- Amazon.co.jp ・本 (706ページ)
- / ISBN・EAN: 9784102453018
作品紹介・あらすじ
砂の降りしきる町の娼家「緑の家」、密林に覆われた尼僧院、インディオの集落。ペルー社会の複層性さながらに交錯する現代・中世・古代。盲目のハープ弾き、飲んだくれ、日本人の流れ者、そして女…。市民的規範には無縁のしたたかな人物群が多様多彩に躍動乱舞する。-ラテンアメリカ文学の豊かな土壌に育くまれ、前衛的な手法を駆使して濃密に織りなす、物語の壮大なる交響楽。
感想・レビュー・書評
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時系列は入り乱れ、場所も移動し、同じ登場人物でも呼び名が変わったりするのでかなり混乱する。
また白人や原住民、部族の違いもわかりにくいのでメモを取ることが必須に近い。
読者参加型の小説で、読む側にも能動的な態度が求められる。
細かい作業が好きな人ははまるかも。
男の浪漫と女の力強さ、すなわち人生の美醜が集約された本だと思う。 -
この小説は一筋縄ではいかないけれど、読書という体験の幅広さを感じさせてくれるものでした。未知の事柄に心を奪われるとはなんと楽しいことだろう。
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ペルーのとある町の娼館にまつわる解体されたクロニクルのコラージュ。時間、場所が錯綜し物語が重層的に構築され、記述も地の文と会話が入り乱れ、最初は甚だ読み難い。しかし一旦その世界に嵌ると、その濃厚な世界に飲み込まれる。
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岩波文庫で読むつもりなので~
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筒井康隆さんが「小説好きのためのベスト小説は緑の家だ!絶対読むべきだ!」と力説していたから読みました。
私は3度目にしてやっと読破し、その後4~5回読んでいますが、まだ自由自在とはいきません。小説好きの方にこそおすすめします。
筒井さんの絶賛ポイントとは、こちら http://d.hatena.ne.jp/ha3kaijohon/20120407/1333810940 -
ラテンアメリカ文学
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ジャングルというのは動物、昆虫、植物など混沌として生物の坩堝となっている。
一歩踏み出すともう戻れない。もがけばもがくほど嵌っていく蟻地獄。底無し沼。
複雑怪奇として君臨する自然の聖櫃――それは読者を深みに迷わせ高揚を齎す。 -
時間も場所も異なるストーリーが何の前触れもなくコロコロ入れ替わって、すっかり迷子に。しかしこれほどこんがらかった話が最後は見事に収束し、ある種の爽快さも感じます。
何しろ舞台が密林や砂漠なので、夏に読むには暑苦しすぎました…