路上の弁護士 下

  • 新潮社
3.49
  • (4)
  • (11)
  • (21)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 128
感想 : 4
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (308ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102409183

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 弁護士や法廷物と聞いて、真っ先に浮かぶのがジョン・グリシャムなのだけど、それは今まで読んだ彼の作品にハズレが1冊もなかったから。それほど沢山読んでいるわけではないが、それにしても打率100%というのはすごいのだ。
    この作品もすごく面白く。'98年の作品らしく、現在のスレた(…)ミステリー界では、素直すぎるところも無きにしも非ずなのだけど、それがまたぐいぐいと引っ張る牽引力となっている。
    米国のホームレス事情は、住んでいる私にも胸に刺さることが多すぎる。しかし、そこでそれを見ないふりをする人もいれば、ヘルプに燃えてくれる人も大勢いるのが、米国の良いところ。
    主人公のマイクルの葛藤と恐怖に共感し、彼の勇気を尊敬する。下手な恋愛を絡ませないのが、またグリシャムの良いところ。
    ラストにおお!と思う展開あり。ご都合主義? それでもいいじゃないか、本当にこうなってくれれば、と満面の笑顔になったこと。

  • 不法な強制退去を受けたホームレスが法律事務所を襲撃し逆に射殺された事件。子持ちのホームレスが、行き場もなく自動車内で死亡した事件。元ブルジョワ弁護士が、ホームレス支援のために、ストリートの弁護士として走る。

    和解交渉の辺りは、勧善懲悪的でスッとする。
    また、最後にやつれた老アーサーが、ホームレス支援という課題を見つけて、再び情熱を燃やすところも格好いい。

    冒頭のような事件の後、大規模なデモを起こして政治・行政を動かそうというパワーや文化があるところは、素直にアメリカが羨ましい。

    金になる仕事か、「世のため人のため」の仕事か。
    アメリカの事情は詳しくないが、公的支援が手厚いとはいえない日本では、弁護士は、前者をある程度やらないと後者ができないという状況なので、モーディカイのような働き方はなかなか難しいのだろう。

    「ストリートの法律を統べるルールは、この法律の実務にたずさわる人々の手によってつくられていく。」(253頁)

    上巻はエリート風スーツ、下巻はストリートの弁護士という装丁も素敵。

  • 【STORY】
    モーディカイに共鳴し路上の法律相談所に身を投じたマイクル。貧しい人々の擁護と救済に身を捧げる彼は、以前の職場ドレイク&スウィーニー法律事務所がホームレスに加えた非道な行為を知る。虐げられた者たちへの償いのため、巨大組織に捨て身で挑むマイクルの前にたちはだかるかつての同僚たち。知略のかぎりを尽くした闘いの果て、破滅への地雷を踏んだのはどちらか―。



    ......................................................
    いつの間にメガンと!?(笑)
    上巻に比べると一気に読みすすめられる気がする…二転三転する非公開の法廷内、モーディカイのたよれる姿には惚れ惚れ^^そして、未来ある結末で良かったなぁと…。実際の内容とは違うが、解説?で書いてあったプロ・ボノ(公益活動)はアメリカでは常識、という言葉。そのまま福祉にもあてはまるのかな。。。どこの国も福祉について試行錯誤、さまざまなことにとり組んではいるが日本もプロ・ボノが常識となる頃には福祉先進国に近付けるのだろうか…

    <div class="booklog-all" style="margin-bottom:10px;"><div class="booklog-data" style="float:left; width:300px;"><div class="booklog-title"><a href="http://www.amazon.co.jp/gp/product/4102409181%3ftag=narysbookdepo-22%26link_code=xm2%26camp=2025" target="_blank">路上の弁護士〈下〉</a></div><div class="booklog-pub">ジョン グリシャム, John Grisham, 白石 朗 / 新潮社(2007/03)</div><div class="booklog-info" style="margin-top:10px;">Amazonランキング:346484位<br>Amazonおすすめ度:<img src="http://booklog.jp/img/5.gif"><br></div><div class="booklog-link" style="margin-top:10px;"><a href="http://www.amazon.co.jp/gp/product/4102409181%3ftag=narysbookdepo-22%26link_code=xm2%26camp=2025" target="_blank">Amazonで詳細を見る</a><br><a href="http://booklog.jp/asin/4102409181/via=naryurin" target="_blank">Booklogでレビューを見る</a> by <a href="http://booklog.jp" target="_blank">Booklog</a><br></div></div><br style="clear:left"></div>

全4件中 1 - 4件を表示

著者プロフィール

ジョン・グリシャム
一九五五年アーカンソー州生まれ。野球選手になることを夢見て育つ。ロースクール卒業後、八一年から十年にわたり刑事事件と人身傷害訴訟を専門に弁護士として活躍し、その間にミシシッピ州下院議員も務めた。八九年『評決のとき』を出版。以後、『法律事務所』『ペリカン文書』『依頼人』『危険な弁護士』など話題作を執筆。その作品は四十ヶ国語で翻訳出版されている。

「2022年 『「グレート・ギャツビー」を追え』 で使われていた紹介文から引用しています。」

ジョン・グリシャムの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×