ラファエロ真贋事件 (新潮文庫 ヘ 11-1)

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  • Amazon.co.jp ・本 (302ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102470015

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  • イタリア絵画をめぐる美術ミステリ。
    イギリス人の青年がローマの場末の修道院で侵入容疑で捕まるところからお話が始まります。青年は美大の院生で、修道院に掛けられていたはずの凡庸な絵画が実はラファエロの失われた作品だったのだと主張します。
    ローマ警察の美術品盗難捜査部門の警察官たちとしがない美大の青年は絵画が経てきた数百年の趨勢を追うことになります。
    既にイギリスの高名な美術ディーラーによって売られていたその絵画は、果たして本当にラファエロの作なのか?国家予算をつぎ込んで絵画を購入した国立美術館の館長や部門長たちの真意は?そして急転直下、殺人事件まで起こってしまう…。
    最後の説明がごちゃついていて分かりにくかったのですが、全体としてはさくさく読めました。
    イタリア絵画にはロマンがありますね。

  • イタリアの貴重な芸術品が流出していく状況に興味が湧く。ストーリー自体もアートミステリーとしてそれなりに面白かった。絵が燃えたり人が殺されたりする辺りから、現実味が薄れてきて残念だった。もっと、絵そのものの描写や、画家やその作品をめぐる人間模様や背景、登場人物たちの芸術に対する思い入れ、葛藤などが出ていたら良かったと思う。

  •  つい先日、過去に盗まれたピカソの絵画が見つかったというニュースが世界を駆けめぐったのが記憶に新しいところだが、美術品盗難事件は謎が多い。不謹慎だが、美術品の真贋や盗品にまつわる話題にはある種のロマンとストーリーを感じてしまう。この作品もそんな美術犯罪を扱ったミステリー。ローマの場末にある小さな教会にイギリス人の青年が侵入、放浪罪で保護された。彼は美術史を専攻する大学院生で、侵入したその教会には、聖画に擬装されたラファエロの知られざる傑作が一世紀以上にもわたり飾られてきたはずだと供述。しかも彼が教会に侵入した時には、その絵は既になくなっていたというが…。
     ローマをはじめ、イギリス、スイスとヨーロッパ各地が登場するのも楽しめるところ。絵画に興味のない人でもヨーロッパへの憧れがかき立てられる一冊になっている。

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