銃を持つ花嫁 (新潮文庫)

  • 新潮社 (2025年3月28日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (450ページ) / ISBN・EAN: 9784102408216

作品紹介・あらすじ

人気写真家キャシー・モランの回顧展を訪れた小説家志望のステイシーは、一枚のモノクロ写真と出会う。花嫁姿の女性が海に向かって立つ後ろ姿。だが、女性の手には六連発銃が握られていた。写真に魅せられ小説化を考えたステイシーは、被写体の女性が十年前の撮影時に夫殺しで疑われていたことを調べ上げるが……。法廷スリラーの巨匠が一枚の写真に秘められたドラマをスリリングに綴る!

みんなの感想まとめ

1枚のモノクロ写真から始まる物語は、ウェディングドレスを着た女性が六連発銃を握り、海に向かって立つ姿を捉えています。この写真に魅了された小説家志望のステイシーは、撮影当時に起きた未解決の殺人事件を題材...

感想・レビュー・書評

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  • フィリップ・マーゴリン『銃を持つ花嫁』新潮文庫。

    今になって、新潮文庫からフィリップ・マーゴリンの作品が刊行されるとは全く予想もしていなかった。1980年代から90年代に掛けてハヤカワ文庫から刊行された『封印された悪夢』『黒い薔薇』『暗闇の囚人』などは非常に面白かったと記憶している。その後しばらく、フィリップ・マーゴリンの作品を追い掛けたのは言うまでもない。ハヤカワ文庫からの刊行が途絶え、2002年に講談社文庫から刊行された『女神の天秤』を最後に長らく翻訳が途絶えていた。

    さて本作。見事なプロットだ。1枚の写真を切っ掛けに10年前に起きた未解決の殺人事件を知った新人作家がその事件を題材に小説を書こうとして、驚くべき事件の真相に辿り着くのだ。最終盤に驚愕の真相が明らかにされるあたりは『黒い薔薇』に描かれたラスト1ページの衝撃の結末にも近い。

    口絵写真に本作のストーリーの鍵になる『銃を持つ花嫁』のモノクロ写真が掲載されている。カバーには花嫁がブーケを手にして目を瞑るイラストが掲載されているが、『銃を持つ花嫁』のモノクロ写真を掲載した方がインパクトが強かったように思う。


    小説家を目指すステイシー・キムという女性がニューヨーク近代美術館で開催されていた人気写真家キャシー・モランの回顧展で、展覧会の目玉であるモランの代表作に魅了される。その写真はモノクロで、ウェディングドレス姿の女性が六連発銃を手にして海に向かって佇む姿を捉えた『銃を持つ花嫁』というタイトルだった。

    この1枚の写真に魅せられたステイシーは、撮影当時に起きた出来事を明らかにして小説にしようと考え、10年前に起きた写真の被写体であるメーガンに夫殺しの疑いが掛かった未解決事件のことを知り、その真相に迫ろうと事件の関係者に接触する。

    やがて、ステイシーはこれまで事件について口を閉ざしていたメーガンと接触することに成功するが、再び10年前の事件が動き出し、驚くべき真相を明らかになる。

    本体価格1,000円
    ★★★★★

  • MOMAで出会った写真にインスピレーションを得た作家志望のステイシー。
    後ろ手に銃を携えつつ波打ち際に俯きぎみに佇むウェディング・ドレス姿の女性。
    この場面は何?なぜ幸せを祝うであろう、もしくはあった日に銃を持つ姿が?この画には物語があるに違いない。。。

    冒頭での写真との出会い(現在)、写真が撮られた時点の事件とその解決を辿るメインストーリー(過去)、さらにその過去の背景物語(大過去)。
    入れ子構造の構成が面白い!
    過去はオーソドックスな事件解決譚、大過去は過去の物語の中心人物である写真を収めたキャシーと検事上がりの探偵役ブースの法廷論争絡みの因縁、現在は過去で解決に至らなかった事件の回収編。
    それぞれのパートがちょっとずつ趣きが異なっていて、万華鏡のよう。
    それでいて、キャシーとブースが全てのパートを繋ぎ止めていてまとまりもある。
    ちょっとずつキャラの印象が変わる違和感と言えば違和感もあるが、視点や月日の経過という要素で納得でき、そらすらも面白みとして受け取れた。

