- Amazon.co.jp ・本 (333ページ)
- / ISBN・EAN: 9784103002598
作品紹介・あらすじ
竜崎伸也、大森署最後の事件!? 正体不明の敵に立ち向かう、激動の長編第7弾。私鉄と銀行のシステムが次々にダウン。不審に思った大森署署長・竜崎は、いち早く署員を向かわせるが、警視庁の生安部長から横槍が入る。さらに、管内で殺人事件が発生。電話で話した同期の伊丹から「異動の噂が出ている」と告げられた竜崎は、これまでになく動揺する自分に戸惑っていた――。大人気警察小説シリーズ、待望の第9作!
感想・レビュー・書評
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うーん、隠蔽捜査で泣くなんて思いもしなかったけど、最後うるうるきてしまった。
事件そのものは読める展開で驚きはなかったが、だからこそ一層、大森署の人間関係が色濃く描かれた一冊だった。いつの間にこんなに味方が増えたんだ。嫌な奴が誰もいなくなってしまったじゃないか。やるな、チーム竜崎。
それにしても、融通の利かない竜崎が、大森署の署長を経験して、人として随分成長したなんて(氷の王子様が愛を知ったみたいな!)なんだか妙にうれしい。次は○○○県警か。まさか戸高が出ないなんてないよな。次巻も楽しみ。 -
お気に入りシリーズの待ちに待った新刊。
真っ当なことを真っ当に対処し、ブレないスタイルで原理原則を守る大森署竜崎伸也。
彼が警察庁や警察幹部と対決する場面には、胸の救われる思いで読み進める読者が多いことだろう。
短いセンテンスの連続により、先へ先へと促される。
署員とのそんな小気味のよい会話に続き、事件の幕が開ける。私鉄や銀行のシステムダウンという、時代を象徴するハッカーによる犯罪。
戸田と前作で登場した女刑事根岸のコンビが、事件の解決に、いい役割を果たす。
このシリーズのファンにとって、今作は事件そのものより、前作で仄めかされた竜崎の異動に興味を注がれる。
異動先がどこになるかと落ち着かない竜崎に対し、妻の冴子は「引っ越しの準備も始めるわよ」と、平然と言う。さらに、速やかに事件を解決するよう、ハッパをかける。
竜崎家では、妻の方が上手(どこの家庭でもそうかな笑)。
前作では長女のストーカー問題、今作では長男の留学問題と、このシリーズは竜崎家の家族小説という側面もあり、この家族の今後を、親戚のような気分で見守っていきたい。
もちろん、主人公竜崎伸也が異動後の新天地でどういう活躍をするか、このシリーズはまだまだ続くと思うので、期待して待っていよう。 -
4.5
竜崎の新天地での活躍を読めるかと思ってましたが、それは次回になりそうですね。
それでも面白かったです。
ちょっとマンネリ気味だったので、異動はちょうどよいタイミングだったかも。
別の意味で伊丹も本人も言ってましたけど笑 -
久々の竜崎伸也もの。期待にたがわぬおもしろさ。いつもながらの痛快な堅物さでマンネリといえばマンネリなのだけど、それを感じさせない。これが池井戸潤だと鼻につくのに竜崎伸也だと何度読んでも痛快だ。なんでだろう。伊丹をはじめ貝沼、戸高ら存在感ある脇役も健在でうれしくなる。意味不明なタイトルは月に棲むものという意味で、今回は現代らしいネットがらみの犯罪を解決する。いくらなんでもそんなにうまくいくかいというようなものだが、まあそれはそれ。辛辣な冴子や家庭内のやりとりもちゃんとサービスされている。長きにわたった大森署長も終わりで次回は異動先での物語になるらしいが、まあ「どこにいってもやることは同じ」だからな(笑)。
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内容(「BOOK」データベースより)
私鉄と銀行のシステムが次々にダウン。不審に思った竜崎はいち早く署員を向かわせるが、警視庁生安部長から横槍が入る。さらに、管内で殺人事件が発生。だが、伊丹から異動の噂があると聞かされた竜崎はこれまでになく動揺していた―。
今回はとうとう竜崎が署を去る事になり、そちらが物凄く頭に残って事件自体は少々薄味。壮大な犯罪になりそうでありながら、割とあっさりした展開です。竜崎が署を去りがたく、それを自分で気がついてうろたえるあたりが、長年彼を見てきた読者には感慨深いのではないでしょうか。ドライなリアリストであった竜崎が、情を理解ではなく自分の中の一要素として育てていたという事が沁みました。
署員達もいかに竜崎に心を開いていたかという事が分かってこちらも感動でした。
で、事件ですよ、問題は。なんで犯人に悪達が怯えているのかが全くもって書けていません。漠然とした恐怖でそんなに支配されるか甚だ疑問です。 -
大森署メンバーとの絆があって、安定した世界。が、マンネリ感も。
無駄な慣例は無視し、正論を通し続ける竜崎の合理性と、それに反発したりとまどったりする周囲との、確執やぎくしゃく感に、面白みがあったシリーズ。
理解ある大森署、というベースができてしまったため、形ばかりの横やりが入っても、ほとんどトラブルの形をなさず、起伏が乏しい。
だからこその辞令だと思うので、次回作に期待。
事件の方も、大森署をかかわらせるのは無理筋な気がした。 -
ついに移動か。
事件自体は、なんかしっくりこなくて気色悪い印象。
ま、もはや何でもアリで、どんな活躍をしても少々では驚かんぞ。
「一国一城の主」から、また上の立場に。
次回からはどんな感じで活躍を見せてくれるのか。
てか、続くんだよね?
ラストシーンは、ベタだけど泣けた。 -
シリーズ7作目。
序盤から一気に読んだけど最後は犯人を落とすことができるのか⁈とハラハラしながら読んだ。毎度偉そうな人が出てきてウザいけど、竜崎がうまくまとめるわ〜
私も大森署でずっといてほしかった。涙
早く8が読みたくて仕方ない! -
やっぱりとっても面白い。神奈川県警に移った竜崎に期待。
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このシリーズももう7作目か。
随分長いシリーズになってきた。安積班シリーズのような長寿シリーズを目指しているのか、それとも切りよく10作目で完結を目指しているのか。
途中のグダグダも終盤のアッサリも今野さんのいつもの感じなので仕方ないとはしても、流石にマンネリ感が増してきた。
ただ前々作辺りから匂わせてきた異動話で新たな展開を図ろうということも感じたし、その異動先が異動先だけにちょっと気になるところでもある。
職場だけでなく、竜崎家としても一つの転機がある。
戸高とのお別れは寂しいけれど、いずれ一緒に仕事をすることもありそうな予感も感じつつ、竜崎らしいお別れで閉じた。
著者プロフィール
今野敏の作品






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隠蔽捜査7は竜崎の人としての成長を書きたかったのかしらね。「氷の王子様が愛を知ったみたいな!」なんて素敵な表現。次作、登場人物が気になりますね。『ロマンシエ』はいつもの作風とだいぶ印象が違います。好きか嫌いか分かれるようですが。
……って、自分はまだ「...
……って、自分はまだ「5.5」で足踏みしてますが。
自分も…また戸高くんには、出てきて欲しい(笑)。