妖怪馬鹿 (新潮OH文庫 73)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (389ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102900734

作品紹介・あらすじ

妖怪馬鹿-妖怪のことばかり考えている人のこと。本書は、あやかしの都に三馬鹿が集い、行われた座談会の記録である。京極夏彦書下ろし漫画も満載。

感想・レビュー・書評

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  • タイトル通り錚々たる妖怪馬鹿が三人集まって一夜丸ごと妖怪について語り明かすという誰も喜ばなさそうだけど誰かは必ず喜ぶ企画を書籍化したものでございます。あれっ?むしろ本書のためにこの鼎談があったのか?まーそんな些細なことはどちらでも良いのです。焼け残った新聞紙の切れ端のようにどうでも良いのです。


    妖怪から日本社会を語る

    とはいえ錚々たる三人でこざいますから(実は京極夏彦しか存じませんが。そんなことは焼け残ry)、興味深い内容の鼎談となっております。
    果たして妖怪とは何なのか?言葉なのか?イメージなのか?はたまた不可解はすべて妖怪か?創作か?民話か?UFOと妖怪は違うのか?などなどなど。素晴らしいほどのてんこ盛り具合であるのです。
    気付くといつの間にか現在(2001年当時)の「日本社会には妖怪学が必要なのだ」などという突拍子もない話になってしまうわけでして、さすがに壮年にもなりますと社会を憂いてしまうのでしょうか。分かりかねますが話のぶっ飛び具合たるや日本酒1升ぐらいの飲みっぷりでは到底追いつけないくらいの勢いであります。


    水木しげる先生の功績?

    さて、本書をまとめますに三人の出会いから妖怪の何たるか、果ては「日本社会における妖怪」なんてことまで語っておりますが、差し当たっては水木しげる先生の掌の上を転がりまくった挙句に飛び出す気すらなくいやもう楽しくて仕方ないよね妖怪最高!って人生を投げ打ちながら哀愁を漂わせつつ語り合うという本なのであります。
    京極夏彦先生の本が好きな方はぜひ手にとって妖怪学の深く険しい深淵のような面白味を感じとって頂けるかと思います。ちなみにワタクシは氷山の一角ほどでございます。妖怪に人生を捧げるのは嫌なもので。ではまたそのうち。

  • 妖怪好きのお三方による、妖怪愛を語る本。ところどころの挿絵は、すべて京極夏彦氏によるもの。氏の千変万化のタッチが見所のひとつ。

  • 2001年発行、新潮社の新潮OH!文庫。妖怪談義の座談会だが、馬鹿な話も多い。その中に真面目な話も混じっているわけで、その分読みやすくなっているといえる。おそらく通常の座談会だと8割方割愛されるような脱線した話を、そのような効果を計算していれたのだろう。そのため分量は若干多め。

    備考:新潮OH!文庫のためにおこなわれた座談会を構成、

  •  本来はこれ、TORY的『陰摩羅鬼の瑕』発売記念ということで書いています。
     …とか言いながらこの時点で既に発売してから2ヵ月弱経過している(遅っ!)体たらくっぷり。
     そして何故新刊記念なのにわざわざこの本を紹介するかというと、「小説なら京極好き本読みサイトならどこでも 紹介しているだろうけど、これをあえて取り上げる人は少ないだろう」と踏んだのと、 本当に私はこの本が好きだと思っているからです。

     この本は、妖怪小説家の京極(筆名)夏彦氏・妖怪研究家の多田(本名)克己氏・ 妖怪探訪家の村上(実名)健司氏に肩書きに妖怪のつかない編集者の青木(仮名)大輔氏を加えた4名が、 京都を旅しながら妖怪について語り倒す…それだけです。(笑)
     しかしその語りの内容が本当に面白い。
     お三方は「妖怪は総合学問だ」と位置づけているのですが、会話はその言葉の通り。
     自然現象から海外の動物、性風俗から階級差別に至るまで、あらゆる事象に『妖怪』が存在する というのです。
     だから「妖怪の話=妖怪に関する知識の話」だけではなく、歴史から現代の都市伝説から宇宙人まで… 本当にありとあらゆることについての事実やそれに対する三人の解釈が聞けてとても楽しいです。
     しかし、いろんな分野の話をしているはずなのに気がつけば何故か水木しげる御大の話になっている傾向があるのは、現在の妖怪馬鹿が必ず通る道が彼の描いたマンガだからだそうです。
     妖怪馬鹿だけでなく、現在一般社会にある『妖怪』のイメージはほとんど御大の描いた絵の影響を 受けているそうな。…すごい方です。

