ティンブクトゥ (新潮文庫)

制作 : Paul Auster  柴田 元幸 
  • 新潮社
3.63
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本棚登録 : 474
レビュー : 57
  • Amazon.co.jp ・本 (238ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102451137

感想・レビュー・書評

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  • 淡々と書いてあるけど、感傷的にならずに読めるわけもなく、この終わり方もまた、私にはきつい。
    犬といつも一緒に行動出来ない人間としては、安閑とは読めないラストシーンだった。
    小説は仕方が無いとは思うけど、当たり前の変哲のない犬の生活語ったものって、無いのかしらん

  • 暖かい,平穏な生活を求める,ミスター・ボーンの様子が,とても痛ましく,哀しい

  • 「ミスター・ボーンズは知っていた。 ウィリーはもう先行き長くない。」
     そんな一文から始まる。犬と人間の物語。

    ホームレスのウィリーと、むく犬の「ミスターボーンズ」。ふたりは、アメリカ、東海岸の街(ワシントンや、ボルチモア が出てくる)で暮らしたり、放浪したりしていた。
    ウィリーはやがて世を去り、ミスターボーンズは、ひとり放浪の旅を続ける。“新らしいパートナーはしっかり選べよ” と言い遺したウィリー。ボーンズは、放浪の先々で、新たな人々と出会う。
    中国料理店の息子ヘンリー少年と出会い(裏庭で親に内緒でこっそり飼われ、やがて追い出される。)。パイロットの妻と子供たちの裕福な白人家庭に保護され、つかのまの穏やかな日々。
    しかし、ボーンズは、そうした日々の合間にも、ウィリーの思い出を回想するのだった。

    優しかったウィリーのことを思い続けるボーンズ。
    生活はきつかったけど、彼との放浪は楽しかったなあ、とか、彼は自分の人格を尊重し、信頼してくれたなあ、と思うのである。
    人と犬の関係なのだが、ペットとして愛でるものとは程遠い。“お前はそんな生き方でいいのか?” とか、“誇りを持って生きろ” と問うような。ふたりは、そんな、哲なる対話をするのである。

    犬とヒトの友情をしっとりと描いて泣かせる小説…。
    そんな期待感を抱いて読み始めたのだが、期待値を上げすぎたかもしれない。

    ただ、終章は、切なさが少しばかり胸に迫った…。 
    ウィリーに会いたいという思いをいよいよ募らせるミスター・ボーンズ。“ウィリーは未知の土地「ティンブクトゥ」に旅立った” そう考えるボーンズは、彼に会いたくて会いたくて、彼のもとへ旅立とうとするのだった。

  •  詩人である飼い主ウィリーの死を目前に、賢い犬のミスター・ボーンズは回想する。そして彼の死後、新たな飼い主を求めて彷徨い歩く物語。ミスター・ボーンズの聡明な視線、人を信じる気持ちが、とても強くて美しい。最後は愛するウィリーの待つティンブクトゥにいけたと信じたい。
     オースターと云えばミステリ小説の要素があるイメージだったが、そういう意味では異色の本作。しかし、哲学的な観念は健在。

  • かわいらしいわんちゃん写真の表紙と、興味のあったポール・オースターということで購入。
    猫ブームに押され気味の犬諸君、わたしはわんちゃんも応援しています。

    詩人ウイリーの相棒はミスター・ボーンズ。犬だ。
    ウイリーの死後のミスター・ボーンズを犬目線で描く。

    まとめるとこれだけ。
    とても単純。

    この本は、犬目線の物語で想像されがちな、犬らしい仕草に溢れた犬好き大喜びなかわいらしい物語、ではない。
    ミスター・ボーンズは人間と同じように考え行動している。でも犬だから言葉は話せない。犬としての行動を読ませるのではなく、あくまでミスター・ボーンズは犬の姿をした人間なのだ。そこが犬目線の物語ではあっても、この作品が他と違う点。
    飼い主と犬というより男と男。
    相棒を亡くしたひとりの男の物語という感じがする。

    こう書くと男と犬の友情物語という感じがするがそれだけではない。
    ウイリーが行き倒れになり恩師ミセス・スワンソンと再会するところをミスター・ボーンズはハエとなって見ていたりする。
    こういう不思議なところがポール・オースターらしいのかもしれない。オースター初読みなのでよくわからないけれど。

    ところで、タイトルの意味だが、これは作中できちんと書かれている。
    わたしは最初、犬の名前だと思っていた。

    ミスター・ボーンズが新しいやさしい飼い主の元で幸せに平穏に暮らすというありふれた結末を期待しつつ、そういう終わり方はしないのだろうとわかって読む。
    単純な物語だけに何回か読み重ねると思いも深まってくるように感じた。

  • 前半のユダヤ詩人の視点は面白かったけど犬の視点で語られると割とどうでもよくなってしまう

  • 使われている言葉や表現が私には汚くて受け入れがたく、なかなか物語に入り込めなかった。。

  • 放浪癖のある主人とその飼い犬の話
    読む前には、主人と犬がどう生きていくのか、或いは主人が死んでしまった後、犬がどう生きていくのか、といったことを描いた犬好きに感動を呼び起こさせるような内容の本なのかと思ったが、実際は違った。
    読み手が予想するような出来事は上手く避けるように書かれていて、したがって読み手の予想はことごとくシカトされ、新たな展開を上書きすることで読ませているように感じた。
    犬に対しての心理描写は上手く書かれていて、多分作者の人は犬が好きなんじゃないだろうかと思った。
    こう書くとそこまで面白そうに見えないかもしれないが、おそらくこれは小説に求めるものの違いからくるものだろうと思う。この小説は、技巧的な、つまり読ませる小説であり、私の求めている読み込む小説ではなかったように感じた。

  • 多弁症の主人ウィリーを持つ、ミスター・ボーンズ。
    多弁症ってすごいなぁ。そじが喜ぶから真似してずっと1人で喋ってるけど、言葉ってそんなにひっきりなしに出てこない…

    話の中でも喋りが多すぎて飽きた。

    酔歩する男並みに話が思ってたよりも長くて違う方向性だった。

  • 第11話(11月17日放送)で、カフェ・シャコンヌで真琴が読んでいるのが、犬の目線で放浪の詩人と社会を描いたこの本。教え子・根岸の父のリストラ問題からの連想……というわけではないでしょうが、著者オースターが描く人間や社会の「残酷さ」と、その中に確かにある「優しさ」について、真琴は考えているのかもしれません。

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