危険な弁護士 (下巻) (新潮文庫)

  • 新潮社 (2019年6月26日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (384ページ) / ISBN・EAN: 9784102409381

作品紹介・あらすじ

「やっちまった……」応援し、投資までしていた異種混合格闘技の選手が、まさかの判定に逆上してレフェリーを殴り殺してしまう。ラッドは有罪答弁取引で彼の量刑を軽くするべく画策するが、当の本人は「無罪釈放」の高望み。一方、市警幹部の妊娠した娘が行方不明に。最重要容疑者の弁護人となり、彼から人身売買組織についての貴重な情報を入手したラッドは彼女を無事に救うことができるのか。

感想・レビュー・書評

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  • なかなか手に取らなかった法廷もの。タイトルの「危険」に誘われたのだが、危険どころか親身で優秀な弁護士さんでした。上巻の短編構成で主人公の人となりが紹介され、下巻でエピソードを引っ張り長編へ。
    十分に楽しめた作品でした。他の作品も興味ありです。

  • 規格外アウトロー弁護士・ラッド。
    幼女2人の誘拐殺人事件の容疑者と危険な取引をし、警察幹部の娘の拉致事件のために息子を誘拐され、目をかけていた格闘技選手が犯した殺人の弁護に立ち、誤認捜査で妻を警察に射殺されながら逆に訴えられた男性を弁護し…


    検察はもちろん、法律にも警察にも噛みつきまくるラッド。
    どの事件もスカッと爽やか、正義がなされた…という類の解決ではなく、どこか傷の付いた着地点。
    これまでの作品は、概ねひとつの事件・裁判を中心にストーリーが展開していたのに比べ、幾つもの事件やトラブルが関わり合い、それぞれの案件で駆け引きがあり、不正と不正の隙間の着地点を探りあてるような展開。
    けれど、弁護士の日常というのは、むしろこんなふうに複数の案件を同時にこなし、無実を信じている被告のためにも、全く信じていない被告のためにも法廷に立ち続けるのがリアルなのかも。

    面白くはあったけれど、ラッドに付き合うのは、読者にも体力がいるなぁ。


    グリシャムは大概読んでいたはずだが、ブクログを始める前の過去の作品を全く登録していなかったので、今度まとめて登録しておこう。

  • フィクションだもの誇張はあるだろうけど、アメリカの司法制度は何と腐ったモノになり下がった事か。願わくは、日本が真似をしない事を。……でも、大体、アチラの悪弊は何年かすると渡ってくるような気がする。

  • 上巻は一つの事件、一つの章がわりと独立していたけれど、下巻になって、上巻の事件や出来事が伏線となってきたので、2ヶ月のブランクのあと読んだ私は、状況を思い出すのに苦労してしまった。
    だからというわけでもないのだろうが、アメリカの司法制度に対する違和感が大きくて、ストーリーに入り込めなかった。

    人を殺して反省もしていない人を司法取引で2年程度の罪にすることができる。
    それに反対するような検事なら、市長権限で更迭させることができる。

    SWATになりたかった所轄の刑事たちや、副所長のためなら子どもを誘拐する警察。
    やりたい放題だな、アメリカ。

    そんな中で、主人公のラッドは、どんな人にもどんな状況でも法の下の平等を守るために、警察を敵に回しても悪人たちの弁護を引き受けるのだけど。
    でも、ラッドが一番心にかけていたタディオに魅力がないんですもの。

    ラッドの元妻は最悪だし、息子も可愛くはない。
    新しい彼女もうすっぺらいし…要は人物が今一つ。
    事件の解決も、日本の制度に慣れていると納得いかないものが多かったし、全体にうーむ…でした。
    でも、一気に読める作品ではあった。

  • アメリカ片田舎のアウトロー弁護士のリーガル小説の下巻。

    短編連作と思っていたのが、警察副所長の娘の誘拐事件を軸に一つの長編として絡んでいくのがうまいです。
    また、後半は殺人を犯した格闘選手の公判がもう一つの軸となって面白さが増していきました。
    図書館から借りた本を優先していたので、読了まで時間がかかってしまいましたが、再開してもそれまでのストーリーをすぐに思い出せたし、飽きさせない展開だったと思います。
    行方をくらましたスワンガーや息子を巡る妻との諍いのオチがついていないので、ぜひ続編を希望したいと思います。

  • アウトロー弁護士セバスチャン・ラッドの活躍っぷりを描く痛快連作集と思いきや、下巻のページが残り少なくなっても『痛快』が訪れず、良い意味で裏切られたよグリシャム!

