破壊者ベンの誕生 (新潮文庫 レ 6-1)

  • 新潮社
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感想 : 19
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102436011

感想・レビュー・書評

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  • ノーベル文学賞受賞作ということなので読んでみたけれど、あまりおもしろくなかった。
    読んでいて、早く先が知りたいという気が起こらない。
    思うに、訳がよろしくない。

    心の中ではベンにどこかへ行ってほしいと願いながらも、やはり見捨てることができない母ハリエットの愛は深いと思った。
    しかし、ベンは不良グループの仲間入りをして破壊の限りを尽くすという結末になっていて、彼のような異端児、奇形児が結局どのように生きていけばよいのか、ということについてのメッセージは感じられなかった。

  • ★3.5かな。邦題が全然ダメだと思いますな、まずは。
    あと訳注も時代を感じるかも、タコスとか知ってますからなぁ、今時。というかこれ、いつ訳されたものなのかな?
    内容は結構キワモノとの境目をギリギリいっているけれども、後半がちょっと粗いというか、前半に比べて物足りない。何と言うか息切れしているなぁというのが率直な感想。
    前半から中盤にかけての怖さが段々薄れていくというか、ベンの自我の意識とともに面白みが消えていったかなぁ。
    ちなみに本作、フランケンシュタインを意識したものなんでしょうか?深読みし過ぎかな?

  • 挫折

  • 原書名はthe fifth childつまり5番目の子、という意味。ここに描かれているのはフィクションだ。あまり感動もしない。

  • なんで連れて帰ってきたのー!?
    そりゃあ、ほかの子は離れていっちゃうよなあ。
    それでも見捨てられないのが母の愛ってやつなの?

  • いささか古臭い価値観にしたがって幸福な家庭を築こうとしたカップルの理想が、5番目の子どもベンによって破壊されていく様をえがく。60年代の”新しい”価値観に背を向け、50年代の保守的価値観を遵守しようとした親たちが、70年代に出現した「怒れる若者たち」におびやかされるという、世代間の葛藤を描く小説と読めなくもないが、だとすれば、ベンを出生時から異質な怪物として造形したのはどういうことか。作家は、ベンら暴力的な若者たちを、恐るべき怪物であると同時に、文明に飼い馴らされていない野蛮人として称揚しているようでもあるが、いずれにしても本質主義的で、問題のある描き方のように感じる。

  • 理想だけで築かれた家庭を、5番目の子どもが現実へ引き戻す!
    主人公はベンの母親ハリエット。母性本能なのか、家族全員が存在を否定するベンをなんとか理解しようと孤軍奮闘する様子が痛ましくも力強い。もしも、夫や医者など周囲の人々がハリエットを軽蔑するのではなく、協力してあげていたら、ここまで家族は離れ離れにならなかったのではないだろうか。幸福メッキされた家庭を破壊したのは、ベンやハリエットを全く受け入れようとしなかった家族だったのでは。

  • 日本の流麗な文章に触れていた為か、このアクションが主体で如何にも洋風な文章を小説として認める事が難しかった。
    タイトルと内容は聊か不釣合いな気もした。“破壊者”と云われたベンは、実質そんな単純な凶暴さでは無く、悪魔に近い神聖さを宿している様にさえ想われた。敢えて“破壊”したと云うならば、母親の精神のみであろう。

    本書の面白さは、ベンよりもその両親の感情の流れ、ハリエットの困惑や贖罪や憎悪、ヒステリーさにあるように想う。異端を孕み、産み出した母親として忌避される此の哀れなヒロインこそが噺の主体となっていて、ベンを主役とするには余りにベンに触れなさすぎた。

    歯切れの悪い終わり方と、単調な訳文は全く魅せられなかったが、家庭の崩壊していく様を描くものとしては面白味はあった。

  • 淡々とした構成には耐えられなかった。

  • ノーベル文学賞受賞者ということで読んでみた。以下、ネタバレ絵に描いたような幸福な家庭。五人目の子供は妊娠中から胎内で大暴れし、誕生後も不気味さ、乱暴さで一家を不幸に陥れる。施設に入れてみたりもしたが、母親は悩んだ挙句、ベンを引き取り、ベンに時間を取られることで他の子供たちの発達にも悪影響が出る。結局、ベンは矯正不能で、中学生の時点で既に犯罪者グループに入り、先が思いやられるというところで終わる。帯にあるように黙示録的な話なのか、どこまでも母性を示す話なのか。。。

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