向日葵の咲かない夏

著者 :
  • 新潮社
3.14
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本棚登録 : 1238
感想 : 262
  • Amazon.co.jp ・本 (268ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103003311

感想・レビュー・書評

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  • あらすじとしては、小4のミチオが同級生のS君の死の真相に迫るミステリー作品だが、物語の一つの要素に、輪廻転生が組み込まれている。

    道尾秀介さんの代表作で、本タメのたくみさんが激推ししていたこともあり、読んでみた。(ソロモンの犬、Nに続き、3作目)
    ラスト、ミチオの背負う孤独、後悔、悲しみが読んでいて痛々しく、「伏線回収でスッキリ」という読後感とは対極。自分にはあまり刺さらず★2つ。

    ただ、章立てがかなり細かい為、長編苦手という人もは、長編を意識することなくわりとスラスラ読み進められると思う。

  • 個人的には結構面白く感じて、「今まで読んできたミステリーの中では一番かも?」と思ったりしたから評価が低いことにびっくり。「どうやらミステリーらしい」という薄ーい前情報しか持ってなかったのが良かったのかも。
    ストーリーが主人公目線で進むからこそのどんでん返し。
    人間が虫に生まれ変わってたり、その虫が話せたり、トコお婆さんという謎人物がが気味悪い呪文を唱えたり、お母さんのミカ(主人公の妹)への接し方だったり…
    最後の最後で、自分の持ってた違和感は間違ってなかったんだ!ってちょっと安心した これからこの本読もうっていう人はまっさらな状態で読んだ方が絶対楽しめると思います!(ここまで読んじゃってたらもう手遅れ)

  • かなりブラックホラーなミステリーでした。初めのうちは何しろ小4の男の子が主人公の話でテンポよく展開して行くので面白おかしく読み進めていくうちに何だか調子が変化してきて、思わぬ方向にどんどん旋回して行き最後はうすうす感じた結末が待っていた!私には好みじゃなかったけど、かなり読まれているので人気あるようですね。

  • 頭の中がパニック!!!
    えーっと、S君とかミカとの会話はミチオの妄想なの?それとも本当に会話してるの?
    えーっと、えーっと…
    どういう事なのーーー!!
    なぜS君は名前が無いの?
    ミチオもミカもスミダさんもなぜ名前がカタカナなの?謎が解けなかった…

    ゾワッ!
    ヒィ〜!
    えーー?
    の連続でぐったり疲れた。

    何度もゾワッとさせられた…

  •  うーん・・・。道尾秀介さすがだなぁと思う反面、なんだかなぁ。という感じも。

     小学生のミチオの物語。夏休みに入る終業式の日、クラスメイトのS君が学校を休んだのでミチオが届け物をすることになり、S君の家に寄るとそこにはS君の首つり死体が。学校に戻り、先生に報告し、先生と警察がS君の家に行くとあったはずの死体が消えていて・・・。
     ミチオと妹のミカが家にいると、亡くなったはずのS君の声が聞こえてきて、その声の主はなんと蜘蛛。S君が言うには自分は担任に殺され、死体を隠されたと。そこで自分の死体を見つけてほしいとお願いされ、ミチオは死体を探すために奔走するわけだが・・・。

     いろいろな登場人物が出てきて誰もが怪しく思え、物語は二転三転していく。そして登場人物に違和感を覚えるのだが、そこは、やはりそうか!という感じ。
     物語自体は面白く読ませるのだが、それにしても小学生であるミチオがこういう考え方や話し方をできるか?と疑問に感じることも多く、また、やはり最後がイマイチすっきりしないので☆3つ。それにしても最近道尾秀介ばかり読んでるな。

  • 9才のミチオくん。
    学校を休んだS君のためにプリントを届けにいくと、S君は首をつって死んでいた。だが警察がきたときには死体が消えていた。
    ミチオくんは街の住民に話しを聞いたりして、事件の手がかりにせまっていく。

    本の帯に書かれていた
    「物語を作るってこういうことさ!」に、いたく感銘をうけた。
    物語を作るって、こういうことね。
    正義も狂気もはちきれそうなほど内に秘めている暗い子どもの話は嫌いじゃない。

    2015.7再読

  • うおお…このタイトルでベストセラーだというから、何か感動モノを予想して読んでしまった…。むしろ何故そう思った私…。
    よもやこんな(わりと好みの)ブラックサイコ系ミステリとは…。
    うん…こんな主人公好きだけども。今後も活躍してくれそう。
    しかしおもちゃかなー別人格かなーもしくは猫かなーと思っていたら…いやー瓶大好きですね!

  • ミステリとしてはアンフェアだと思いました。ただ、主人公の持つ狂気や心の歪みが凄まじく、ホラーかダークファンタジーの作品と考えれば納得できそうな気がします。終盤の展開はスピード感とインパクトがあり、忘れたくても忘れられない、といった印象を残す作品でした。

  • 最近どろっとした部分が薄くなってきた道尾作品の初期を再読。
    昔読んだ時は気持ち悪さしか残らなかったけど、今回は中々面白く読めた。ミチオ君、壊れちゃわずにちゃんと大人になれたんだね。
    S君はイジメられてたのに、ミチオ君がフツウに学校生活を送れていたのがちょっと不思議。ゴミ屋敷住まいで、いつもビン持って、ブツブツ言って、親もあんなカンジで、絶対イジメられそうなカンジなのに。

  • 「練りに練った叙述トリックを、ラストにスッキリ種明かし」というのが、著者の作品に対するイメージですが、今作にはその辺りを感じられませんでした。

    確かに、大きなトリックには驚かされた部分はあるものの、主人公の世界観を善悪の善として受け入れられないと、ミステリーに成り得ないように思えてしまいました。
    ラスト3ページがなければ、まだ主人公を受け入れられたのですが。

    一気読みさせる程に引き込まれるものの、読後に残念さが残ってしまう難しい作品でした。

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著者プロフィール

2004年『背の眼』でホラーサスペンス大賞特別賞を受賞し作家デビュー。同年刊行の『向日葵の咲かない夏』がベストセラーとなり、以後、『シャドウ』で本格ミステリー大賞、『カラスの親指』で日本推理作家協会賞、『龍神の雨』で大藪春彦賞、『光媒の花』で山本周五郎賞、『月と蟹』で直木賞を受賞。累計部数は700万部に迫る。

「2022年 『DETECTIVE X CASE FILE #1 御仏の殺人』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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