25時 (新潮文庫)

制作 : David Benioff  田口 俊樹 
  • 新潮社 (2001年8月発売)
3.45
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  • 15レビュー
  • Amazon.co.jp ・本 (355ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102225219

25時 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 最後の50ページ。圧巻です。
    多分、作者はここを書きたいが為に、この長編を作ったのでしょう。
    前半は、やや暗い筆致で淡々と恋人や友人達の姿を描き出していきます。丁寧に。主人公は悪人です。高校時代から麻薬売買に手を染め、抜き差しなら無い状況に陥ります。しかし、友人や恋人(これらは一般人です)にとっては、ごく普通の、そして魅力的な人物として描かれて行きます。それはそれでなかなか読ませます。
    しかし、最後まで読み切ると、それらは最後の数章のための伏線に過ぎなかったことが良く判ります。
    なかなか見事な作品でした。

  • 読んだ本と表紙が違う。持っている本は映画のジャケットだな。映画化もされている。後半は一気に修練してくるので読みやすいが,アメリカの小説はディテールが細かいことが多くいちいち情報が挟まれるので読むのが苦痛なことが多い。読み手としてディテールがストーリーに関連づけられると予想して丁寧に読むが,途中からたいした意味がないことに気づく。流し読みで十分なんだと気づいた頃には時間を浪費し作品への興味も失う。
    映画化もされたし,書評もよかったらしい。こういう物語もニーズはあるのか。人って「お話」が好きなのかな。

  • ニューヨーク、麻薬の密売が発覚して刑務所に入ることになった若く美しい男。密売の仕事は順調だったし申し分のない恋人もいたし街の全てが自分の味方だった主人公は、仲間との別れの集まりでも乱れることなく淡々と残りの時間を過ごしている。
    極普通の奥様は極普通の結婚をし、そんなナレーションで始まるドラマがあったけれど、この物語も極普通の若者の物語なのかもしれない、ただひとつ24時間後にはあちら側に行かなくてはならないという点を除いては。
    トゥルー・ロマンスを思わせる美しいエピソードで飾られたラストに、あまり語ることの多くない主人公モンティの本音が表れているのが哀れだ。

  • 最後、主人公と父親はどんな選択をしたのか、読者に委ねることで素晴らしい余韻を残した。この作家の作品をもっと読みたい、そんな気にさせる良い作品。

  • 面白かった。最後は切なかった。

    映画をずいぶん前に観てたから、ノートンのイメージで読んでった。

  • この終わり方は確かに秀逸。

  • ニューヨークの青年たちの、お互いの分岐点ともなるべきワンシーンをきりとった青春小説。
    訳のせいか、序盤は少し入りにくさを感じるが、幸せと不幸の狭間でふよふよと飛行を続けるような文章に、いつのまにか引きずりこまれてしまう本である。

    主人公モンティの長い一日のラストを描く部分は、青春を振り返るときのようなもの寂しさにあふれている。

  • 詩の言葉で書かれた小説。

    積み重ねられた多くの言葉や風景から
    ひとつの思い、ひとつのシーンが、はっきりとした輪郭をもって
    立ちあがってきます。

    ストーリーそのものは、ありがちといえばありがちだし、
    3人の男の子たちの関係も、スタンド・バイ・ミーその他の
    ボーイズストーリーを思い出させるようなクラシックな点もあります。
    でも、その古典的な感情・展開に、
    今現在のにおいを感じさせる文体がぴたっとはまって心地よい。
    一度読み終わった後、もう一度すぐに読みたくなる。
    今の気分にぴったりの音楽を聴いていて、
    曲が終わるが早いか、リピートしてしまうような感じ。

    すべてを失う瀬戸際にたったときに大切なものは何か。
    主人公には、それがはっきり見えているのが、
    私にとってはかなり気持ちのいいポイントでもありました。
    その点は、古典的なお話と一番違うところかもしれない。
    映画化もされているようなので、ぜひ見て見たいと思います。

  • 2002年3月6日読了。以下、過去の日記から抜粋。

    久々に洋物を一本。
    これもまたずっと読もうと思って、中古落ちを狙っていた作品である。
    『25時』というタイトル自体からもう引きつけられはしないか?
    私達は“1日=24時間”という常識の中で生きているから、
    24時以上の時間を想像することが難しいのである。
    しかし、人によってはタイムリミットの基準が違うこともある。
    考えてみれば普通のことなのに、はっと気づかされる。

    舞台はニューヨーク、麻薬のバイヤーであったハンサムな青年が、
    仲間の裏切りによって捕えられ、7年の刑期が言い渡された。
    物語はその青年が収監される前日にどのように過ごしたかが描かれている。
    たった1日だけ、しかも逃げるでもなく、自殺するでもない。
    主人公は仲間達と特に感傷的になるでもなく、最後の日を供にするのである。
    ・・・勿論、皆それぞれにやりきれない思いを抱えているのだけれど。

    ラストに向かって、物語はクンッと少しだけスピードを上げる。
    私達は小説の中でさえ決してきれい事ではすまされない
    男同士の友情の・・・言葉にしがたい切なさを見る。
    でも、特筆すべきはラスト中のラスト、文章の締め方。
    久々にこんなに効果的かつ印象的なラストを読んだような気がする。

  •  24時間後に収監されることが決まっているモンティ。その一日を、彼の友人や恋人たちの物語とともに、淡々と描く青春小説。
     正直物足りなかった。それは多分、モンティが自分の犯した罪についてどう考えているのか分からないからだ。刑務所での7年間に対する恐怖や、全てを失うことへの悲しみや憤りは表現されているが、肝心の捕まる原因となった罪については彼は何も感想を述べない。そのため、結局自業自得だよなあという感想しか抱けなかった。
     個人的にはジェイコブの話が半端だったのが一番気になる。作中で未解決のまま終わるなら、あのエピソードはいらなかった。
     一気に読ませる作品ではあるが、読後もやもやしてすっきりしない。

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