- Amazon.co.jp ・本 (602ページ)
- / ISBN・EAN: 9784102193136
作品紹介・あらすじ
スカイマスター337。アメリカの地方小空港を転々とするそのセスナ機は、飛び立ったあと必ず死体を残してゆく-一滴残らず血を抜かれた死体を。スティーブン・キングが現代の吸血鬼テーマに挑む表題作。過去に秘めた恐怖が母親の死とともに蘇える、クライヴ・バーカー「魔物の棲む路」。その他、ストラウブ、マレル、キャンベルなど、モダンホラーの神髄を結集する戦慄の全13編。
感想・レビュー・書評
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ホラーの短編集。
いろんなホラーが読めて楽しかった。
ヴァン・ゴッホを思わせる画家の軌跡を追って、ホラーにたどり着く「オレンジは苦悩、ブルーは狂気」や「魔道(ブギー・ウォーク)」がよかった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
収録されている十三作品の内、デイヴィッド・マレル「オレンジは苦悩、ブルーは狂気」、クライヴ・バーカー「魔物の棲む路」、ジャック・ケイディ「暗黒を前にして」の三作品が圧倒的に素晴らしかった。マレルにしてもバーカーにしても自分が触れた範囲の作品で作っていた作家のイメージを良い形で多いに裏切る作品で作家の力量ってやつをまざまざと見せつけられた気がした。個人的には母と娘の永遠の別れとその悲しみを丁寧に描きつつ文字通りの魔物をぞくりとする形で差し込んでくる「魔物の棲む路」が一番のお気に入り。
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新潮文庫刊「ナイト・ソウルズ」と同様、ノンテーマによる書き下ろしの「ホラー小説」13編を収録したアンソロジー。表題作を書いたS・キングをはじめ、R・キャンベル、D・エチスン、P・ストラウヴなど、そうそうたるメンバーが集まっている。中でも、C・バーカーの作品が収録されているのが目玉か(と言っても『血の本』の一連の作品のようなド派手なスプラッターを期待するとガッカリするかも)。
キングの表題作は、彼の作品では初期の傑作長編「呪われた町」を含め数多くない吸血鬼もの。この作家は、他の人間が書いたらどうということはない、ありきたりのものになる描写を、一読「首筋に冷たいものが走る」ような恐ろしい場面になぜ仕立て上げることができるのだろうか……彼がまさに名前の通りホラー界の“キング”となったのはそこら辺にも理由があるんじゃないか、などと考えてしまった。
しかし何よりもD・マレルの傑作短編「オレンジは苦悩、ブルーは狂気」が収録され、この作品がはじめて日本に紹介されたことが、このアンソロジーの価値を高めている―と個人的に思う。 -
10/12読了
よかった作品
「ナイトフライヤー」スティーブン・キング
「魔物の棲む路」クライヴ・バーカー
「オレンジは苦悩、ブルーは狂気」デイビッド・マレル -
短編集