母親になって後悔してる (新潮文庫)

  • 新潮社 (2025年2月28日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (400ページ) / ISBN・EAN: 9784102407417

作品紹介・あらすじ

もしも時間を巻き戻せたら、母になることを再び選びますか――? この問いに「ノー」と答えた23人の女性たち。そのインタビューから明らかになったのは、社会が暗黙のうちに強いる性別役割と同調圧力、そして封じられてきた母親の苦悩や不安だった。子どもを愛している。それでも、母ではない人生を願う。「存在しない」ものとされてきた思いを丁寧にすくいとり、各国で大反響を呼んだ一冊。

AIがまとめたこの本の要点

プレミアム

みんなの感想まとめ

母親になることに対する複雑な感情を描いたこの作品は、23人の女性たちのインタビューを通じて、母親としての後悔や社会からの圧力を浮き彫りにしています。子どもを愛しながらも、母であることに伴う苦悩や不安を...

感想・レビュー・書評

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  • イスラエルという国の事情もわからない
    自分が男という性であるので、女性の事情が本当のところでは理解できない

    なんかこう
    インタビューを受けた女性たちの話はわからないではない
    複雑な気持ちを抱えてそれでも子育てに励み、自分の気持ちを表現することで救われる人がいると信じる

    だけども
    「後悔」という言葉が引っかかり、何か違うような気がした
    贅沢者の悩みという感じ

    批判的に読めたので、読書としては良かったが、、、、、

  • やっぱ妊娠中に読むのがアツいタイトルだな、と思ったので今読みました! 読書体験含めて非常に面白かったです!

    女優が「3人目はまだ?」と言われるようなイスラエルの社会性という部分には留意は必要ですが、女性への抑圧(人の親になるのが前提という規範意識、良き母であれという理想の押し付け、その上で母になる事を誘導され続けているのにいざ母になったら「望んで母になったんでしょ?」と自己責任だと突き放してくる社会)は日本社会でも類似していると思います。

    いちばん印象に残ったインタビューは、子供が自分の肌の色をお風呂で無邪気に落とそうとした場面で、母親が幼少期から差別されてきたトラウマを想起してしまうシーン。
    これまで生きてきた人生を、社会を愛せない人生だった人にとって、出産は苦痛の再生産であり、背負わせてしまう悲しさが胸にせまりました。

    私自身の話をしますが、
    両親ともに障がいのある夫婦から生まれる私の子供は、悪い言葉をあえて使えば親ガチャの大外れで、なんらかを背負わせる可能性が通常の出産より相対的に高いです。悩みました。
    しかし、私はそれでも夫が人の親になれる社会がいいと思ったし、不便ではあるけれど不幸だとは思わずに今は生きていられます。
    今の私には後悔はありません。

    色んな境遇の方にぜひ読んでほしいと思います。
    後悔したっていい。
    しそうだからやめたっていい。
    しなかったとしても、色んな人生に思いを馳せて、自分とは違う人に石を投げるような人にはなりたくないよね。

  • 子どもをつくるか/つくらないかで悩んでおり、「親になるとはどういうことか」を少しでも理解するために読んだ。
    心がヒリヒリする内容だった。

    親になる大変さは頭では分かっているつもりだったけど、終わりが見えない不安、耐え難い苦痛、重すぎる責任を訴える母親たちの声と残酷な現実が刺さって抜けない。
    でも私がこの本をどれだけ読み返そうと、子なしである限りは本書で紹介される母親たちの後悔を、真に理解できることはないだろう。

    「後悔してるけど、子どもを産んだことでこんなにいいことがあった!」という声や、「反対に、子育てをこんなに楽しんでいる人もいます!」といった事例は書かれていないので、これから子どもを育てたいと考えている人は自信を無くしてしまうかもしれない。

    他のレビューにもあるように学術書のような文章で少し読みづらいが、多少読み飛ばしても大枠は理解できると思う。子なしを(昔よりは多少)選択できる社会、少子化社会だからこそ多くの人に読んでほしい。

