自白 上巻 (新潮文庫 ク 23-29)

  • 新潮社
3.46
  • (4)
  • (17)
  • (21)
  • (4)
  • (0)
本棚登録 : 150
感想 : 11
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (430ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102409299

作品紹介・あらすじ

男は贖罪のために現れた-のか?その月曜日、カンザスの牧師キースのもとを訪れた元服役囚の不気味な男ボイエットはおぞましい告白を残してゆく。脳腫瘍で余命わずかな男は九年前、強姦殺人を犯したというのだ。結果、冤罪の若者が死刑宣告されたとも。刑の執行は木曜…四日しかない!リーガル・スリラーの巨人グリシャムが満を持して放つ大型タイムリミット・サスペンス。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  •  かなり久々のグリちゃん( ´ ▽ ` )ノ
    「レインメーカー」以来?( ´ ▽ ` )ノ

     ひところの彼の勢いは、ほんとすごかったね( ´ ▽ ` )ノ
    「ザ・ファーム」「ペリカン」「依頼人(名作!)」……出す本出す本、片端から人気スター主演で映画化され、大大ヒット( ´ ▽ ` )ノ
     もう、あのキングをも凌ぐか?というほどの、ベストセラーを連発( ´ ▽ ` )ノ
     日本では児玉清御大のお気に入りだったね( ´ ▽ ` )ノ

     けど、本書のカバーを見たら、それらすべて(新潮文庫版では)絶版になってるのを知り、愕然……(T_T)


     さて、その本作は、「評決のとき」を彷彿とさせる(というか焼き直しにすら思える)(黒人の)死刑テーマ作品( ´ ▽ ` )ノ
     重苦しく、刻々迫りくる「その瞬間」に胸が痛くなる……(>_<)
     とはいえ、例によってマンガ的といってもいいほどのコミカルで極端なキャラ造形と展開・文章で、スラスラ楽しく読める( ´ ▽ ` )ノ

     まあ、先はだいたい予想できるけど、主要人物がようやっと集結したところでハラハラドキドキの下巻突入( ´ ▽ ` )ノ

     キース、寝ろ( ´ ▽ ` )ノ

    2018/07/01
     
     

  • あと二作品、未読のグリシャム作品が手元にある。年越しの読書はこれに決めた。

    男は贖罪のために現れた―のか?その月曜日、カンザスの牧師キースのもとを訪れた元服役囚の不気味な男ボイエットはおぞましい告白を残してゆく。脳腫瘍で余命わずかな男は九年前、強姦殺人を犯したというのだ。結果、冤罪の若者が死刑宣告されたとも。刑の執行は木曜…四日しかない!リーガル・スリラーの巨人グリシャムが満を持して放つ大型タイムリミット・サスペンス。

    スリリングな展開、凄絶な獄中の描写、でもどこかユーモアある筆致は、さすがページターナーの本領発揮です。

  • 久しぶりのグリシャム。
    グリシャムといえばリーガルサスペンスですが、この話には法廷そのものはほとんど出てきません。再審要求の法廷外活動がメインですから、弁護士やら検事、判事は沢山出てきますけど。
    警察・検察による冤罪や人種差別がテーマです。この話の舞台となっている南部・テキサスあたりは今でもこんな雰囲気なのかと驚くほど昔風の冤罪・人種差別観です。もっとも、物証不在で長時間の尋問の挙句の自白だよりの検挙というのは、日本でも聴く事ですが。
    どうにも気分が悪くなるような話で、なかなか読むのが辛く。。。
    タイムリミット・サスペンスの楽しさよりも、そちらばかりが気になって、結構悪戦苦闘しながら読了でした。

  • 下巻に書きますが、これからどんな展開が待っているのか楽しみです。

  • 9年前にテキサスで発生した少女強姦殺人事件の罪で、死刑を言いわたされた男の無実を証明するために、主人公の弁護士が戦う話。
    死刑執行まで残り4日となったぎりぎりに、真犯人が自ら罪の告白をしに教会を訪れ、巻き込まれた神父はじっとしておられず行動を起こす。
    無実の男は死刑を免れることができるのかハラハラし、無能な人たちにイライラしながら読んだが、意外とあっさりした流れだった。

