向日葵の咲かない夏

  • 新潮社
3.16
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本棚登録 : 1319
感想 : 278
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  • Amazon.co.jp ・本 (268ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103003311

感想・レビュー・書評

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  • あらすじとしては、小4のミチオが同級生のS君の死の真相に迫るミステリー作品だが、物語の一つの要素に、輪廻転生が組み込まれている。

    道尾秀介さんの代表作で、本タメのたくみさんが激推ししていたこともあり、読んでみた。(ソロモンの犬、Nに続き、3作目)
    ラスト、ミチオの背負う孤独、後悔、悲しみが読んでいて痛々しく、「伏線回収でスッキリ」という読後感とは対極。自分にはあまり刺さらず★2つ。

    ただ、章立てがかなり細かい為、長編苦手という人もは、長編を意識することなくわりとスラスラ読み進められると思う。

  • 子供が主人公だから読みやすいミステリーだと思っていたけれど全然違って普通のミステリーだった。最後にどんでん返しがあって凄かった!

  • 夏休み前最後の日、担任の岩村に頼まれて、学校を休んでいた同級生のS君の家へ宿題を届けることになったミチオ。S君の家の近くで、足が不自然な方向に曲げられ口に石鹸を咥えた猫の死体を発見する。さらにミチオは、S君の家で首を吊ったS君の死体も発見。急いで学校に戻って岩村に知らせるミチオ。その後、警察と共に現地に向かった岩村から、“S君の死体が無かった”事を知らされる。果たして誰が何のために?ミチオは幼い妹と共に真相解明に乗り出すが…

    サイコホラー、SFミステリ、本格ミステリ、イヤミス等色んなジャンル要素が入り混じったミステリ。中盤、ミチオと某人物が事件の真相について議論を交わし、二転三転する展開は本格ミステリの味わい深い。

    物語序盤からかなりの違和感を抱く場面があるし、早い段階で“前振り”があるので、終盤のどんでん返しにそこまで驚きは得られなかった。しかしながら、この斜め上を行く設定による異質な世界観。。。わかりにくくてモヤモヤする○○オチは万人受けしないだろうけど、著者の野心溢れる突飛な発想力には敬意を表したい。ある程度ミステリ(特に本格ミステリ)を読み込んでる読者向け。

    このミステリーがすごい! 17位
    本格ミステリ・ベスト10 9位
    SRの会ミステリーベスト10 9位

  • 道尾秀介さん、「N」がブクログメンバーの本棚で目にとまり、初めて著者に興味を持って、これを読んでみた。

    物語の発端は、さあ、夏休みだ、という7月20日。この暑い夏の始まりに登場人物みんながゆらいでいる。この不思議なゆらぎはとてもすんなり受け入れることができました。が、そこここにはさまるけっこうグロいエピソードがちょっとどうかなあ、という感じ。

    7月20日、終業式。4年生のぼくはこの日休んでいるS君の家に届け物を持って行くと、なんとS君は首をつっていた。いそいで学校に戻り先生に言い、警察がくるとなんと死体は無くなっていた。

    ぼくの家族もどこかおかしい。妹のミカばかりかわいがるお母さん、いまいち実態のないお父さん、どうやら部屋はゴミで散らかっている様子。そしてなんとその夜、首をつったはずのS君が部屋にいたのだ。しかもその姿は・・  とこれがなにかとてもすんなり受け入れてしまえる筆致なのだ。

    後ろの席のスミダさん、 何でも相談できるトコお婆さん、S君の向かいの家のお爺さん、担任の岩村先生、物語が進むにつれ皆が怪しくなってくる。そしてついに真相らしきものが明かされるのだが・・


    2004年「背の眼」で第五回ホラーサスペンス大賞・特別賞を受賞しデビュー。本作は受賞後第一作の書き下ろし。

    2005.11.20発行 図書館

  • 個人的には結構面白く感じて、「今まで読んできたミステリーの中では一番かも?」と思ったりしたから評価が低いことにびっくり。「どうやらミステリーらしい」という薄ーい前情報しか持ってなかったのが良かったのかも。
    ストーリーが主人公目線で進むからこそのどんでん返し。
    人間が虫に生まれ変わってたり、その虫が話せたり、トコお婆さんという謎人物がが気味悪い呪文を唱えたり、お母さんのミカ(主人公の妹)への接し方だったり…
    最後の最後で、自分の持ってた違和感は間違ってなかったんだ!ってちょっと安心した これからこの本読もうっていう人はまっさらな状態で読んだ方が絶対楽しめると思います!(ここまで読んじゃってたらもう手遅れ)

  • かなりブラックホラーなミステリーでした。初めのうちは何しろ小4の男の子が主人公の話でテンポよく展開して行くので面白おかしく読み進めていくうちに何だか調子が変化してきて、思わぬ方向にどんどん旋回して行き最後はうすうす感じた結末が待っていた!私には好みじゃなかったけど、かなり読まれているので人気あるようですね。

  • 犬猫の足を折るというおぞましい事が多々出てくるし、小学校の教師のやばい性癖など、こんな話が書ける作者の事が心配になってくるけど、ストーリーとしてはよく出来てて面白かった。

    夢に出てくるくらいリアルなので、読む時は心してどうぞ。

  • なんとも不思議なそして不穏な気持ち悪さが漂う作品だった。違和感残しながら読み進めた。最後は唸った。いろいろと混乱したけれど面白かった。

  • 割と早い段階で「えっ!?こんな話!?」ってなるし、その「えっ!?」が最後までずっと続く。何なら読み終わってからも鼻腔の奥辺りに違和感として残り続ける。理屈っぽい台詞回しや文体もこの厭な「残り香」にさらに拍車をかけていて、唯一無二な作品なのかも。

  • オススメミステリーとかで何度か目にしていたので読んでましたが、後味わっる。

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著者プロフィール

1975年生まれ。2004年『背の眼』で「ホラーサスペンス大賞特別賞」を受賞し、作家デビュー。同年刊行の『向日葵の咲かない夏』が100万部超えのベストセラーとなる。07年『シャドウ』で「本格ミステリー大賞」、09年『カラスの親指』で「日本推理作家協会賞」、10年『龍神の雨』で「大藪春彦賞」、同年『光媒の花』で「山本周五郎賞」を受賞する。11年『月と蟹』が、史上初の5連続候補を経ての「直木賞」を受賞した。その他著書に、『鬼の跫音』『球体の蛇』『スタフ』『サーモン・キャッチャー the Novel』『満月の泥枕』『風神の手』『N』『カエルの小指』『いけない』『きこえる』等がある。

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