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Amazon.co.jp ・本 (368ページ) / ISBN・EAN: 9784102404218
作品紹介・あらすじ
38歳で名門料理学校を卒業した著者は、ふとしたきっかけから女性たちに料理を教えることになった。自分らしい料理との付き合い方がわからず、自信が持てなかった年齢も職業もバラバラな10人とともに、笑い、一緒に泣き、野菜を刻み、丸鶏を捌いていたら、彼女たちの人生が変わり始めた! 買いすぎず、たくさん作り、捨てないしあわせが見つかる、一冊で何度も美味しい料理ドキュメンタリー。
感想・レビュー・書評
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38歳で仏名門料理学校ル・コルドン・ブルーを卒業した著者は、調理方法に悩む女性との出会いをきっかけに料理教室を開講する。そこに集まった10名は料理に自信がないこと以外、バックグラウンドから何までまさに十人十色。
エプロンとノートと紙おむつ(安価なのとミトン代わりになるから)を手に、彼女たちは料理の壁をブレイクスルーできるのか!?
病み上がりに読んで大正解の楽しさだった!
でも一つだけ言わせてもらうなら、タイトルだ。「ダメ女」って言い方はないと思う。
一般的にダメだと言われる部分があっても、少なくともこの選ばれし10名は自分からダメになったわけではない。周りの環境や食品会社の売り文句に左右される等、他人事とは思えない背景から自分の料理に自信が持てなくなった。
原題にも「ダメ女」に当たる言葉がなかったので、彼女たちのためにも即刻改訂してもらいたい。
「以前は自分の人生のすべてに自信がなかったけれど、いまはすべてに自信を持つことができていると思う。料理以外はね」(ドナ、P 143)
それに彼女たちの上達ぶりには目を見張るものがある。ぼーっとしていたら「いつの間にこんな!?」と、手際や段取りが格段に良くなっていることに驚きを覚えるだろう。
積極性が求められるお国柄もあると思うが、端々で疑問をぶつけたり熱心に自主練したりと本気度が半端なかった。(「何となく」で習いに来ている人がいないのも大きいかな。とにかくどこが「ダメ女」なんだ!)
包丁の種類・持ち方…うん、これは日本の料理教室でも教えてくれるからイメージがつく。
それから食材のテイスティング…ん?テイスティング?厳密には、トマト缶やパスタなどの食材をメーカーごとに比較・テイスティングしていくというものだ。他にもフードロスを防ぐレシピ等、どのプログラムも実生活に直結した内容となっている。
人は食べたもので出来ている。身体にいいものを摂取したいのなら「何でも一緒」と一括りにせず、自ら学んで選択していくこと。「かしこい消費者」育成までしてくれる教室ってなかなか無いんじゃない?
部位に限定するよりも丸鶏を買って正しく解体していく。ナトリウム・砂糖まみれのパスタソースや砂糖過多なマフィンを買うくらいなら、自宅で作る。楽な方法でも良いからとにかく身体に良い「自家製」を心がけることで、食費もグッと抑えることができる。(個人的には「こねないパン」を試してみたい)
こうしたライフハックの習得もまた、ブレイクスルーに一役買っているのかも。
「インスタントのツナキャセロールと“トップ・シェフ“の間に、あなたにとって心地よい場所を見つければいいじゃない」(著者母、P 220)
「人間は自分が良いと思った食物や、健康的だと思う食物を調理する傾向にある」と、ある研究者は述べている。
アメリカでは「魚を食べると水銀中毒になる」と信じる人がいるほど魚料理が不人気らしいが、レッスンを経てたちまち好きになる生徒さんが増えていた。自分の手で料理を作ることは、こうした偏見を減らすことにも繋がる…。
「好き」と「健康」を両立させ、キッチンが居心地良くなったなら、もう「料理好き」を名乗っていいんじゃないかな。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
タイトルにある「人生を変えた」は大げさに思う方もいるかもしれませんが、おそらく事実でしょう。
料理教室に参加していないのに!本を読んだだけなのに!私自身の食べ物に対しての意識がかなり変わりました。
もうちょっと化学調味料に対してシビアになってもいいかも、と思いました。
本に登場する女性たちは、料理で人生を好転させました。
スピリチュアルな話ではなく、食べ物について知識を得たことで、人生の優先順位が変わったといったほうがいいかもしれません。最下層にあった料理というジャンルが、上層に上がり、生活全体を見直したら人生が変わっていった。そんな感じです。
”どうしても料理を習わなくちゃと考えたことがなかったんだと思う。だって料理を知らなくたって生きていけるもん。でも年をとって、健康に暮らすには料理の技術は必要だってわかった。自分が食べる物は管理できるようになりたい。食べ物に何が入っているのかわからない時代でしょ、いまって”(抜粋)
このフレーズが彼女たちの本音なのだと思います。
彼女たちが料理を通して自信を取り戻していく様子も書かれていて、興味深いものを見せていただきました。
自信一つで考え方も変わってくるんですよね(プラスのサイクルが回り出す)
私が買い物する上で参考になったのは、こちらです。
”そもそも、大量に無駄をなくさないように購入するのが、献立を考えることなのだ”(抜粋)
2日に1回のペースで食料の買い出しに行っているのですが、適当に買っていたせいか余りが出るのです。
余った食べ物を放置し、廃棄……なんてことも。
(ニンジンを放置していたら、葉っぱが出てきて先端が痛み出していたり)
その原因は献立を立てないことにあったのだとわかりましたので、改善していこうと思います。(何事も目的あっての行動。料理も一緒ですね)
また、買い物に行くときのマインド面で役立つフレーズもありました。
”重要なのは食べ物をお金と思うことなんです。5ドル札をゴミ箱に投げ捨てられる?無理よね?レタスやきゅうりをゴミ箱に放り込むっていうのは、同じことなんですよ。”(抜粋)
買い物の時にこのフレーズを思い出すと、買いすぎ防止になりませんか?
