芥子の花

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 272
感想 : 55
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103003120

作品紹介・あらすじ

上質の阿片が海外に出回り、その産地として、日本をはじめ諸外国から槍玉に挙げられた江戸国。老中から探索を命じられたのはご存知「金春屋ゴメス」こと長崎奉行馬込播磨守。ゴメスは、異人たちの住む麻衣椰村に目をつけるが…。辰次郎、NY出身の時代劇オタク・松吉、海外旅行マニア・奈美といった面々はもちろん、女剣士朱緒をはじめ新メンバーも登場し、ますますパワーアップした異色時代小説。

感想・レビュー・書評

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  • 江戸ものだと没頭してて、途中でふと現実に戻される(笑
    ゴメスがいまだに優しいのか捻くれ者のヤバい人間なのか判別つかず。まぁなんかしらいいところがあるから、あれだけの手下が懐いてるんだろうけど。
    でもキャラクターがかなりたってるので、もっとゴメスの活躍が見たい。

  • 金春屋ゴメス第2弾
    江戸国から日本へ「阿片」が密輸される。 
    厳重に管理されているはずの阿片がどうして流出したのか?。 
    江戸国内にある異民族たちの村で栽培されていることが発覚するが、これは幕府転覆を狙う黒幕が仕掛けた罠だった。 
    ご存じ金春屋ゴメスが率いる「長崎奉行」が活躍する空想江戸人情話。 
    近未来に存在する「江戸国」という荒唐無稽な設定ではあるけど、ガチなテーマパークだと思えばそれはそれですんなり馴染める。 
    まだまだ続くよみたいな終わり方だったので気長に続編を待ちます。

  • 日本の中で独立国として存在する江戸国。
    その長崎奉行 金春屋ゴメスとその配下が繰り広げる、捕り物帳。
    設定自体が奇想天外だけど、江戸の歴史物としても面白いし、日本から移り住んだ辰次郎の江戸国での成長も楽しめる。
    ゴメスのキャラクターがまた面白い。

  • 金春屋ゴメス2作目
    日本に出回る上質の阿片の出所が江戸国と発覚し外交問題に発展か?

    ゴメスの怪物っぷりが爽快

  • 面白く読みました。もう続編は無いのでしょうか?

    図書館で借りた本でしたが、所々汚れていて悲しかったです。

  • 近未来の日本、全てに便利になり機械化自動化が進み
    科学も産業も進んでしまった日本で、
    全て人の手を介して行われたいた江戸時代を
    懐かしむ一部の学者やお金持ちの人々が
    関東地域に江戸を摸して作った江戸国。
    独立国を自称してはいるが、実際には日本の属国扱いに。

    江戸に入るには厳しい審査が行われ300倍の競争。
    幼い頃、江戸で治療不可能な病で生死をさまよう主人公は
    人道的措置で日本に。
    一度江戸から日本に戻ると、江戸には戻れない。

    江戸を恋しがる病床の父親に代わって、江戸のお守りをもって
    入国した主人公『佐藤辰次郎』。
    一緒に入国したのは経産省出のエリートでありながら
    どっぷりの江戸フリークである自称『松吉』と
    世界中を旅して周り、行ったことのない江戸に入国した『奈美』

    入国するには携帯電話はもちろんのこと
    医薬品、工業製品を始め江戸当時になかったものは
    持ち込み厳禁。
    コンタクトレンズが必要な人は、入国前のレーシックを受けよと。
    もちろん日本から病原菌を持ち込むことは、
    伝染病のおそれもあるので、できる限りのワクチンも打つ。
    そんなこんなで、三人はそれぞれ身元引き受け人の元へ。

    辰次郎が300倍の難関をたった一度でビザが発給されたわけは
    久々に起こってしまった罹患すると死に至る謎の伝染病を
    解決するために秘密裏に入国が許されていたのであった。。。。

    辰次郎はそこで長崎奉行の配下の元へ。
    それは規格外の人物であった。

    次々と事件が起こるが、初めはひ弱な現代人だったが
    揉まれるうちに。。。。

    痛快なストーリーは日本ファンタジーノベル大賞に輝く。

  • きっかけ:姉のすすめ
    感想:設定に驚いた。
    最初、読み始めてしばらくは設定が理解できず少し混乱したが、読み進めてやっと理解。まるで外国に行くように江戸(江戸を模した場所)に行ける世界で、日本から江戸にわたる若者が奉行所で働くことになった。予想できないほどの迫力のある女性のお奉行様の下、謎に立ち向かう。
    主人公が江戸に入ることになったこと自体が、謎に関係していることも後から知る。
    読後感は「スゴイ!よくこんな設定を思いついて、物語をつくりあげたなぁ」と西條さんに脱帽。衝撃的だった。

  • 現代の日本のから独立した「江戸国」
    長崎奉行所の極悪お奉行ゴメスやその手下たちの
    大活躍☆

    「金春屋ゴメス」シリーズ第二弾

    江戸発の阿片が?というところから始まるお話し
    劇画チックなキャラも、ますます面白い。
    続編待ってます!

  • 金春屋ゴメス、1作目は正直面白いとおもわなかった、というか、さきに西條作品のふつうの江戸舞台のものを読んで気に入ってしまってたから、なぜこんな突飛な(現代社会に人工的に再建された設定の江戸)という舞台にしたのか受け入れられなかった感なんだけど、2作目で、そうかこれはジャンプ的に読めばいいんだと思ったらがぜん面白かった。ワンピースやブリーチに出て来るキャラなら、有り得ない、いままでにないキャラほどわくわくするから、ゴメスもそういう存在だとおもえば、とても脳内劇場で劇画的におもしろかった。でもせっかく女性という設定なんだから、そこがもうちょっとキャラに生かされてほしいけどなあ。流人島の設定や、怪しい男丈吉が終盤絡んで正体が剥がされていくかんじも、悪役の下衆っぷりも、救出劇もとてもハラハラ感があってよかった。こういうの、女流作家で珍しいなあ。男の人が描く世界というかんじがする。
    なんだか、印西なんちゃらという黒幕がでてきたから、金春屋シリーズはこの先もあるんだろうし、つぎはぜひぜひ期待して読みたい。こういう、独自の別世界のなかで織なされる冒険譚みたいなの、だいすき。
    あと芥子の花から阿片を採取するの、どこかでいつかみてみたいなあ。ああいうふうに精製されることと、花がこんなに美しいことを、今回調べてはじめて知った。育てちゃいけない花だからこそなおさら見てみたいなぁ。むかしのひとはどうしてそれに麻薬成分があることに気づいたんだろうね。大変興味深いし勉強になった。

  • 辰次郎が逞しくなって帰って来た。

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著者プロフィール

1964年北海道生まれ。2005年『金春屋ゴメス』で第17回日本ファンタジーノベル大賞を受賞し、デビュー。12年『涅槃の雪』で第18回中山義秀文学賞、15年『まるまるの毬』で第36回吉川英治文学新人賞、21年『心淋し川』で第164回直木賞を受賞。著書に『九十九藤』『ごんたくれ』『猫の傀儡』『銀杏手ならい』『無暁の鈴』『曲亭の家』『秋葉原先留交番ゆうれい付き』『隠居すごろく』など多数。

「2023年 『隠居おてだま』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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