(霊媒の話より)題未定: 安部公房初期短編集

著者 :
  • 新潮社
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感想 : 23
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  • Amazon.co.jp ・本 (294ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103008118

感想・レビュー・書評

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  • 凝縮された安部公房。久々にがっつりときめきました。
    何周もしてるのにずっと飽きない安部公房。
    「天使」は新潮でも読んだけど一番安部公房っぽいな。
    「終わりし道の~」とかも読んでる人には意外性はあまりないかもしれないけど、安部公房の二面性(あとがきによると。私は二面性とは思わないが)が楽しめる作品集。
    「第一の手紙~第四の手紙」が一番よかったな。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「久々にがっつりときめきました。」
      読みたい、、、
      「久々にがっつりときめきました。」
      読みたい、、、
      2013/03/28
    • 美希さん
      >nyancomaruさん☆

      安部公房好きなら読むべきです!
      図書館で借りたんですが、購入も検討しています。
      >nyancomaruさん☆

      安部公房好きなら読むべきです!
      図書館で借りたんですが、購入も検討しています。
      2013/03/29
  • 気に入ったのは虚妄、題未定、鵜沼。

    恋人関係寸前の男女が登場人物として出てくることも多い。 しかしどこか片方(特に男性側)は独りよがりで、共感性に乏しく、同時に残酷さ、未成熟な攻撃性さを持っている。
    この未成熟な攻撃性や独りよがりさは他の短編の登場人物も然りであって、共感的な他者(家族や女性)を傷付ける。
    そして救済はなく、独りよがりなまま傷付いた(傷付けた)者が残る。
    この短編集に出てくる人物達は「会話」をしない。会話に見えるのは「独り言」であって、感情の共有は一切なされていない。まさに未熟なモノローグ、未成熟な攻撃性に支配されていると言える。
    楽しい物語では無い。

  • クロッキーでもない、荒く描いたデッサンでもない。
    安部公房であり、安部公房でない。
    観察される側から観察する側へ、外側の世界から内側に、安部公房らしくなさが安部公房に、いつの間にか、薄皮一枚でべろりと、あっという間に反転する様は以降の作品に同じ。
    この時代はまだ小脳レベルで書くには至っていなかったのかな、それでも、彼にとっては。

  • 恥ずかしながら初めてちゃんと読んだ安部公房。
    ギャフン。
    「タバコをやめる方法」読みたい。
    「死に急ぐ鯨たち」に入ってるのか。ふむ。

著者プロフィール

安部公房
大正十三(一九二四)年、東京に生まれる。少年期を旧満州の奉天(現在の藩陽)で過ごす。昭和二十三(一九四八)年、東京大学医学部卒業。同二十六年『壁』で芥川賞受賞。『砂の女』で読売文学賞、戯曲『友達』で谷崎賞受賞。その他の主著に『燃えつきた地図』『内なる辺境』『箱男』『方舟さくら丸』など。平成五(一九九三)年没。

「2019年 『内なる辺境/都市への回路』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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