    口絵に件の写真を配するという粋な計らいがイメージのかき立てと言う点で良なのだが、自分的にはそのインパクトがもう一息。
    陰鬱さが強い印象だが、もっと華やかさとのギャップが表れているとぐっと興味をそそるものがあるような気がするのだが。。
    写真のことはよくわかりませんので、人によるでしょうが。

    結局はファムファタルの話だったという苦味ある結末は嫌いではない。
    翻弄された男の憐れなること。


  • 小説家志願のステイシーは人気写真家キャシー・モランがピューリッツァー賞を受賞した作品に引き込まれる!
    その作品のタイトルは『銃を持つ花嫁』…
    ウェディングドレスの女性が、背中にまわした右手にリボルバーを握っているモノクロ写真だった
    その作品は10年前、大富豪の結婚式の翌朝に起きた殺人事件の日に撮られたものだった
    小説家志願ステイシーはその写真からヒントを得た小説を書こうと决意し、事件についての取材を始める

    おもしろかった
    花嫁はなぜウェディング姿で浜辺にいるのか?
    なぜ、リボルバーを握っているのか?
    ステイシー同様、読者も『銃を持つ花嫁』の写真に想像力を刺激される!
    少しずつ過去が明かされ、迷宮入りしていた事件が明らかになっていく…
    まるで海外ドラマもみているようで、写真家のキャシーを勝手にエミリー・ヴァンキャンプに脳内変換して読んだ…(笑)
    驚いたのは花嫁の写真が実在するものだということ!
    その写真を見た作者がこの物語のアイデアを思いつき作品にしたという…
    そう、作中のステイシーのように…

    とにかく「絶対に怪しい」と思う人物はいるのに、その理由が分からない
    真相が気になってページを捲る手が止まらなかった
    ただ、最終的にある人物の行動に納得できないところがあり、それがちょっと消化不良…

  • 練りに練った構成だった。ストーリーも面白くて一気読みした。

  • アメリカの元弁護士、フィリップ・マーゴリンの作品。過去にはハヤカワ文庫から数作出てたらしいが、もちろん絶版。

    弁護士事務所で働くステイシーは、ある個展で「銃を持つ花嫁」の写真に心惹かれる。それは十年前に起こった殺人事件の際、偶然撮影されたものだった。。。

    非常に良い作品。
    意外な展開の繰り返しで、先へ先へと読ませる。事前情報を少なくして読んだ方が良い。
    筆致のせいか、登場人物が薄っぺらいという感想も聞かれるが、個人的には淡々としてちょうど良い感じ(これで人物描写に深みがあったら、起こることの酷さが際だち、読むのが辛いかも)。
    裁判のシーンが多い作家との噂だったが、本作はそこまで。リーガル物が苦手な人でも大丈夫。

    新潮文庫の海外名作発掘シリーズは本当におすすめで、ハズレなしなのだけど。気に入った作家がいても、他の作品が軒並み絶版なので、その点だけ残念笑

  • 人気写真家キャシー・モランの回顧展で、小説家志望のステイシーは展覧会の目玉であるモランの代表作に魅了される。この謎めいたモノクロ写真は、ウェディングドレス姿の女性が海に向かって立つさまを後ろから撮影したもの。だがこれは、静謐でロマンチックな肖像などではない。女性の背中には六連発銃を握った手が回されていた。題して「銃を持つ花嫁」。写真に魅せられたステイシーは、撮影当時に起きた出来事を明らかにして小説にしようと考える。やがて被写体の女性メーガンに夫殺しの疑いがかけられた十年前の殺人事件のことを知り、真相をいっさい口にせず隠遁してきたメーガンに接触しようとするが……。

    久しぶりにマーゴリンの作品を読んだ。20年ぶりの翻訳だそうだ。出だしはよかったが、期待していたほどの仕上がりではなかった。ストーリーを楽しむ小説だとしても、登場人物に深みが感じられず、残念。

  • リーガルではなかったけど、やっぱりマーゴリン面白い。絶対買うし翻訳続けて。

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