  • 原題は「悪徳(ゴロツキ)弁護士」だが、ハードボイルドな探偵を彷彿とさせる物語。

  •  作者の名を何度も確かめずにいられないくらい、グリシャムとしては異端の作品である。逆に言えば、この小説を読んでグリシャムの印象を決めないことを望む。グリシャムはリーガル・サスペンスの王道をゆくような正統派作家である。しかし、そうこの作品は、異端と言ってもよいだろう。

     そもそもグリシャムとしては珍しく、本書は連作中編小説のような構成である。長編作家として知られるグリシャムが、一話完結的な中編物語を紡いでゆく上巻。まずは異端の弁護士の一人称と、その悪ぶった語り口に違和感を覚える読者は多いだろう。これ、グリシャム? ブラックでは? ノワールでは? そう思わせるような、一匹狼のタフなプロフェッショナル弁護士セバスチャン・ラッド。

     どんな奴でも弁護する。信じられるものは法律だけ。趣味として真夜中のケージ・ファイトに出かけ、犯罪者たちとの賭博行為を行うばかりか、ファイターに出資すらしている。これが本当にグリシャム?

     しかし徐々に、このネガティブ・キャラクターが、手段を択ばない執念や怒りの強さにより、入り組んだ個々の事件が絡み合う迷路のさなか、狭い狭い抜け道を見つけ出しては、個性的キャラクター(暗黒街の大物も警察上層部も何でもあり)を次々と手玉に取って、あり得ない結末を導き出してゆく様子に、いつの間にか拍手を送っている自分に気づく。

     こんなごみ溜めのような世界に生息する弁護士であれ、その生きる糧は勝利なのであり、自分の持てる力を発揮して世界を正しく変えてゆく目的への強烈な飢餓感なのである。あきれるほど駆け引きに長けたダーティ・ヒーローによる、あくまで法律を準主役としたリーガルミステリー。グリシャムが読者の期待を良い意味で裏切る熟練の騙し技を、いくつも垣間見せてくれる本書の娯楽性は、鋭い切っ先を持つ刃の切れ味であった。

  • 上巻での事件は全てが終わっておらず、下巻では、新たな事件に巻き込まれる。その諸々から、息子や、事務所を兼ねた車があんな事になったり、自らも襲われ、果ては殺人教唆の疑いまでかけられる。何度も窮地に立たされるセバスチャン。息子を巡って、元妻とも諍いが絶えず頭を悩ませる事ばかり。上巻からの事件が色々絡まりながら、辛うじてラストを迎える。一見ドライに思えていたセバスチャンだが、読むごとに弁護士としての正義感に溢れ、その一方で少しダーティーな部分も見せてくれる。「パートナー」や元妻など、脇役陣も魅力的。面白かった!

  • 「やっちまった…」応援し、投資までしていた異種混合格闘技の選手が、まさかの判定に逆上してレフェリーを殴り殺してしまう。ラッドは有罪答弁取引で彼の量刑を軽くするべく画策するが、当の本人は「無罪釈放」の高望み。一方、市警幹部の妊娠した娘が行方不明に。最重要容疑者の弁護人となり、彼から人身売買組織についての貴重な情報を入手したラッドは彼女を無事に救うことができるのか。

    ちょっと爽快感には欠ける結末。

  • いっとき心配したけど、さすが御大。復活してきたな。

  • 全く裁判に負けない弁護士なんて実際には存在しない。この作品の結末も、色々と本編のサイドで繰り広げられる話があり、一瞬”うーん、どうなる?”と思わないでもないけど、やはり落ち着くところに落ち着きますね。

    作者のジョン・グリシャムは、法廷物サスペンスで有名ですが、実は私は初見。他の作品も読んでみたくなりました。

  • 東2法経図・6F開架:933.7A/G86k/2/K

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著者プロフィール

翻訳家。1959年、東京都生まれ。早稲田大学第一文学部卒。訳書に、スティーヴン・キング『アウトサイダー』、ジョン・グリシャム『冤罪法廷』、ジェイムズ・ヒルトン『チップス先生、さようなら』他多数。

「2022年 『はじめて読む!海外文学ブックガイド』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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