- Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
- / ISBN・EAN: 9784102273074
感想・レビュー・書評
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アメリカの小説はこういう少年/青年のモラトリアム物語が多いなぁ…
長きに渡るトランパーの物語、
ここに大団円!!
いや、犬と子供と家族と結婚と、というTHE幸福。
それでいいのかい?と思いながらもこれでいいよな、
というシンプルなハッピーエンディング。尿道も正常。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
アーヴィングの初期作品ということもあって未熟さが目立つ。構成も、ストーリーの流れも、キャラクターも。ただ多くの点に置いて彼の4作目以降の急激な発展に繋がる萌芽を持っている。
男性側の意思のないまま起こる出産。物語内の物語構造。子供に聞かせる白鯨。ウィーンの物語。奇妙な事件。
この作品単体の評価としては正直、あまり褒められたものではないが、アーヴィングの軌跡をたどる上では示唆に富んでいる。 -
妻子、恋人、映画制作、論文執筆から逃げ、かつての友人に会いにウィーンへ向かう主人公。友人の死をきっかけに再度現実へと戻る。時制や人称が頻繁に変わり読みづらいが、最終章の幸福感に救われる。
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ボーガスとビギーとトゥルペンと。
センチメンタルがずっと続く。
青臭い、だからなんとなく、胸がざわついて、
そんな風にすごすのも悪くないというか、そんな風にすごしていたときもあったなぁ、ということを思い出させる小説です。 -
なんか好き、としか表しようがない。
気が向いたらたまに読み返している一冊です。
著者は言うまでもなくアメリカ人、舞台はアメリカ(あとドイツもちょっと)なんだけど、どことなくイギリス映画っぽい風味がある。
主人公トランパーはどうしようもない甲斐性もない男だけど、そのモラトリアム具合は見ていて心が切ない。
ダメ男に惹かれる気持ちがちょっとわかっちゃうような…?
ラスト近く、息子のコルムに対する愛情にはほろりとします。
アーヴィングは父性についてよく描く作家だけれど、あらゆる人間関係の中で息子に対してのみ誠実で率直なトランパーは、なかなか特殊な父親像。
でもいちばん好きなのはトゥルペンだな。
こういう成熟したやさしい女性になれたらと思う。 -
ボーガスに沢山の悲劇が訪れるが、寛容に受け入れて前に行こうと決意する。
ラストにトゥルペンがボーガスとの子どもに「メリル」と名付けたことに感動した。
解説で「アーヴィングの小説はどんな悲劇を描いていてもおおらかな笑いに包まれる」という文章に頷いた。アーヴィングの家族愛は温かい。 -
いやどうだかな。でも好き。
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どこに行っても落ち着かない男・トランパーが見捨てておけなくて手に取る下巻。相変わらず読み手を苦笑に誘う言動を繰り返す主人公だが、読み終わって非常によかったと思うのはラストシーンだ。それまでの過去・現在の軌跡はこの最終章の布石なのじゃないかと感じるし、実際そうなのだが、ラストのディテールは、ほうとため息をつきたくなるほどふさわしい。次は「ガープの世界」だー。
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(6/18)
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長くて飽きそうになるけど好き。