薔薇の渇き (新潮文庫)

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本棚登録 : 32
感想 : 10
  • Amazon.co.jp ・本 (515ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102216026

感想・レビュー・書評

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  • 映画『ハンガー』を久しぶりに見て、原作があったことを知ったので読んでみました。映画だけだとわからなかったミリアムの来歴などにも原作にはちゃんと説明があったのでスッキリ。反面、どうでもいい描写がやたらと詳細でそのエピソードいる?という部分も多く、冗漫でエンタメ作品としてはあまり面白くは読めなかった。映画のほうがすっきりしてて良い。

    おおまかなあらすじは映画と同じ。女吸血鬼ミリアムの伴侶であったジョンに急激な老化が始まり、ミリアムは老化を専門的に研究しているサラ・ロバーツ博士に接近、利用するつもりだったがサラに惹かれ、彼女を強引に仲間にし…。

    映画でもそうだったが、本書でも吸血鬼とかヴァンパイアという言葉は直接的には出てこない。ミリアムは古代エジプトの時代から生きている、人間とは異なる種族。人間の血を啜ることで不老不死を保ち、同胞同志で子孫を残すこともできるが、人間ほど簡単に妊娠出産できないらしい。ミリアムにも両親、弟や妹がいたが、天災で死んだり人間に殺されたりしているようなので、不死というのは老化では死なないというだけで、なんらかの物理的な傷を負えば一応死ぬこともあるようだ。

    人間を仲間にすることは「転換」と呼ばれ、もとからの同族・同胞とは別もの。自分の血を相手に輸血することで、人間を転換させ仲間にすることが可能。ただ、転換させられた人間は、やがてジョンのように急激に老化してしまう。原因は不明。個人差があり、ミリアムの古代ギリシャ時代の伴侶エウメネスは500年一緒にいられたし、その後のローリアとは1000年一緒にいた。ローリアは中世の魔女狩りで拷問されて半死半生に。ちなみにミリアムは男女どっちもいけるくちなので、伴侶は男女交互に選んでいる。

    ジョンとはまだ180年ほどしか一緒にいないのに、老化が始まってしまいミリアムは動揺。しかし周到な彼女は、次の伴侶として近所にすむアリスという少女に目をつけている。ところが老化が始まったジョンは凶暴化、アリスを餌食にしてしまう。原作のジョンは映画よりも執念深く、自分を捨てようとしているミリアムへの復讐の機会を虎視眈々と狙っている(もちろん悉く失敗)。ミリアムは大勢の歴代伴侶(まだ死に切れてない)を棺桶に入れて保管、ジョンもやがてはそれに加わる。

    原作のミリアムは、サラに接近するため、あえてサラの研究所を訪れて、血液などを採取させ研究材料にさせるという危険を冒す。サラと恋人のトム、他の医師たちも、彼女が人間ではないことを知ってしまう(このへん不用意すぎてどうか)。吸血鬼の原理を科学的に分析する試みは面白いと思うけれど、最終的になんの役にも立たなかったので、この研究所の人間関係の描写とかサラとトムの会話とかくどすぎてちょっとイライラしちゃった。

    ミリアムはサラを眠らせて自分の血を輸血、簡単に彼女を仲間にできると思っていたが、理系のサラの心は思うように操ることができない。しかしついに吸血鬼としての飢餓が始まり、サラはミリアムの策略で恋人トムを餌食にしてしまう。後悔した彼女は自殺を図り…というところまでは映画と一緒。

    映画はこのあと、ミリアムの歴代パートナーの復讐によりミリアムが斃れ、サラが生き残って立場が逆転したが、原作は自殺しようとして死にきれなかったサラをミリアムは棺桶に入れ、また新たな伴侶を求めて旅立ちエンド。どうやら続編があるらしいけど、続きを読みたいと思うほどには面白くもなかったし、キャラクターにも魅力を感じなかったので、とりあえずこれ1冊でもういいや。

