恋する宝石 上巻 (新潮文庫 ク 10-14)

著者 : ジュディス・クランツ 小沢瑞穂

• 新潮社 (2001年12月1日発売)

感想・レビュー・書評

[sanaさんの感想 · 2011年2月2日]

軽い物が読みたくて、探しました。
軽いというより～けっこう激しい。
ドラマチックで引きこまれます。
幼い頃から目立っていた少女がやがて女優テッサ・ケントとして成功するが、意外な苦難の道のりが？！
謹厳なカトリックの父は古風は教育を望み、娘の才能に期待する母と対立。息苦しい家庭だった。
唯一の友達ミミと化粧してパーティーに出かけるが…？
１６歳でオーディションに受かり、順風な女優人生。
派手な生活で、ありそうな映画の撮影や豪華な衣裳や宝石、いろんな有名女優の名が出るあたりは楽しい。
年上の男性ルークと電撃恋愛で結婚。
モナコでグレース王妃に祝福されるが、親戚からは浮く。
ロマンスは普通じゃないけど、ハッピー感はあり。
美しく才能があり夫に愛されている人生。たった一つの秘密は、妹ということになっているマギーが１４歳で生んだ娘だということ。
預けられた家庭でお金には不自由ないが愛されずに不幸になっているとは知らず、たまに会う女優の姉として、短い休みを一緒に過ごすだけ。
実母アグネスが女優になった娘の華やかな生活から疎外されて恨みを抱いたり、妹を預けられた夫の義弟タイラーの妻マディソン（何の血のつながりもないので無理ないと言えばそうだが）の苛立ちもキョーレツ。
登場人物の人生にはほとんど共感できる要素がないので、現実から離れられるという点では気分転換になりました。