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Amazon.co.jp ・本 (1088ページ) / ISBN・EAN: 9784102405819
作品紹介・あらすじ
わずか2年前、アンドルーは多重人格者の魂の代表として26歳にして〝誕生〟し、魂たちの共存のため奮闘していた。ある日、殺人犯を事故死へ追い込んだことで、自分が継父を殺害したのではないかという疑念に囚われる。真相解明のため、同じ障害をもつ女性ペニーと故郷へ向かうが、自身の隠された秘密だけでなく闇の魂からの脅威にも晒され……。あらゆるジャンルを包み込む物語の万華鏡!
AIがまとめたこの本の要点
この本を表す言葉
みんなの感想まとめ
多重人格をテーマにしたこの作品は、主人公が自らの内面と向き合いながら織りなす物語です。彼は多重人格者として、自己の過去や隠された秘密を探る旅に出ます。この過程で出会う女性も同じ障害を抱えており、二人の...
感想・レビュー・書評
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鬼★5 多重人格×多重人格の人格群像劇!複数の自分自身と戦う若者たちの成長ストーリー #魂に秩序を
■きっと読みたくなるレビュー
鬼★5 今年の翻訳ミステリートップレベル。
怪物のような作品です、はー、面白かった~。新潮文庫史上、最もぶ厚い本とのことで、1,000ページ以上あります。でも面白過ぎてあっという間にページが進んじゃうのでご安心を。
前半は多重人格障害者の背景や様々な日常が描かれ、後半は自らの過去を探し出す展開になっていく。ミステリーはもちろん、青春、恋愛、サスペンス、冒険小説など、様々な要素を含んだエンタメ小説です。兎にも角にも「強烈」な作品ですので、是非お時間をとって読んで欲しいです。
〇多重人格障害、ふたりの物語
アンドルー:
多重人格障害でありながらも、人格アンドルーが各々の人格をしっかり管理している。いま誰が体を支配しているか、誰が何を言ったかなどをそれぞれが覚えられる状態。人格アンドルーは2年前に生まれたため、自身で起こったことでも、誕生以前のことは知らない。人格管理はできているが、お酒を呑んだり、心神喪失の状態に陥ると、人格破綻を起こしてしまう。
ペニー:
自身が多重人格障害であること自体を理解していない。人格をまったく管理できておらず、その時々でそれぞれの人格が支配する。そのため支配している人格以外は、突然記憶をなくしてしまう。
こんな二人をメインにストーリーは進行するのですが、多重人格なのでこんなやり取りになるんです。
・多重人格 1人 :ひとりの中にいる、複数の人格同志でやりとり
・多重人格 1人と1人 :複数の人格と複数の人格のやりとり
・多重人格 2人と一般人:複数の人格×2と一般人のやりとり
社会人として働く必要はあるし、友人もつくり、恋愛だってすることもある。時にはトラブルに巻き込まれるし、大切な人を守ったり、攻撃されたら排除しなければいけない。そして物語の後半には、たった二人で旅をしながら自らのルーツを探ることになる。もちろん協力的な人もいるが、害悪を加えようとする人もおり…
いやーーーーーー、無理でしょ!無理。
こんなに胃の奥底に圧力がかかる物語はないですよ、すべての場面でどうなることやらってヒヤヒヤ。それはヤバいよ、なんでそうなっちゃうんだよって、感情が揺れまくりで大変でしたよ。
〇多重人格障害の現実
こういうことなのか…
話には聞いたことはあっても、障害を持った方と会ったことはないですし、経験したこともない。どうやって人格に秩序をもたらしているのか、そのためにどういった努力をしてきたか。完治するのがいかに難しいのか。
ひとりの中で、こんなにも複雑で綿密なやりとりがされているとは知りませんでした。これは大変だわ… 1,000ページ、しっかりと勉強をさせてもらいました。
〇障害に至った背景
原因は幼い頃の虐待と言われますが、実際に体験した人は… ホントに可哀想すね。特にペニーが障害を発生してしまうときの描写は、単にツライとかヒドイとかそういうレベルではなく、絶望の闇の底に落ちていく感じなんですよ。文字だけでここまで追い込まれる気持ちになるとは…
子どもの頃に「愛」が得られないと、人間はどうなってしまうのか。腹が立ってしかたがないのですが、虐待する側の事情があるでしょうし、社会がしっかり守ってあげない課題だと思いました。
〇二人のそばにいる人たち
イチ推しはミセス・ウィンズロー(アンドルーの住まいの大家)ですね。
彼女にも深い傷があるけど、人間と向き合う力がある素敵な女性。うわべだけの優しさではなく、自らを犠牲にしても、弱い人を守ってあげられるような人間でありたいですね。
あとジュリー、あんた正直でいい奴なんだけど、無邪気がすぎる。
〇おわりに
さて、まだ書こうと思うばどんだけでも書けるんですが、このくらいにしておきます。ミステリーとしても、なかなかの真相が待ち受けているし、サプライズなこともしっかりある。多重人格でも、温かみのある恋愛や友情も描かれてますが、突然罵詈雑言が飛び交う会話も凄まじい。