  • 初めましての作家さん。
    主人公は女吸血鬼ミリアム
    ただ、吸血鬼という言葉は使われていない。
    ミリアムのパートナーが壊れ始めたので、
    老衰学の研究者サラに目を付け病院に出向く。
    ヴァンパイアの血の謎と科学の融合ですよ!
    本作は、ミリアム、パートナーのジョン、サラと
    サラの恋人トムの目線で語られる。

    そして・・・盛り上げるだけ盛り上げて・・・
    ラストが・・・( ̄△ ̄;)エッ・・?
    この後味の悪いどんでん返しって、どうなのよ?
    これは別の意味で後を引きそう・・・(-。-;)

  • 内容を妙に覚えてるのは思春期だったからかな。描写が笑える。国の違いって面白い。
    ミリアムとサラのお風呂のシーンが大好き。

  • 古代から現代まで、人間と共に歩んできたヴァンパイア・ミリアムの話です。ミリアムは、人間を『転換』させることで、永遠に似た命を与え自分のパートナーとしますが、パートナーには必ず酷い末路が訪れ、そのたびに新たなパートナーを探していきます。この作品に特徴的なのは、ミリアムの血液を解析し、不老不死の謎を科学で解き明かそうとする試みがたくさん書かれること。確かにヴァンパイア小説の新たな地平という感じはします。
    また、登場人物の感情を細かく描いているのですが、それぞれが矛盾を抱え、エゴイスティックに関わりあいながらも愛情と切なさも感じる、「人間は分からない」ことを筆を尽くして語ってくれている印象があり結構好きでした。
    ただ、私はラスト結構へこみました……。想像すると、殺されるより酷い気がして。続編があるらしいですが。

  • 何世紀にも渡り生き続ける謎の貴婦人ミリアム。ここ180年ほどは元貴族のジョンを夫として連れ添っていたが、急激に老いの徴候が現れたジョンを目の当たりにし悩んでいた。それは何度も繰返してきたパートナーを失うことの前触れだった。折りしもサラ医師の、老衰学の新説を読んだミリアムはサラに接近し、ジョンの老化を食い止める方法と己の血の秘密を探ろうとする。

    作品中は一度もその言葉が登場しないけれども、れっきとしたヴァンパイア・テーマの作品。だがこの作品の特色は、ミリアムのヴァンパイア像が他の同テーマの有名作品―例えばキング「呪われた町」のように悪魔的、反キリスト的存在でもなければ、アン・ライスが創造したヴァンパイア・レスタトのように人間の倫理を超越した存在ともまた違った描かれ方をしていることだろう。
    昨年夏に邦訳の初版が出たものだが、原作が書かれたのは1981年。'83年にはT・スコット監督、C・ドヌーヴ、D・ボウィ、S・サランドンらの出演で映画化もされている(映画タイトルは「The Hunger」)。続編「ラスト・ヴァンパイア」が出たのを機に邦訳の運びとなったらしい。

  •  いわゆるヴァンパイアものなんだけど、文中ヴァンパイアって表記は全くありません。
     長い時を生き続けているミリアムと、その夫の愛と別れ、って感じかな。もっと内面はどろどろしてるけど。睡眠に対する科学的な解釈と融合させてるあたりは、斬新だった。っても、これって二十年以上前に発刊されたやつなんだよね。なんでも、2部が出たのでこのたび翻訳の運びになったそうな。
     「ハンガー」ってタイトルで映画化もされてる。D・ボウイがヴァンパイア役ってそういう記事を読んだことがあるのを思い出す、私は中途半端な映画マニア(苦笑)
     2部出たら買います。って、ぐらいは面白かったです。はい。

  • ku

  • やっぱり吸血鬼小説は、こうでなくっちゃ!

    と思ったら、作家さんは男性でした。

    なるほど、女性作家だとあぁ言う物語になるのかと、不思議な感想を持った本でした。

  • 映画「ハンガー」の原作。これ読んで「ハンガー」のビデオ買っちゃいました。

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