- Amazon.co.jp ・本 (238ページ)
- / ISBN・EAN: 9784103001119
作品紹介・あらすじ
突飛な言動を重ねる妻の「正体」とは!?30代なかばにして受けた診断の結果、妻は、「アスペルガー症候群」という脳の持ち主だった-。自閉者の周囲との違和感や独特の異質さを「普通のサラリーマン」である夫の視点を通して描き出した稀有で軽妙なノンフィクション。
感想・レビュー・書評
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高機能自閉症(アスペルガー症候群)と診断された妻との不思議な生活の様を、夫の目から見て綴った本という体裁をとっていますが、最後の「著者あとがき」を読んで驚いた!!!
実際にこの文章を書いたのは「高機能自閉症」である妻本人だったのだ。「夫から見たら、私はこう見えているだろう」ということを書いていたのだ。
「自閉症」というと、自分以外の人の気持ちや考え方を理解することができないと思っていた。でもこの妻は夫の気持ち・考えをある程度理解している(推理している)。「あとがき」にも書かれているが、夫と何度もチェックを重ねて、この本が出来上がったそうだ。そういった意味でも、「高機能自閉症」の人たちの可能性を感じた。 -
この本の不思議さはあとがきを読めば分かる。というか、あとがきさえ読めば、この本はそれでいいかも、と思ってしまうぐらい。だけど、それじゃそもそもこの本が書かれた意味もなくなるし、読むほうにしても意味がなくなる。だから、あとがきを最初に読んではいけない。絶対に。
この本は一人の女性の持つ「障害」について書かれている。身体機能の障害ではなくて、心理的な方、すなわち「自閉症」について。自分は、たぶん自閉症ではないが、自分の性格については生まれてからずっと悩むところもあるので、とても興味深かったし、面白い内容だった。
人生で何度か自閉症の人に出会ったことがある。もっとも記憶として強く残っているのは大学生の教養学部だった頃。クラスに一人いた。確か、一番最初の時期に、ご両親が来られて、クラスメート達に「よろしくお願いします」と頭を下げられていた記憶がある。そのとき、なんだか大変なんだな、と思ったが、それだけで、特に差別したり、いじわるな気持ちになったことは一度もない。自閉症というものがどういうものか詳しく知らなかったが、この本で少し理解した。それで、やっぱり自分は自閉症ではないなと理解しているが、それでも、子供の頃から最近聞くようになった「多動児」であったのは間違いない。今でも小学校5年生の時に担任から言われた言葉をはっきり覚えている「○○君(私の名前)は、いっつもごそごそして落ち着きがないけど、授業はちゃんと聴いている」とクラス全員の前で言われたのだ。今でも覚えているということは、相当ショックだったのだろうけど、まあ、遠い昔の話。
おそらく自分の性格について子供の頃からずーっとほんとに今まで悩みっぱなしだというと、信じられない、と思う人が、私を知る人の中には何人もいると思う。だけど、それは表面を取り繕う術を身に着けたからなのですよ。この本の主人公とそこは似ているかな。ま、それはいいとして。
ただ、そのことを踏まえて、私の人生の途中で、この人ちょっと変わってるな、とか困ったな、というような人は何人か出会ったことがある。そういう人と関わって、迷惑をかけられたり、頭に来た事もある。そういうときに限らず、自分にとって、他人というのは常に面白く、興味の対象となっている。それはおそらく、自分自身もそうだから。
超〜気取ったことを言えば、私の人生のテーマの最大のもののひとつは、自分とは何か?を知ること。性格についてずっと物心ついてから悩んできたと何度も言っているが、それもそのテーマに包含される。なので、この本は面白かった。すごく変わった書き方をされた本だけど。でも、読めば、それも含めてよく分かります。 -
全体のノリが古いのと、夫なんか尊大…と思ってたら
まさかの本人作か、大変だっただろうね。
けど、もう少しプロの手を入れて
読みやすくしてほしかったな〜 -
読んでいる途中、たまたまテレビでアスペルガーのことをやっていた
なんか似てると思って調べてみると、本の著者であること、また夫の書記かと思いきや当事者だったことを知った
正直当事者と知ってなんだそれ、とだまされた気分になった
しかも社長さん……?そんなこと、この本には1つも書いてない……できるだけ現実に忠実に書いたんじゃないの>_<
あとがきを読んでこの本を書くことで泉さんは自己理解が進んだのはわかったけど、やっぱり夫目線と思っていた分、本の内容を素直に受け取りづらい……
2015.12.11 -
4-10-300111-9 238p 2005・11・10 ?
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読後の感想をひと言で書くと、「出来るだけたくさんの人に読んで欲しい本」ということだ。
今まで生きてきて実感していることは100人の人間がいれば、まちがいなく100通りの人種がいるということ。その1~100までのパターンは薄いから濃いまでの様々なグラデーションがある。そして、その両端の薄いところと濃いところは真ん中あたりから見たら、それなりに目立ってしまうもの。けれど、目立っていようが、一つの色であることに変わりはないわけで、他と同様、大切にされるべきものだと私は思う。自分という人間を例にとっても、例えば100項目で検査されたら、得意、不得意等、様々なグラデーションは間違いなく出る。そして、その中には特に濃いものや薄いものもあることだろう。そんなことを思うと、人としての基本姿勢は自分自身を大切にするように、人も同様に大切にするという、当たり前のところに落ち着く。
妻もこの本に興味を示したので、読んでもらうことにしよう。 -
題名に惹かれ図書館で。
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