    絶対にこの本は夫にも読んでもらい、親になるとはどういうことなのか、二人で育児という戦場に立ち向かっていけるのか、真剣に話し合って考えたい。

  • 「母親になって後悔してる」その裏に何が隠されているのか、というような内容かと思って手にとったが、ひたすらに「母親になって後悔してる」という内容を丹念に並べた本だった。その背景に愛着の問題があるとか、生育歴がどうとか、子との関係性がとか、そういうことは、あったとしても全部付属的なことなのだ。重要なのは「母親になって後悔してる」という一点であり、それ以上でもそれ以下でもないただそのことを「ある」ものとしてこの社会で語ることが、いかに難しくチャレンジングなことであったか、ということを思い知らされた。
    もちろんイスラエルは徴兵制があり多産が当然とされる社会であるとのこと、日本とでは状況が違う。それでも日本でも通ずる議論がこの本の中にはある。私自身も、「母親になって後悔してる」ことと「子供を愛している」ことが共存することに対する認識が希薄だった。子供を愛しているならば後悔してはいけないと、無意識にそう思わされていた。そう感じて薄氷を踏みながら立っている女性に、踏みしめていい大地を与えるかのようにこの本はある。女性も人として、あらゆる感情を感じていいのだと。
    このような動きがあることを知れただけでも幸いだった。しかしこの本の読者は圧倒的に女性が多いのではないか…という懸念もある。そこは更に先の課題だ。

  • 自分は子どもを持ちたくないとはっきり自覚していて、実際に子どもを産んだ女性たちはどういうところに後悔するのか知りたくて読んだ。

    まず思ったのは母になる社会からの圧力とか、母親になったことへの後悔に対する世間の反応とかどこの国でも同じなんだな...ということ。

    また母になったことの後悔に関して、子育てによって自分の人生を生きられないからっていう社会的な要因ももちろんあるけど、そもそも子どもを持ちたくないっていう要因もはっきり書かれていて良かった。

    正直この本を自分が読んだ後は「ほらね!やっぱり子どもは産まない方が良い!」ってすっきり回答を得た気持ちになるかと思ったけど、回答した女性たちのインタビューから、社会的圧力の凄まじさ、ずっと自分の人生のリソースをとてつもなく割いていること、そして子どもがある程度大きな方も今でも後悔していることなどを読んで、本当にこういう方たちが少しでも楽になって欲しいなという、何というかやるせない気持ちになった。

    そしてやっぱり子どもが欲しいっていう欲求が無い自分は、子どもを産んだらこの方たち以上に大後悔しそうだ...と思った。

    (あと全く本筋ではないけど、序盤注釈でトランスジェンダーへの配慮がしきりになされていて、イスラエルってやっぱり西洋側のイデオロギーなんだな〜)

  • 研究論文のような形で少し読みづらかった。比喩もわかりにくい部分が結構あった。
    この本で大切なことは「母親になったことを後悔すること」と「子供を愛していること」には何も関係ないということと、「母親」であっても一人の人間として後悔を語る場を持っても良いということなんじゃないかと自分はとらえた。
    たしかに「母親になったことを後悔している」といわれると「子供はどうなるの?」と反射的に思ってしまう。でもたしかに自分に当てはめた時、その気持ちもわかる。逆に親から「あなたのことは大切だけど親になったことは後悔している」といわれたら難しい気持ちになるだろうなぁ…。出てくる親が子供たちに知られないことを望んでいるところも印象的でした。
    「母親になることの後悔」がある人が必ずしも子供を憎んだり手放したりしたいわけではない、と社会の方が理解する必要があるのかもしれない。その一歩として、社会がより良くなるために、必要な本だと感じました。



  • イスラエルでの研究報告的な本。まず生んだ子供が憎いとかそういう事は言ってない。ただ『母』になった事を後悔している。多くが育ってきた社会の自然の流れで特に何も考えず母になる選択をしてしまった結果…という印象を受けた。

    自分も『母』には多くを求めるけれど、それは生まれてこのかた刷り込まれた『母』の理想像があったから。
    しかし私にとって必要だったのは『母』じゃなくて『温かみ』『穏やかさ』『安心感』『信頼』そういうものを与えてくれる人間だったんだろうと思う。
    そういうものを与えてくれるなら誰でもよかったと思う。

    もし社会から『母』が消えて一人の子供に産んだ人、育てた人、教育してくれた人がつき、子供の必要に応じてそれぞれと過ごせたらいいのに、子供の選択権が増えたらどれだけいいか…