個人的には年間トップレベルの作品で、この衝撃を多くの人に体験をしてほしいです。
■ぜっさん推しポイント
やっぱり終章ですよ。長い長い本だったのに、終わってしまうのか… と寂しくなってしまうんです。この二人の人生をもっと見てみたい、幸せになってほしいと願わずにはいられない。
人生には様々な困難が待ち受けています。病気、人間関係、仕事、経済的なことなど、耐えがたいことがいっぱいある。ただこの二人を見てほしい。こんなにも困難な人生でも、日々あきらめずに成長しようと努力している。少しくらい嫌なことがあっても、挫けずに前を向くことが大切ですね。この二人に負けてられません。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
1064ページの長編大作!多重人格を扱った本でした。
主人公の多重人格者が行う「ハウスミーティング」なるもの。これが非常に興味深い!「ひとり会議」とも言えるのかもしれないが、彼の中には目に見える家があり、目に見える他者がおり、その別人と普通に会話しているのだから、人間の脳というのは、いったいどうなっているのでしょうね。ストーリーも、波乱に満ちて、これまた面白かった!-
2025/12/26
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そうなんです!まさに。
ページを開くたびに、「重っ!」と言いつつ、真ん中から裂けないように読んでました。そうなんです!まさに。
ページを開くたびに、「重っ!」と言いつつ、真ん中から裂けないように読んでました。2025/12/26
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多重人格の主人公が多重人格の女性と出会い、自身の闇にある過去の事件について調べていく。
一気読みではないけれど、読み進めるたびに印象が変化していくのが楽しく長いけど良かった。
よくこんなややこしい話考えるなぁ… -
このミステリがすごい!で知り、手に取りました。
主人公は多重人格者で、予想通り、辛い過去を持っているのですが、とある理由から、それを感じさせない程、明るく落ち着いていて、読んでいて好感が持てました。むしろ、その他の非多重人格者の方が、少し性格に問題がある…と感じられる方が多かったです。
どう面白かったのか、説明するのは難しいですが、分厚いのに、読むのは全く苦痛ではなく、次々と繰り広げられる展開に、ページを捲る手が止められなかったです。本を読み終わりたくなかったです。
ゆっくり時間の確保が出来る、年末年始におすすめします。
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ガルシア・マルケス【百年の孤独】が話題になってますが、同時期に発売されたマット・ラフ【魂に秩序を】を読む。
まだ【百年の孤独】よりは読みやすいが、京極夏彦並のページ数役1000ページあるので読み終わるまでかなり苦戦した(笑)
内容は様々なジャンルがぶち込まれた作品で、多重人格の設定も斬新で良かった。
ただ本読み玄人で無いと読み終わるのは大変かも!? -
分厚いが、文字は大きめ。
分厚さは必要なのか。と思ってしまったが、最後まで読むと必要だと思った。
歩み出す一歩がキラキラしてました。
みんな幸せになって、と願いましたね。 -
評判どおり面白い翻訳エンタメ小説だった。
主人公は多重人格者の26歳のアンドルー。脳内に家を作り複数の人格をアンドルーという青年の人格がコントロールし、上手く暮らしている。彼はふとした弾みで殺人犯を事故死に追い込んだことをきっかけに、自分が継父を殺したのではないかという疑念を持つ。そして同じ障害を持つ同僚女性のペニーと一緒に故郷へ向かう話だ。一気読みとまでは行かない。とても読みやすいが、登場人物が複雑なのでホイホイと軽く読み飛ばす感じてはない。
この本が書かれたのは2003年。デニス・レヘインが「シャッターチャンス」を書き、映画「ペイチェック」が撮影された年だ。何が現実か、自分の記憶は正しいのかもわからない、そういうテーマがもてはやされた時代の作品だ。
前半はダニエル・キイスの「24人のビリー・ミリガン」のようだ。多重人格のアンドルーとペニーそれぞれが複数の人格を持つので話が少し複雑だ。アンドルーの意識が離れているうちに暴走した別人格が起こしたことはアンドルー本人にはわからない。そんなトラブルが多々起こるが本人たちは大変だろうが明るいトーンで描かれる。
知らない間に別人格が勝手な行動をし違う方向に話が進むのは、クリストファー・ノーラン監督の映画「メメント」で記憶が10分しか保たないという障害の設定を思い出した。しかし話はそっちには行きすぎず、あくまで「24人のビリー・ミリガン」のように淡々と進む。多重人格サスペンスにはしていない。もっと明るいのだ。
後半は、継父の死の謎を追いかけながら次第にコントロールが効かなくなるアンドルー。アンドルーの本来の人格に隠された過去!何が現実で、何が起きたのか!何が何やら誰が誰やら。