それでも、どうしても食材が余ったら??
”スープは残り物を最大限に利用できる料理だ。”(抜粋)
スープに逃げる。笑
(何事も逃げ道を作っておくって重要ですよね)
この本を読むと、料理ってキッチンで手を動かすだけではないことが分かります。
食物についての知識、材料を無駄にしないように献立を立てる(計画性)、作業効率を考える(生産性)、など調理以外のスキルも育ってきます。
手も動かすからボケ防止にもなりそう。
メリット多いですね!
生活改善をしたいのであれば、料理で一点突破もありかもしれません。 -
少しのきっかけと教えでダメ女達が変わっていく。
自分や大切な人を元気にしてくれる料理を作る。
この本を読んだら何か作りたくなってきた。
丸鷄の捌き方習ってみたい。
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料理はほとんどしないので、料理教室を受ける登場人物たちの気持ちはよくわかる。
一方、食事がいかに大切かということもわかる。
ジャンクフードやインスタント食品についてのくだりは、まさに以前読んだ『フードトラップ(マイケル・モス著)』と同じ内容で、大手企業が金を儲けるために開発した食べ物の怖さを再認識した。
ローストチキン、作ってみたいが日本では丸鶏なんて手に入らないよな。-
ottershoさん、こんばんは♪
丸鶏、コストコとかアマゾンで売ってるみたいですよ!
美味しくできたらいいでね(^.^)ottershoさん、こんばんは♪
丸鶏、コストコとかアマゾンで売ってるみたいですよ!
美味しくできたらいいでね(^.^)2025/03/08 -
2025/03/09
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料理、食事に真摯に向き合った私と生徒の話でした。書かれている事よりも経験が大事ですね。
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インスタント食品ばっかり食べている女性10人に料理を教えて食生活を改善させよう!という本。
自分も料理が苦手なので、インスタント(カレールーすらダメに入る!)やら外食とかダメだと言われると心苦しくて、「じゃあいつ料理するんだよ!」と切なくなりながら読んだ。でもちゃんと自分で料理したほうがいいとか、食品ラベルは気にした方がいいとか、ちょっと意識づけにはなった。頑張って料理したいと思う(できる時には)。
1つだけ言いたいのは、ダグラスアダムスの引用のとこ。「so long, and thanks for all the fish」の訳なんだとしたら、あれはイルカのセリフなんで、「魚を(食べさせてくれて)ありがとう」っていう訳で、「ごきげんよう、さようなら、魚のみなさん」じゃないんだよ〜!!! -
パリの一流料理学校で修行した主人公・キャサリーンが、色々な理由で料理から遠ざかっている女性たちに料理の仕方や材料の買い方・使い方などをレッスンしていく様子を描いたドキュメンタリー的作品。色々な女性が出てきて、彼女らのキッチンや人生を垣間見られておもしろかった。わたしもたくさん学ぶことができた。
p.220 インスタントのツナキャセロールと、ットップ・シェフ"の間に、あなたにとって心地よい場所を見つければいいじゃない。焦がしても、落としても、煮過ぎても、生焼けでも、味気なくても、食事のしたくに失敗したって、それでもいいじゃない。たかが1回の食事なんだもの。明日になったらまた作ればいい。100年経てば誰も違いなんてわからないのだから。
p.271 理想の生活を夢見た結果
でも、なぜ私たちはこんなにも食品を無駄にするのだろう?ジョーンズもブルームも興味深い洞察を示している。
まず、私たちは、自分たちのリアルな生活のために買い物をするわけではなく、自おおおきとする生方を想足して買い物をするのだそうだ。誰だって果物と野菜が体にいいことは知っているから、腐りやすくてもストックする。1週間分の食事を計画して買い物をする人なんてほとんどいないから、農産物の直売所ではとてもきれいだったビーツや緑黄色野菜は、インスタント食品を食べている間、ずっと冷蔵庫に入れっばなしになってしまう。しっかりと計画を立てれば、まとめ買いや半額セールでの買い物は大きな節約に繋がるのだが、なんの計画もなしに買い物をすれば、2倍も3倍も捨てることになってしまう。バーモント大学のトルーベック博士は家庭調理活動について何年にもわたり研究を重ねている。彼女目く、調理という行いで、最も足りていない技術は、包丁の使い方ではない。「私たちに最も分けているのは、献立をお客的に組み立てる技術です」と彼女は言った。「その技術、それから、残り物の再利用の技術ですね」幸運なことに、私は両方の課題にぴったりなふたりの人物を見つけ出した。
p.251 ケーキを1から作って焼くことと、ケーキミックスを使って焼くことを比較して、短縮された調理時間の平均は1-6分と示している。それじゃあなんでケーキミックスなんて使うの?