    そんな事を考えながら読み終えた。

  • 世間が、社会が、習わしが、
    「母親になったことを後悔していること=子供を愛していない」と直結してしまうから問題なのであり、
    両者は分けて考えなければならない。
    後悔の中身は複雑で様々だから、必ずしも悪いこととは限らない。

    現代社会においては、
    それは思っていても口に出すことはタブーである。
    それを聞いてしまった子供の心を守るためでもあるし、世間から自分自身を守るためでもある。
    けれど、後悔しているという思考は
    そこまで批判されなければならないことだろうか。
    実際後悔した母親の全員は、「駄目な母親」ではなく、母親としてきちんと子供と向き合っていた。
    もちろん、子供を持ちたかった人にとっては
    聞きたくない言葉であるから
    むやみに公言することは避けたほうがいい。
    しかし、将来家族を持ちたくないと考えている特に女性にとっては、
    「そういう考えを持っていてもいいんだ」という希望になるのではないか。

  • 読み終え何とも言えない気持ち。母かどうかに関わらず、女性は皆社会からの変な圧みたいなのに晒されてるんだよなぁ。まだまだこの世界は女性が生きづらい。それを変えるために、私でも何か出来ることはあるんだろうか。。

  • タイトルが衝撃的すぎて話題になってましたが、文庫になったのをきっかけに読みました。著者はイスラエル人で、本人は選択して子供を持っていません。イスラエルは社会情勢や宗教的な意味合いもあり、3人は子供を持つことが推奨されているとは知らなかったです。そんな社会の中で「母親にならない」という選択は時に社会からの孤立も意味します。とても「母親になって後悔してる」とは言えない社会。母親へのインタビューが収録されていますが、世界各地どこでも母親の悩み、苦しさは共通しています。母親になってから働いて家事して子育てして息つく暇もない、自分の人生が奪われた。そんな叫びは日本でも同じだと思います。
    「後悔する」という言葉はネガティブな意味合いに取られますが、果たしてそうなのかと著者は問います。後悔するな、忘れろという言葉は、実は都合の悪いことは無かったことにしたい人の言葉ではないか。母親になったことを後悔するな、それは母性という名のもとに、重労働を、自由を搾取しているのではないか。子育てが終わって忘れていい思い出にしていいのか。これから母親になる女性だけでなく、子供を持たなかった女性も男性も、後悔する声を聞くことはもっと良い社会になるために必要なことだと思います。

  • 私たちが母親になる前は、どんな人生だっただろうか。仕事をばりばりする人、好きなことを楽しむ人、恋愛体質の女性もいただろう。女性同士憧れたり否認したりをしながら、それぞれの人生を生きていたはずだ。私たちの悩みもそれぞれだった。

    子どもができると一変する。一変じゃないな。同質化するんだなとこの本を読んでいて思った。世界の女性たちは望んで子どもを持ったにせよ、似たような子育ての悩みのスパイラルに陥る。顔がない。ああこの本の表紙みたいだ…

    『母親になって後悔してる』に現れる「アンビバレンス」という単語に惹きつけられた。それこそが”母親”を演じるほかない女性たちの心を表したものだと思う。

    子どもを深く愛しているものの、自分の人生には合わないことだった。こんな感情が心のうちに湧いたとて、誰に表明できるというのだろう。
    言うこと自体が背徳じみていて、口にできない。

    苦しい子ども時代を過ごした母親が、自分の子どもにも同じ仕打ちをしてしまう。こんな悪循環もきっとアンビバレンスな行動のひとつなのだろう。

    アンビバレンスな感情をこの本の中だけにとどめず、薄く広く伝播していくことで少しでも心が和らぐ女性が増えていくといいなと思う。

  • 誰の母でもないことを選択するのは困難であるという著者の見方に同意するし(自分自身もひどい言葉をかけられたことがある)、著者の指摘する通り、子供を持っている人もその結果を考慮せずになんとなく持つことになった人も多いだろうし、後悔してると言える人は多くないだろうと思う。訳者の指摘する通りキーワードは「主体」で、女性の主体的な生き方をいかに実現するか、が著者の問題意識と思う。方向感覚を見失った時程、当たり前以外の、新しい選択肢が見えてくる、という著者の言葉に励まされた。

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