- Amazon.co.jp ・本 (351ページ)
- / ISBN・EAN: 9784102472286
作品紹介・あらすじ
KGB本部地下で、通信将校ザイツェフはどうにも容認できない作戦が進行していることに気付いた。罪のないローマ教皇の命を、なぜ奪わなくてはいけないのか?彼は通勤途中でいつも出会うアメリカ人に近づく。CIAに違いないと睨んだからだ。アメリカ本国ではライアンに期待を寄せるCIA長官が、彼に極秘任務を与え、ライアンは妻キャシーにも言えない作戦に従事することになった…。
感想・レビュー・書評
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内容 :
教皇暗殺(Red Rabbit, 2002)
ソ連の影響下のポーランドで反政府運動が活発化する。
ポーランド出身のローマ教皇は共感を覚え、教皇を辞職して支援に向かおうと考えるが、それを知ったソ連は教皇の暗殺を計画する。
実際に起こった1981年のローマ教皇暗殺未遂事件が舞台。『愛国者のゲーム』から半年が経過している。
なおベン・アフレック主演の『新ジャック・ライアンシリーズ』の映画化のために書き起こされた小説であるが、
モデルとなった教皇暗殺未遂事件のヨハネ・パウロ2世が2005年4月に死去したため映画化が頓挫した形となっている。
著者 :
トーマス・レオ・クランシー・ジュニア(Thomas Leo Clancy, Jr., 1947年4月12日 - 2013年10月1日)は、アメリカの小説家。
軍事や諜報活動を扱うテクノスリラー小説を数多く執筆し、また自身の名を冠したテレビゲームの監修も務めた。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
冷戦時代の米ソ、英ソのスパイ活動をテーマにした小説では、フォーサイスの「イコン」など名著も多いのですが、この「教皇暗殺」もそれに劣らずブレジネフ-アンドロポフの時代をよく表現しているのではないかと思います。
1981年におこったアメリカ大統領とローマ教皇の2つの暗殺未遂を生み出したであろう当時のソ連の指導層の狂気は、小説の内容とさほどズレがないように思え、当時の大国の自国の利益にならなければなんでもアリという愚かさに背筋が震えます。
踏まえての本作品、作者の願いにも似た密通者が現れ、舞台の歯車が回りだします。