木の匙

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (109ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103001911

作品紹介・あらすじ

小さな工房の、無駄なく気持ちいい暮らし、簡素でうつくしい三谷さんのうつわのすべて。文と写真で綴る、静謐で豊かな日々のかたち。

感想・レビュー・書評

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  • この本を読むと、日々視界に入る様々なものをよく観察したくなる。そして五感を開放してみて感じるものを味わいたくなる。それが人生を豊かに暮らすことにつながるのだなぁとしみじみ思う。

    ・きのうつわは、人の暮らしとともに時間を減ることで、使う人に近づいてくる。

    ・冬、窓からの日差しがありがたい。

    ・心地よさには、節度と開放のバランスが必要。

    ・ときには小さな真実に心を止めるような、そんな場所に立ち返ることもまた必要。

    ・よく見つめることで、初めて見える世界がある。

    ・暮らしをよく見つめると、僕たちの毎日は、実に豊かなものを抱えていたことに気づく。不思議がいつも隠れている。

  • 好きな建築家の本で知り、購入。
    三谷さんは暮らしを大切にしていて好きだなあ。
    木の器、漆の器がほしいし、愛を持って造られた木製家具もほしくなった。
    それらをたっぷり手入れして、自分だけのものにしていきたい。

  • ドアは厚く、閉まる時はがちゃりと重い音がしなければならない。

    心地よさには、節度と解放のバランスが大切なのだ。

    モノって不思議なもの。はじめは実用品として作られたはずなのに、いつしか暮らしから忘れ去られ、使われなくなる時がやってくる。でも、それまで当たり前のように1つだった「用」の役割から離れ、どこか肩の荷を下ろして楽になったモノたちが、とても純粋な物質の表情を見せてくれることがある。

    それは見た事はあるだろう。しかしだれも見つめた人はいない。アートとはそれなのさ。ありふれたものを、それらが今まで1度も見られたことがなかったのごとく見つめると言うことなのさ。

  • ・なんで読んだか?
    アートについて深める一冊。

    ・つぎはどうする?
    なし

    ・めも
    木工デザイナー、三谷龍二さんの暮らしとその洞察。美しい暮らし。

  • シンプルにこだわるって一番難しいけれど、そうやって生きられたら、きっとずっと、嬉しいと思う。

  • 素朴で洗練された三谷さんの本。

  • 三谷さんの作品とエッセイ。
    ゆるやかに流れる時間を感じる。

  • こういう職人の方、大好きだなぁとしみじみ思う。
    一本通っている筋が、心なのである。そのもの木のぬくもりのような真心。それが文章から伝わってくる。どうしたら人に喜ばれるか。媚びるのとは違う、技術で、知識で考える、実践する。そういう背景が美しいと思った。そしてこだわることが真心の礎である気がした。作品を通し三谷さん自身が伝わってくる。

  • 男性目線ってやはり違うのだろう。
    同じようなものづくりの人でも。
    文章が違う。

  • 写真とエッセイ。タイトルの匙だけにとどまらず器や雑貨などさまざまなアイテムが登場する。木で作るもの、普段の暮らしに関わるものに対する思いの深さが感じられる一冊。軽くてあたたかくて自然な風合い、どうして木の食器が主流ではないのだろうかと疑問に思えてくる。自身により撮影された写真も非常に美しく、文章もやさしく端正。物語を読んでいるような心地よさがある。まさに使いやすく削られた木の器に通ずる質感。
    木工デザイナーとしてものを作るだけでなく、写真・文筆・絵画などにも造詣の深さを感じる。

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著者プロフィール

三谷龍二/みたにりゅうじ
木工デザイナー。1981年に長野県松本市に工房ペルソナスタジオを開設。ふだん使いの木のうつわやカトラリーなどが人気で、全国で個展を多数開催している。2011年には自身のうつわを常設する店、「10センチ」を松本にオープン。

立体作品も手がけており、伊坂幸太郎『オー! ファーザー』『重力ピエロ』、翻訳作品『朗読者』などの表紙に携わる。
松本の一大工芸イベント、「クラフトフェアまつもと」「工芸の五月」にも発足当初から携わっている。著書に『遠くの町と手としごと』(アノニマスタジオ/2009)、『三谷龍二の10センチ』(PHP研究所/2012)、『「生活工芸」の時代』(新潮社/2014)ほか。

「2015年 『日々の道具帖』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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