・料理している感"を演出
女性たちが手軽な食品を使うようになったのは、1950年代だとじている人が多い。しかし、その時代の女性も、現代の女性も、家庭での食事のしたくのほとんどを担当しているし、妻としての役割を怠けていると思われることに恐れを感じるため、でもそもでき上かった食べ物は避ける傾向にあるとシャピロは指摘している。箱入りのケーキミックスは典型的な例といえる。1950年代に初めてケーキミックスが登場したとき、加える必要があるのは水だけだった。女性たちはこのようなニセ物の卵の味のするケーキを出す罪悪感に耐えることができなかった。だから、発売当初の強い聞心にもかかわらず、ケーキミックスが売上を伸ばすことはなかった。研究者たちは、ケーキを焼く行為に必要な責任感と誇りを得るために、もっとケーキに関わりたいと望む調理人が多いことに気づく。食品科学者は乾燥卵白を使ったケーキがどのように焼き上がるかなんてことに、そもそも興味はなかった。だから配合を変えて、調理人が卵を加えることで、より料理した気分になれるように改良したのだ。なんて素敵なの!女性は箱入りケーキを買えるだけじゃなく、そのうえ、箱入りケーキ開発に貢献できるだなんて。そのわずかな変更で、ケーキミックスは飛ぶように売れた。
現代でも、多くの箱入りのインスタント食品に、卵、牛乳、パター、油、あるいはマーガリンを加える必要がある。たとえそれが食品科学的には不必要だったとしても、だ。でも、そうやって原料を必要とすることで、面倒なしに「料理をする”感覚を得られるのだ。
p.280 スーパーでの購買欲求
ティエリーのやっていることを真似るのは、少々難しいことだと、私にはわかっていた。でも、そもそも、大量に無駄を出さないように購入するのが、献立を考えることなのだ。だから次の週の授業のゲストに、私はもうひとりのスピーカーを招くことにした。スーパーマーケット専属シェフ、ジェニーだ。
ジェニーは調理師としてのキャリアをレストラン勤務からスタートさせた。しかし彼女は家庭料理にもっとインパクトを与える仕事に就くと決心した。前職では、高級食料品店でシェフとして働き、ショッピング客と日々交流を重ねていた。食材の調達にスーパーを利用する人が大半を占める。ジェニーはスーパーの仕組みを隅々まで熟知していた。
「スーパーマーケットの隅から隅まで、ひとつも無駄にせずにいいとこ取りするのが、私の作戦」と彼女は言った。「なりゆきに任せちゃダメなの」
私たちが複雑な小売り店の迷路に迷い込んだネズミのようなものだと気づく人は少ない。スーパーは、買い物客の行動パターンを調べるために大金を費やしている。すべてが目的をもって行われているのだ。店内に流す音楽から、セールを知らせるチラシのフォントの大きさも、すべて計算ずく。例を挙げよう。スーパーは少し肌寒い場所だということに、あなたはきっと気づいているだろう。私は昔、それは食品を保存するためだと思っていた。でも実際は、それはあなたの食欲を刺激している。寒さが食欲を刺激するのだ。空腹を感じている状態だと、たくさん買ってしまう。スーパーに入ってまず最初に辿り着くのは青果コーナーだ。食品を手に取る間に、あの明るい色合いが買い物への欲求を高めていく。牛乳、小麦粉、シリアルはいつも必ず離れた場所に置かれている。なぜか?
