- Amazon.co.jp ・本 (380ページ)
- / ISBN・EAN: 9784102193068
作品紹介・あらすじ
ジョン・スミスは人気者の高校教師だった。恋人のセーラとカーニバルの見物に出かけたジョンは、屋台の賭で500ドルも儲けた。なぜか,彼には当りの目が見えたのだ。愛を確認し合ったその夜、ジョンは交通事故に遭い、4年半の昏睡状態に陥った。誰も彼が意識をとり戻すとは思わなかったが、彼は奇跡の回復を遂げた。そして予知能力も身につけた。そして-、彼の悲劇が始まった。
感想・レビュー・書評
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自動車事故による脳損傷によって過去の透視能力、未来の予知能力を獲得したジョニー・スミス、その短くも数奇な生涯。といってしまうとプロットはありきたりで、超能力をどういう物語に展開していくかに作者の力量が問われるというものだ。もっともっとドラマチックな展開も考えられるだろうに、キングはとても人間臭くその弱さも強さもさらけ出してもがくジョニーを造型した。本作の最大の魅力は、ジョニーがいいやつだということ、これに尽きる。人生を賭けた最後の絶対うまくいきっこない作戦に、ひねりを効かせて見事に着地させた手腕はさすが。そしてラストシーンのため息のでるような美しさ。
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映画見てしまっていてなるべく思い出すまい思い出すまいとはするのだがどうしても浮かんできてしまうこれはしょうがないか
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1979年のキングの初期の作品であるが、根底にあるものは完成されている。ザ・スタンドのような壮大な物語はそこにはないが、ここではひとりの青年の心のうちにある深い世界が描かれている。1ページ目からどことなく漂う物悲しさがラストまで少しずつ降り積もってていく流れは、ジョニーの朗らかな性格と対比されて、読んでいて胸が詰まるものがある。哀しい物語と読むことはできるが、キングを良く理解している読者であれば、根底にある思いは救いの物語であることは容易に気づくだろう。
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映画も良かったね。
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小説
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はるばるアメリカまで旅行してきた本です。キングなら外れは無かろうと持って行ったのですが、乗り切れぬまま持ち帰り、更に日本でも結構苦労しながらの読了です。
キャリー、ファイヤースターターの流れの作品ということで、凄く期待していました。確かに、その雰囲気もありますし、ストーリーや主人公の造形なども良い感じです。
載れなかった理由の一つにはやや冗長という事があります。もう一つは"古さ"でしょう。
1970年代を舞台にし、リアルタイムの時代の雰囲気を最大限に取り込んだ作品。それゆえに劣化も激しい気がします。
もう一つ、訳文の関係もあるかもしれません。
最後が良かっただけにちょっと残念です。