さて、【すべてがここに詰まってる】と帯にある。確かにいろいろな要素をてんこ盛りに入れている。面白いエンタメ小説はそういうものだ。これを◯◯小説だと思い込んで読まない方が良いということだ。色々なことを描きながら、2人を含む登場人物それぞれがそれぞれの問題を乗り越えて前に進んでいく。そしてそこには新しい旅立ちがある。もちろん安心して読んで欲しいがハッピーエンドだ。あえて言うなら成長小説なのかもしれませんね。
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多重人格者として誕生したアンドルーは就職先にてある女性と出会う。その女性も自分と同じような多重人格者だった。恋愛ストーリー的なアプローチから彼と彼女をめぐるミステリアスなストーリーへ。多種多様な人格形成とその描写、過去をめぐる旅、そして自身の人格形成を司る根源の追究と壮大な物語に圧倒される。トマス・ピンチョンが讃えるだけの作家であるのもうなづける。
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タイトル買いでした。文庫本にして1000ページ超えというスケールを前に「これは読み切れるのか。。。」と自信を無くしかけましたが、なんとか読了いたしました。
正直、本題に入るまでが長すぎたなあという印象を持ちましたが、後半に入ってくるとそれまでのダラダラ感が嘘みたいにスラスラ読めてゴールインしました。
忠実に翻訳しているからなのか、台詞などに「クソ」という言葉がもうクソほど出てきます。ご興味があれば本作中に「クソ」が何回使われたか数えてみてください。
読後感は思ってた以上にスッキリ爽やかな終わり方だと思いました。これくらいで終わるのが一番ええですな。
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文庫王国から。新潮文庫史上最厚のボリュームにちょっと怯むんだけど、適度に繰り出される新事実やら、ダイナミックな場面展開やらで、冗長さを感じる間もなく読了。それだけでも結構凄いこと。更に、基本的に個人的に多重人格モノは苦手なんだけど、本作はその切り口の妙もあり、あまり気にせずに楽しめた。
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2025年1冊目。
テーマが多重人格と初めて触れるジャンルで興味深く読めた。
昔何かで読んだ、文字や音に色がついて見える人の話を読んだ時みたいな、自分にはない感覚(感覚だけどその人にとっての現実)を覗いてる見たいで、引き込まれた。
後味も良く、長いけど面白かった。 -
一気読み必至というほどの推進力はあまりなかった気がします。年始2冊目で挫折したくなかったので、なんとか最後まで読みましたが、期待したほどのスリルを感じられらなかったせいかもしれません。
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なかなかのボリュームやけど、飽きもないしもう一回読みたいな。
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タイトルからして重苦しい雰囲気があるが、全編、伊坂幸太郎感が漂う優しい小説だ。
多重人格者の代表(体を主に操縦できる人格者)である主人公のアンドルーが優しい。「ぼく」で語る一人称が、伊坂幸太郎の小説のように思わせる。
同じ多重人格者であるペニーと一緒に自分の過去を、それぞれの人格者たちと一緒に振り返り、見つめ、そして成長していく。
多重人格者の青春小説と言ってもいい。
1000ページ超えの大著だが、あっという間に読了した。 -
新潮文庫最厚というこの作品――敢えて分冊(上·下巻とか)にしなかった理由は、読み進めていくと理解出来ましたけど、まあとにかく長い。
色々なジャンルを網羅的に展開しているとは言え、ゴチャっとしている感じ。大きな鍋に手当たり次第に食材ぶち込んで煮ている、と言うか… -
多重人格者が主人公で、1,000ページ近くなるというと、蘊蓄だらけだったりして小難しいのかと心配だったが、結論まったくそんなことはなかった。人生ドラマであり、青春、恋愛、さらにはミステリー小説でもある。それらをすべて作品に落とし込むには、これだけのページが必要だったということだろう。
多重人格者の2人が主軸ということで、人格の入れ替わりのシーンが多々出てくる。これが、非常にスリリングで、おもしろい。それでいて、多重人格者の苦悩も表現しており、説教臭さを出さずに、読者へ伝える作者の手法は素晴らしい。
また、ミステリー部分も手を抜かず、しっかり楽しませてくれる。ミステリー好きとしてはありがたい。
興味があるのに、厚さで尻込みしている人がいたら、良い意味で裏切られるので、安心して手にとってほしい。エンタメ小説として、ちゃんと面白い。
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