スーパーはあなたが時間をかけて歩き回るように設計されているからだ。食料を探すために長い時間迷路を歩き回れば歩き回るほど、あなたは衝動的な買い物をしてしまう。食品製造業者は、目線の高さにある特別な棚への陳列のためにお金を払っているのだ。シリアルの棚の場合、子どもの目線の高さがいちばん高額の棚だ。
「なんでシリアルの置いてある通路が大嫌いなのか説明がついたわ!」とシェリルが言った。「本当にうんざりするのよ。子どもが「ねえこれ買ってよ、ママ、だってシンデレラの絵が描いてあるのよ?」って。私いつも、それってどこにあったの?全然見えなかったわって思ってた」
「食品メーカーは、陳列棚の未端に置かれている、特別な棚にもお金をかけてます。
それは”エンド”って呼ばれて、知られています。通常、そのエンドには、安くなった商品を置くのですけれど、そうじゃないときもあるんです。最もお得な商品はエンドにはほとんど並んでなくて、通路の角のあたりに置いてあるんです」とジェニーは言った。
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料理研究家の著者がスーパーで出会った
調理済みの惣菜や冷凍食品ばかり買う女性。
どんな食生活を送っているんだ?と興味を持ち
とにかく料理が苦手だという人ばかりの
変わった料理教室を開くことに。
確かに普通じゃない〜。
包丁を持ち寄って使い心地を選んだり
塩やトマト缶を揃えて味わいの違いを感じたり
ひたすら食材を切ったり
残り物でスープを作ったり。
自分で能動的に道具や食材を吟味すると
まず料理に対する抵抗感が薄れ
自信がついてくるってプログラムなんですね。
料理が苦手な人間は全世界にいる!
それがわかって万歳だ!(違うだろう) -
加工食品に頼った食事をしていた女性たちが、料理を通じて、食への関心を取り戻していく、それは生活だったりパートナーとの関係だったり、そういうものを見直すことでもある、ということがわかる。加工食品の描き方は、アメリカのものということもあるのかな、とは思って必ずしもすべてに賛同するものではない(日本のカレールーを不健康な加工食品扱いするのはちょっと。。)ので、少しさっぴくところはあるけれども、食が生活に直結するものだ、というところはまったくそのとおりだと思う。
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料理が苦手と思う理由は海外でも共通。
包丁の使い方がわからない、肉の部位の選び方がわからない・・・
登場してくる10人は、それぞれに料理への思い込みに変化があり、
料理が楽しくできたらいいなと感じました。 -
原題はThe Kitchen Counter Cooking School。フランスの名門料理学校を出た作者が、アメリカに戻って料理が苦手な人たちを集めて料理教室を開く話なので、邦題の方がほんの内容を反映しているとは思うけれど、ちょっと納得がいかない。インスタント食品を「ちゃんとした食品じゃない」と言い切る作者だが、料理教室の生徒を「ダメ女」とは一言も言っていない。一方で、料理ができないだけで、自信を持てなかった女性たちが描かれていることも確かではある。でもその裏には、女性は料理ができて当たり前という偏見があるし、さらに邦題では悪意をこめているように思える。内容はわかりやすいし、面白いし、それぞれの生徒の個性も感じられて楽しく読めるのに、邦題が残念だと思う。キャッチーで手に取られやすくなるのはわかるけど。
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亡くなられた料理家の髙木ゑみ先生からおススメしていただいた本です。
ずっと積読リストに入れてました。
著者はアメリカのフードライター兼料理講師で、料理が苦手な10人に対し家庭訪問を行い、自宅の冷蔵庫を見せてもらいながら日々の食生活をヒアリングし、それぞれの問題点を洗い出していきます。
その上で彼女たちに、包丁の使い方から基本的な調理の仕方を教え、いろいろな食材の味見をさせてレトルト食品の味と手作りの味の違いを認識させ、無駄のない買い物の仕方を教え、結果的に彼女たちの人生をも変えてゆくドキュメンタリーでした。
日本とは文化が違うけど、私にも応用が出来ること多数。ゑみ先生が本書をおススメする理由もよくわかりました。
レシピに頼らない、マメに味見をすること、健康を考えた食材の選択、結局お得な高級調味料・・・
先生もおんなじことをよく言ってました。
先生の言う通りいい本だったけど、なんせ翻訳が読みにくくて・・・もしや先生は原文で読んだのでは?!と思うほど。
変な言い回しが多くて読み終えるのにすごく時間がかかってしまいました。編集者さんもよくあれでOK出したね。
週末はローストチキンを焼きたくなりました。
パセリ、オリーブオイル、にんにく、クルミをフープロで混ぜたジェノベーゼぽいソースで食べたいな。 -
114pまで
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2024/05/02 更新
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