     出てくる言葉の一つ一つに注釈がついていてるため、たとえ意味がわからない単語の羅列でも平気。
     しかも対談の下部にそれがあるのでわざわざページを行ったり来たりしなくていいところが親切設計も、 私がこの本で好きなところの一つです。
    (たまにありますよね、巻末に一気に全ての注釈をつけている本。正直アレは辛い)

     この本を語る上でもう一つ重要な要素が、京極先生が描いた挿し絵です。
     本の中で語られた面白い部分をイラストやマンガにしているのですが、それが全て超有名漫画家の パロディなのです。
     水木御大から始まって、手塚治虫大先生、楳図かずお先生、つのだじろう先生、高橋留美子先生、 永井豪先生、赤塚不二夫先生 etc…
     浮世絵風や江戸時代の文献風などもあります。
     その全てがものすごくそっくりなんです。忠実すぎるんです。
     しかもただの忠実な模写ではなく、それにうまく元ネタを絡めギャグにしています。
     先生の絵の上手さは十分知っていたつもりだったのですが、そのセンスのよさと芸の細かさに脱帽しました。
     内容を聞いて興味を持てない方も、その絵だけでも一見の価値アリですよ。
     本当はこういう薦め方は好きじゃないのですが、本当に面白いんですもの。 一見すると一つの作品になっているんですもの…!
     ま、もちろん内容的には本を読まないと面白くないんですけどね。

     絵だけではなく語りにも京極先生の意外な面が見えて隠れていないので(笑)、 作品だけでしか先生を知らない京極ファンも必読…かも。


    (2003.9.27 UP)

  • 妖怪研究家の三人が、妖怪についてひたすら語り合う対談本。
    多々良先生と沼上君の元ネタのお二人。

  • 妖怪小説家・京極夏彦、妖怪研究家・多田克己、妖怪探訪家・村上健司、というそのスジでは有名な御三方が集まり、妖怪に関することを語りつくす対談集。妖怪の定義から馬鹿話まで話は方々に飛びながらも楽しく語っていますが、最終的に『妖怪はあらゆる分野の知識が必要』『水木センセイはすごい』に集約される気がしました。好きなことを同じ物が好きな人と語り明かすって楽しそうだな、と感じさせる一冊。

  • 妖怪馬鹿―妖怪のことばかり考えている人のこと。本書は、あやかしの都に三馬鹿が集い、行われた座談会の記録である。

  • 京極夏彦がいかに妖怪馬鹿であり、いかに水木しげる馬鹿で
    あるかということが満ちあふれた愛すべき文庫本。ご同様の
    妖怪馬鹿、多田克己・村上健司と編集者青木(仮)を加えた
    3人+1での座談会なのだが、他の三人が京極夏彦の小説の
    登場人物のようで、全体として結局馬鹿ッぷりを披露する本
    となっている感が強いかな。もちろんほぼ同年代である私に
    とって懐かしい話が満載だったことは言うまでもない。
    「世界の魔術・妖術」(中岡俊哉 著)は確かうちにあった
    はず(苦笑)。一歩間違えば私もこの中に入っていたのでは
    ないかと思わせる、ある意味恐ろしい本ではあった(笑)。

  • 京極夏彦がうだうだ喋り他が補足や茶々入れする面白いけど無価値な鼎談。水木しげる界隈の妖怪観が多少解るだけ。
    いい加減な妖怪系作品を否定しながら、神聖視する水木しげるとその著作を詭弁を弄して守ろうとしてるのが面白い。

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著者プロフィール

1963年、北海道生まれ。小説家、意匠家。94年、『姑獲鳥の夏』でデビュー。96年『魍魎の匣』で日本推理作家協会賞、97年『嗤う伊右衛門』で泉鏡花文学賞、2003年『覘き小平次』で山本周五郎賞、04年『後巷説百物語』で直木賞、11年『西巷説百物語』で柴田錬三郎賞、22年『遠巷説百物語』で吉川英治文学賞を受賞。著書に『死ねばいいのに』『数えずの井戸』『オジいサン』『ヒトごろし』『書楼弔堂 破暁』『遠野物語Remix』『虚実妖怪百物語 序/破/急』 ほか多数。

「2023年 『遠巷説百物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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