向日葵の咲かない夏

著者 :
  • 新潮社
3.16
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本棚登録 : 1268
感想 : 268
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  • Amazon.co.jp ・本 (268ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103003311

感想・レビュー・書評

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  • 個人的には結構面白く感じて、「今まで読んできたミステリーの中では一番かも?」と思ったりしたから評価が低いことにびっくり。「どうやらミステリーらしい」という薄ーい前情報しか持ってなかったのが良かったのかも。
    ストーリーが主人公目線で進むからこそのどんでん返し。
    人間が虫に生まれ変わってたり、その虫が話せたり、トコお婆さんという謎人物がが気味悪い呪文を唱えたり、お母さんのミカ(主人公の妹)への接し方だったり…
    最後の最後で、自分の持ってた違和感は間違ってなかったんだ!ってちょっと安心した これからこの本読もうっていう人はまっさらな状態で読んだ方が絶対楽しめると思います!(ここまで読んじゃってたらもう手遅れ)

  • 残酷なシーンがあるのかと心構えをしていたが、そこまで酷い描写はなくずっと面白いまま読み終えることができた。
    ミチオが最初から怪しげで妹もS君もトコお婆さんもミチオが手にかけたのかと思ってしまった。あと、ただ演劇が嫌というだけでS君に死んでくれと言ったところはゾッとした。完全なるサイコパスではないか。
    お爺さんはミチオに殺されているのに、カマドウマに生まれ変わって、いや〜面目ないとか言ってみんなで笑い合っているのは不思議とハッピーエンド感がある。
    生まれ変わりの人たちは全てミチオの頭の中の出来事なので都合の良いように物語を組み立てているだけなのだけど。
    事件の真相が明かされているのに、残りのページ数がまだある時、これは、もうひと展開するのでは!?とワクワクする。

  • うおお…このタイトルでベストセラーだというから、何か感動モノを予想して読んでしまった…。むしろ何故そう思った私…。
    よもやこんな(わりと好みの)ブラックサイコ系ミステリとは…。
    うん…こんな主人公好きだけども。今後も活躍してくれそう。
    しかしおもちゃかなー別人格かなーもしくは猫かなーと思っていたら…いやー瓶大好きですね!

  • 最近どろっとした部分が薄くなってきた道尾作品の初期を再読。
    昔読んだ時は気持ち悪さしか残らなかったけど、今回は中々面白く読めた。ミチオ君、壊れちゃわずにちゃんと大人になれたんだね。
    S君はイジメられてたのに、ミチオ君がフツウに学校生活を送れていたのがちょっと不思議。ゴミ屋敷住まいで、いつもビン持って、ブツブツ言って、親もあんなカンジで、絶対イジメられそうなカンジなのに。

  • 二度と読みたいとは思わないけれど、面白かった。

    どうしても描写に耐えられなくなるところはあった。
    それでも読み進めてしまったのは事件の真実が二転三転して予想外のほうへ展開していく秀逸さだろうか。

    これを読み終えた直後に眠ることはおすすめしない。

  • もう一度読みたくなるけど気力が出ない、そんな読後感。ミカに関してはなんとなくわかっていたけど、とことんまで物語を作り上げているところに、事件そのものよりもずっと闇があると思った。

  • 伏線回収というレベルじゃないくらい、いろいろなことが起きて頭が混乱します。整理するために積読したいです。人間的な怖さがあります。「嘘」がキーワードになるかなと思っています。

  • 作品解説(帯より):明日から夏みという終業式の日、小学校を休んだS君の家に寄った僕は、彼が家の中で首を吊っているのを発見する。慌てて学校に戻り、先生が警察と一緒に駆け付けてみると、なぜか死体は消えていた。「嘘じゃない。確かに見たんだ!」混乱する僕の前に、今度はS君の生まれ変わりと称するモノが現れ、訴えた。 ――僕は、殺されたんだ。 半信半疑のまま、僕と妹・ミカはS君に言われるままに、真相を探る調査を開始した。 分類不能、説明不可、ネタバレ厳禁! 超絶・不条理ミステリ…でも、ロジカル。

     「お母さんね、先生から連絡がきてS君のことを聞いたとき、思ったのよ『お前が□□□□□□□』って」のような、一見わかりそうでわからない謎がいくつも散りばめられており、読み始めると続きが気になる作品。
     帯の謳い文句にもにもあるように、数十ページ読み進むと、数々の不条理さに読み手の気持ちを揺さぶるが、勘の良い人ならすぐに謎が解けるだろう。不条理だが確かにロジカルで、デビュー作がこの作品だったならホラーサスペンス大賞を受賞できていたのではないだろうか。
     前作「背の眼」と比べると、不要な説明がなくスマートな仕上がりになっているのも良い。次回作も期待できる作家。

  • いやー、道尾さんの作品にはいつも驚かされる。
    映画では、絶対にできない、本であるからこそのストーリーが素晴らしいと思う。

  • 道尾秀介さんのプロフィールか何かで都筑道夫さんから名前を頂戴だったか参照したとか書かれてたので「アレッ、シブイなこの人」って興味もって初読が5~6年前。当時ビデオかなんかで「黒い家」を観たばっかりだったのでイントロがかぶった印象があった。都筑道夫崇拝だったらどんなにストーリーが外れても正調謎解きですべて
    ・・論理のアクロバット・・使って解決って途中まで読んだ。
    作者自身が「文章には昔から自信がある」と述べられてたのも絶対に納得。
    この人の文章力だったら「日本一の文筆力だぁ」って言っても向かっていく人少ないカモ。
    道尾ワールドのとりこになった一人です。紹介して読んだ人全員「ん~~~ん・・スゴイねこの作家」って・・・。
    ガキからジジババまですべてにオススメ。

著者プロフィール

1975年生まれ。2004年『背の眼』で「ホラーサスペンス大賞特別賞」を受賞し、作家デビュー。同年刊行の『向日葵の咲かない夏』が100万部超えのベストセラーとなる。07年『シャドウ』で「本格ミステリー大賞」、09年『カラスの親指』で「日本推理作家協会賞」、10年『龍神の雨』で「大藪春彦賞」、同年『光媒の花』で「山本周五郎賞」を受賞する。11年『月と蟹』が、史上初の5連続候補を経ての「直木賞」を受賞した。その他著書に、『鬼の跫音』『球体の蛇』『スタフ』『サーモン・キャッチャー the Novel』『満月の泥枕』『風神の手』『N』『カエルの小指』『いけない』『きこえる』等がある。

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