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- Amazon.co.jp ・本 (318ページ)
- / ISBN・EAN: 9784102901649
感想・レビュー・書評
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読みやすい。ただ、底が浅い。
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古本で購入。
昭和46年春、群馬県下で起きた連続女性誘拐殺人事件を詳細に描いたノンフィクション。
犯人・大久保清の生い立ちから犯行、逮捕と取り調べ、そして死刑執行に至るまでを丹念に追う。
同じ著者の『津山三十人殺し』も以前に読んだけど、どことなく似ている。
津山事件の都井睦雄にしろ大久保にしろ、保護者の盲愛に包まれて育ち、強い自己顕示欲・自己愛・被害意識を持った人間になった。
そして自分が世界に受け入れられないと思い違い、他者への身勝手な憎しみを抱いたとき殺人者となる。
ヒトをつくるのはやはり環境かもしれん。
人殺しにしたくないなら子供はきちんと育てよう。
一方的に愛するだけが子供との向き合い方じゃなかろ。 -
70年万博の前後の大量殺人事件について、ことの経過は淡々と新聞記事のように、感情は少なめで語られスルスル読める。不思議なのは、学も無く、リビドーだけをモチベーションに(他人と関わらず?)生きている男が、リルケの詩を暗誦していたり、インテリのゲバ棒学生と論を交えたり、東西の音楽や絵画について語ったりできたということ。情報の多い現在のほうが、学の格差は広がっているということか。事件自体は裏が無いのであっさり。