白い犬とワルツを (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102497029

作品紹介・あらすじ

長年連れ添った妻に先立たれ、自らも病に侵された老人サムは、暖かい子供たちの思いやりに感謝しながらも一人で余生を生き抜こうとする。妻の死後、どこからともなく現れた白い犬と寄り添うようにして。犬は、サム以外の人間の前にはなかなか姿を見せず、声も立てない-真実の愛の姿を美しく爽やかに描いて、痛いほどの感動を与える大人の童話。

感想・レビュー・書評

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  • 50年以上連れ添った妻に、先立たれてしまった老人サム。最愛の妻がいなくなりだんだんと生気がなくなるサムのもとに、突然、白い犬が現れ、そこから互いに寄り添う生活がはじまる。著者テリー・ケーのご両親をモデルにした話。サム以外は決して触れることができなかった白い犬の存在は、この小説の要となっている。また、主人公のサムにはたくさんの子ども達がいたため、彼ら彼女から献身な愛を受けながら最期を迎えることになる。そんな家族愛もこの本の醍醐味。幅広い読者に勧められそうな、心暖まるファンタジー作品ではないかと思う。

  • サムと亡くなった奥さんのコウラ。子ども達とその伴侶。お手伝いのニーリー。

    そして白い犬。

    みんなみんな愛おしい。

    サムの日記がとても愛情に満ちていて、きっとそれを読む事になる子ども達はもっと父親を尊敬すると思う。

    白い犬とオンボロトラックで同窓会に出かけるところは本当にハラハラしちゃった。

  • 何でこの本を読みたいと思ったのか…。自分の思考が分からない。
    自分の嗜好に合わなかっただけで、作品としては素晴らしいのだと思います。妻を亡くし、自分も遠からず妻と同じ場所に行く、と思っている老人の記録。こんな風に老いていければ、と思わせる作品です。

  • これは作者のテリー・ケイが自分の両親の体験を参考に書いたようです。
    長年連れ添った妻を亡くして、亡くなってすぐ、白い犬が表れるのです。
    人見知りで主人公の前にしかなかなか出てこない。
    この犬は妻の生まれ変わりだと次第に思うようになって。
    この主人公の老人は何度も昔の妻を思い出すんだけど、
    妻と結婚できて幸せだったと思える気持ちが
    本当に素晴らしいな、と思いました。
    やっぱり外国の夫婦ってそうなんだろうな~
    子供達にも愛されて、本当に爽やかなお話しでした。

  • 14年くらい前に初めて読んでから、ずっと大切に持っている本
    何回も何回も読んでいるが、読んだ後に穏やかな優しい気持ちになる。
    長年連れ添った妻を亡くした、足の悪いおじいさん。そして白い犬と家族。
    初めのうち、白い犬はなかなかおじいさん以外の人の前に出てこなかったけど…
    白い犬がいたことで、おじいさんも寂しい思いをすることなく、天寿を全う出来たのかなぁと思った。
    白い犬と二人で遠方へ出掛けるシーンでは、ドキドキしてしまう…おじいさんの日記も、話のいいアクセントになっている
    何回読んでも、私は好きな作品です

  • 版元その他が本気で売りにかかれば、結構すごいことができるんだなぁ、と感心しました。
    だってこの本、全然おもしろくない。

  • 小説だけど、読んでいてなんとなく絵本のようなイメージです。表紙の絵がお話とぴったりすぎるのかな。
    頭の中に、白い犬とお爺さんのサム、亡くなった奥さんのコウラが自然と浮かんできて、彼らが見えてるかのように読み進めます(^-^)
    いつのまにか、自分の近くにやってくる白い犬。彼らは何故か娘や使用人達には見つかってなくて。
    もしかしたら先立った妻のコウラなんじゃないかと、自分を見守り、さらに迎えに来たのではと思い始めるサム。懐かしい顔が集まる同窓会に、自分と犬だけで出かけようとトラクターに乗り冒険に出るのが、微笑ましいけどほんの少し悲しい感じ。
    老いを感じる描写、少し腫れ物扱いされる印象とか、必ずしも幸せそうなほのぼの描写ばかりな訳ではないですが、全体的にほっこりとする感じです。
    寡黙に適度な距離のまま、サムから離れず寄り添う白い犬がなんだかすごく愛おしくなります。
    いつか、サムにギュッと抱きしめられて欲しい、、というか抱きしめさせてあげて欲しいと思っちゃいます。
    初めて購入したのは高校生の時ですが、大掃除などの折に目に触れると、つい読み返したくなって引っ張り出します(o^^o)
    稀代の名作!でも、是が非でも薦めたい!っていうのでもないのですが、「犬が出てくる小説で何かない?」と訊かれると、なんとなく好きでついオススメしてしまう小説です。

  • 50年連れ添った妻が心臓発作で急に亡くなって、孤独になったサムの前に、入れ替わりのように現れた白い犬。歩行器に脚をかけて揺れているのは、ワルツを踊っているかのよう。
    癌で最期が近づいて子供たちが常にそばにいるようになってからは、役目を終えたかのように姿をくらませたが、ラストシーンで足跡を残してくれた。
    サムの心持ちが文体の異なる日記という形で挟まり、語り手(後書きによれば作者の父がモデル)の描写だけではない優しい心情がくみ取れる。
    妻のコウラは、自分が急に逝ってしまって、サムのことが心配で心配で、戻ってきたんだけど、それはサムの妄想だったのかもしれない。他の人には見えなかったり、触れなかったり、他の犬とは関わりがなかったり、普通の犬ではないのだけれど。
    あなたには白い犬が見えますか?あなたに白い犬はいますか?

  • 主人公と、亡くなった奥さんの夫婦愛にすごく憧れます。わたしもいつか、こんな風に人を愛せたらいいな。主人公がひとりで初めてビスケットを作る件は思わず吹き出してしまった、大好きな場面です。

  • 感動するところがどこかサッパリ解りません。何故、なけると言われてるものはことごとくつまらないのですか。犬が出てくる必要性とかないがな。

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