  • 無実で死刑執行直前でそれを阻止する人たちのタイムリミットサスペンス小説。

    それぞれの立場で死刑執行の直前における行動を群像劇的に描きながらも加速するスリルはさすがです。
    結果は下巻に持ち越しなので、冗長な小説だったかどうかのジャッジメントはそのあとで。

  • 相方推薦の書。
    アメリカの良くも悪くもある陪審員制度がよくわかる。

    疑わしきは罰せず。

  •  グリシャムは無骨である。小説の構想は緻密であるのだろうけれど、語り口は無骨だ。装飾であるとか修辞であるとかいうことにはあまり縁がないように思える。修辞的要素を至って好むぼくは、ではグリシャムのどこにこんなに惹かれるのだろうか。グリシャムの小説を毎度のように、いつも楽しめてしまう要素は、この作家のどこにあるのか。

     それは彼の小説がドラマティックであることとともに、登場する人間たちが底知れぬ必死さを携えて、およそ考えられそうにない難問に挑んでゆく姿が、何とも魅力的であるからに違いない。そしていつもハイレベルで魅力的な主題を提供してくれるこの法律家であり作家であるグリシャムの冷徹な問題提起と小説という形での闘う瞳があまりにも明らかであるゆえに、この作家の価値はわれわれの現在という地平と繋がってひたすら高められているように思う。

     本作は『評決のとき』を思わせるような野太い主題を扱う。主題はまさに死刑制度である。本書は死に持って死で報いる死刑の執行に向かうレールが極端い滑らかであるのがテキサスであると告げ、テキサス州では死刑執行率が飛び抜けて高い事実などを、本書裁判中で数字を列挙してあらわにする熱血弁護士の姿があまりに印象的である。

     しかしそれだけでは本書を語ったことにはならない。本書の凄さはその絶妙なるストーリー・テリングであり、タイム・リミット型サスペンスのスリルを備えていることだ。

     死刑が執行されようとしている元大学フットボールの黒人選手。一方で遠く離れたカンサス州の教会牧師のもとに、自分は余命幾ばくもないが、あのテキサスの事件の真犯人であると主張する放浪者が登場する。死刑執行まで4日間。巻き込まれた牧師と、現地弁護士とが、それぞれの真実との闘いを余儀なくされる。スリリングでスピード感が溢れるが、作品にこめられた怒りと正義感を読者は通しで味わうことになる。

     王道とも言うべき小説の無骨さと単純さで、人間の闘う魂と救いを描き、世の誤謬を糾弾するこれは小説なのである。その南部人的リーガル・サスペンスを貫いては、また次々と主題を玉手箱のようにジャグリングして見せるこの天才的書き手は物語の素晴らしさのみならず、人種差別反対運動の牽引者であること、死刑制度を牛耳る権力組織への糾弾者としての本質的な人間性が感じられる。

     この作者だからこそ、悲劇を痛快に変え、怒りをエネルギーに変え、暗闇や濁りを、文章の光によって明るく透明なものにする。それは読者に対し、不条理なものと闘う志の気高さと、正義に最善を尽くそうとする主人公たちへの共感を果てしなく呼び起こし続けるものなのである。

  • ううーん、なんとか上巻を読了。でも下巻は読まないと思う。なんというか、あまりにもストレートなストーリーで、ヒネクレ者にはちょっと退屈…。

  • 冒頭からのめりこみ、読み始めました。ただなかなか先に進まない物語。途中ペースダウン_(:3 」∠ )_

全11件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

ジョン・グリシャム
一九五五年アーカンソー州生まれ。野球選手になることを夢見て育つ。ロースクール卒業後、八一年から十年にわたり刑事事件と人身傷害訴訟を専門に弁護士として活躍し、その間にミシシッピ州下院議員も務めた。八九年『評決のとき』を出版。以後、『法律事務所』『ペリカン文書』『依頼人』『危険な弁護士』など話題作を執筆。その作品は四十ヶ国語で翻訳出版されている。

「2022年 『「グレート・ギャツビー」を追え』 で使われていた紹介文から引用しています。」

ジョン・グリシャムの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×