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Amazon.co.jp ・本 (144ページ) / ISBN・EAN: 9784103001928
感想・レビュー・書評
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松本市に住み、ふだんづかいの木の器を制作する工芸作家、初の画文集は、静かな本だ。
丸テーブル、小屋、窓など、暮らしの周辺を綴った文章と、仕事部屋の空気ごと写し取ったような、柔らかな絵の写真。ゆったりした手仕事の速度の生活は、仕事以外のことも入りやすくなる。
昔から書く字が小さかったばかりか、話す声も小さくて、そのことがコンプレックスだったという著者。二十代のころは劇団に所属して、「薬缶を愛さないで、もっと人を愛せ」と言われた。つまり、「ちゃんと人間と関われ」と。十年ほど、その言葉の重さを受け止めて暮らした。そして結婚し、木工になり、関心は暮らしそのものに向かう。「僕たちはいつも素材に手を触れ、これでいいのか、この使い方でいいのかと、自分の体の『生理』にひとつひとつ相談しながら作業を進めていく」という。心が透きとおる。
(週刊朝日 2010/8/13)詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
木工作家の著者が、自身の描いた絵と短いエッセイを折々に綴った一冊だ。
多芸、というのはこういう人のことなのかなぁ。板、テンペラ、場合によっては漆も用いた絵はとても趣があって美しく、すばらしい。
思考も深く、ひとつひとつのエッセイにふっと考えさせられるような文章が潜んでいて油断ならない。
頭のいいひと、思考することを止めない人の文章だな、と思う。
ただ頭でっかちなのではんなく、手を動かして考えを導き出す、その動作と思考が結びついているところもいいな、と思う。
実際に生活をする手を持った人の哲学がここにある、と感じる。
両手のひらをあわせて比べると、右手(利き手)のほうが指が短い、というのは、自分もそうなので本当に驚いた。日々当たり前に見つめている物事の中にも、言われなければ気づかないことがある。
利き手が短い理由を「手がたくさん仕事しているから」とする著者のまなざしはとても優しいと思う。
私の右手が左手より少し寸詰まりな理由も、そんなことならいいな。 -
自身の足でしっかり大地を踏みしめているであろうと伺える文章からは、音が聴こえてくる。そのもの生活の音だ。ごとり、こつこつ、さわわわ、ぽとん。人が生活をしている音を聴くということは、自分の生活を見直すきっかけとなる。背筋をしゃんと伸ばさなくてはと思わされた。今日も明日も歩かなくちゃって思わされた。
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木工デザイナーの画文集。文章から三谷龍二の職人としての芯に触れる事ができる。各文章には絵がそえられてるが、それがとても素敵だ。
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何の予定も入れなかった
日曜日の午后のひととき
あったかぁい紅茶でも入れながら
ゆったり
開いたページから
読んでみる
まことに
心地よい 気分にさせてくれる
一冊です -
図書館で借りてきたのだが、すごく良かった。
日々の出来事などの、エッセイ集。
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