スティーブン・キング氏の作品を、じわじわと読んでいこう!……ということで、本作を手に取りました。

    怖い…というより、救えないお話ですね。
    子供の中の世界は本当に残酷で、スクールカーストという単語だけで、大体の学校内における闇もわかってしまいます。

    不謹慎ですが、キャリーが破壊していくシーンでは、「おお!」なんて思ってしまいました。
    次は何するんだろう…なんて(笑)

    普段大人しい女の子が怒ると怖い…っていう説は事実である事がわかりました!

  • キャリー自身だけでなく、キャリーをそうさせてしまった背景をちゃんと描いているところが、恐ろしさを際立たせている。

  • 2019.09.16 読了。

    スティーブン・キングの作品って個人的には訳の問題なのか、読みにくいと思っていたんだけど、本作は割と読みやすかった。
    が、この作品の味でもある手記パートであったり物語パートであったりといったパートの変化がはじめはよく分からず、読みにくいかも。
    中盤以降はすいすい読めるので、一気読みできる時間を確保したいところ。

    最後まで報われないキャリー、かわいそう。
    あと解説で他に作品のネタバレやめてくれ、読む予定のやつあるのに。

  • たしかキング処女作。ちょっと実験的な書かれ方をしてたよな。デ・パルマ監督の映画も面白かった。

  •  キングをいろいろ読んでみようといわけでこれ。処女作。こちらは念力物で女子高生が主役。ほとんどストーリーはなく、物語そのものの進行と報道やインタビューからの事件の再構成とを交互に綴りながら、じわじわと悲劇的カタストロフィへ向かう恐ろしさを紡ぎだす。いじめられっ子キャリー、鼻持ちならないクリス父娘、同情的なスー、難を言えば素材的というかもっと肉付けして小説的にすることもできただろうが、これはこういうものとして読むべきものだろう。

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著者プロフィール

1947年メイン州生まれ。高校教師、ボイラーマンといった仕事のかたわら、執筆を続ける。74年に「キャリー」でデビューし、好評を博した。その後、『呪われた町』『デッド・ゾーン』など、次々とベストセラーを叩き出し、「モダン・ホラーの帝王」と呼ばれる。代表作に『シャイニング』『IT』『グリーン・マイル』など。「ダーク・タワー」シリーズは、これまでのキング作品の登場人物が縦断して出てきたりと、著者の集大成といえる大作である。全米図書賞特別功労賞、O・ヘンリ賞、世界幻想文学大賞、ブラム・ストーカー賞など受賞多数。

「2017年 『ダークタワー VII 暗黒の塔 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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