サーカスの息子 下 (新潮文庫)

  • 新潮社 (2008年11月27日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (672ページ) / ISBN・EAN: 9784102273142

AIがまとめたこの本の要点

プレミアム

みんなの感想まとめ

多様な登場人物がそれぞれの生と死を背負い、物語に深みを与える作品です。インドを舞台に、時間を行き来しながら語られるストーリーは、巧みな語り手によって紡がれ、最後には題名の意味が心を揺さぶります。性の問...

感想・レビュー・書評

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  • 登場人物の一人一人が大切な役割を担っている。固有の生まれと死をもっている。

    最後に明かされる題名の意味には、心を揺さぶられた。

    それにしても、なんと巧みな語り手だろう。インドを舞台に時間軸を縦横無尽に往復しつつ、物語は開いたまま終わった。

    性の問題(セックス、ジェンダー、性的指向、セックスワーカー)が率直に語られている。

  • 人生はノーサーカスでゴーホームなんていわれてもどこにホームがあるかなんてそんな簡単にはわからない。
    それは信仰の話であり、アイデンティティーの話であり、血のつながりの話でもある。

  • 一応ミステリーの要素もあるんですが、メインはそっちではなく、なかなか壮大な個人史だったなあという印象。

  • J.アービングの世界に引き込まれていく。
    メインストーリーの間にサブストーリーがいくつも絡んでいき、さらに色んな人物が絡み合う。
    なのに、カオス化することなく、頭にしみこんで行くような感覚。
    恐るべしジョン・アービング。
    舞台はインド。
    読み進めていけば、インド自体がとんでもなく個性の強い国なのだと感じる。
    (一度インドへ行けば、ハマるか大嫌いになるかどちらかって言うし、この作品を読んで、かなり気になり始めた。)
    かなり異国情緒を味わえる作品なのです。
    そんなカオスの国で繰り広げられるストーリーのテーマは、“自分の居場所”。
    孤独を感じる人、というか、現代人なら誰でも分かる感覚があるんじゃないだろうか。
    うだつの上がらない主人公のファルーク医師、ゲイの双子、アメリカ人のヒッピーetc...個性的な登場人物が多く(誰もがちょっとした孤独を抱えている)、国籍も性別も越えた多様性が私的にツボでした。

  • 59歳のファルーク・ダルワラはボンベイで生まれ、ヨーロッパで教育を受けてオーストラリア人の妻を持ち、現在はトロントで整形外科医をしている。また、ヒンディー語映画の覆面脚本家でもある。彼の作品に娼婦を殺して死体の腹に象の絵を描く殺人犯が出てくる。それをそっくり真似た殺人事件が起こる。

    長い長い物語だったけど、面白かった。生き別れになっていた双子が最後の最後に出会えた時、感動した。小人、ヒッピー娘、同性愛者、孤児、少女売春婦…帰属する場所がない人々がたくさん出てくる。こういった中で人の繋がりがあってなんだか心がほんわかする。

  • 数年前にインドに行った時、ムンバイをもっと見ておけばよかったな、というのが第一の感想。
    大きな街はムンバイしか寄らなかったんだし。
    しかし、言うまでもなく、なにしろこの街はすさまじかった。
    最初の日にインド門の前でタクシーを降りた瞬間、目の前にはにこにこ笑いながら手を差し出すヒジュラ(あるいはゼナナ)がいた。

    わたしは、この作品において多くの事件が起こる場所であるスラム街にもレッドライトディストリクトにも、近寄ってさえいない。
    それでも、インドのインド的部分は、わたしを十分おびえさせたり神経をすり減らしたりした。

    主人公のファルークは、確かにこの国で生まれはしたものの、青春時代をヨーロッパで、現在は生活拠点をカナダのトロントに置いている。
    どこにいても移民、どこにいてもストレンジャー。
    寂しさ、不安、拠りどころのなさ。
    執拗なくらい丹念に描かれるファルークのこういった心境には、どうしようもなく惹かれてしまう。これは昔からだなあ。
    異国でたったひとり、とはどういう感じなのか?
    また、このような強烈な国を自分のルーツとして持つことを、自分に当てはめて想像してみる。

    アーヴィングの作品にはしばしば孤児が登場するけれど、本物の孤児(ガネーシャやマドゥ)もいれば、ファルークやマーティンのように孤児的状況もある者もいる。
    訳者解説にもあったけれど、インドはアーヴィングの小説世界を現実に映し出すためにぴったりなかたちをしているのだと思う。

  • 読み応えあった~。
    混沌としてるのに脈絡はあって、誰の人生も
    こんな感じに小説になりうる(そんな小説を書ける人は希少)
    ってことをふと考えて。。
    大昔何かを読んだときにも同じことを思ったなぁ
    と記憶を掘り起こしたら「ガープの世界」だった。
    そして、この人ガープの世界の人だった。。
    ストーリーは読んだそばから忘れるのに、
    こういう印象は記憶に留まるのよね。

  • 推理小説でも幻想小説でもない。独特の濃い茹だるような空間。滑稽な展開も残酷な日常もすべて、あの混沌の国に混在しているのです。想像の中のインドという国に。

  • インドのミステリアス感がますます募ってしまった。出て来る人はみんな魅力的だし、かなりアクは強いんだけど憎めないな〜上下巻の長さは読みごたえかなりありました。この人の本はいろいろ読みましたが、本当だったら相当暗い感じの事もサラッと書いてしまう所がすごいと思う。

  • 面白かったです!一応物語の縦糸としては殺人事件なんだけど、登場人物たちの過去と現在とそれぞれの葛藤や人間関係などが絡まり、なんとも密度の濃い物語でした。下巻のほうが夢中になって読めたかな。

  • 2010/1/13購入
    2013/11/5読了

  • 2009.9

  • 上巻と同じ。

  • アーヴィングの小説はいつも

    家族愛と
    割とどきついセックスの話が同居する・・・

    よくよく考えるとそれは表裏一体な事象だけれど。


  • 上巻で挫折しないで本当によかった。アーヴィングって、途中でとっちらかっても、いや、ずっととっちらかってても、最後にはちゃんとカタルシスというか希望をくれる気がして、今回もその予想があたったので。下巻までくると、だらだらした感じにも慣れてむしろ気持ちいいような気がすることさえあり。上巻では登場人物のだれも好きじゃない!と思っていたのに、下巻からだんだん全員を好きになっていって、主人公のファルークなんていとおしくさえ思えてきた。アーヴィングのマジック。ラストで、ファルークが双子を引き合わせるところとか、まさに「じんとくる」感じで泣きそうなほど。脚本家でもある主人公、自分の脚本について、都合が悪くなると神の采配のようなものを出して解決するところがずるい、みたいに批評されることについて、でも、現実にそういうことはあるんだ!って思うシーンがあって。アーヴィングの小説も、そういう神の采配みたいなことが起きて奇跡的にいろいろなことがうまくいったりするところが、わたしはすごく好き。

  • インド。いろんな人の思惑や偶然。人種・階級・性別、様々なあれこれのごった煮。インド生まれでヨーロッパ経由でカナダ在住の医師が主役。読み進むうちに絡まっている糸がほどけていくようなさらに絡んでいくような。すっきりしたものを求めないで、そのままを受け入れることで楽しめる物語。上巻のカオスが物語がクライマックスに近づくにつれて、一方向に進んでいく心地よさ。ミステリの要素も純文学の要素もふんだんに込められている名作です。ラストが好きなので、下巻を紹介。もちろん上巻から読んでください。

  • 2009年1月購入。

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