安部公房写真集 PHOTOWORKS BY KOBO ABE

  • 新潮社 (2024年8月9日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (136ページ) / ISBN・EAN: 9784103008125

作品紹介・あらすじ

日本が誇る世界的作家は、卓越した写真家でもあった。初の本格的写真集。『箱男』『砂の女』『燃えつきた地図』……今なお読まれ続ける多くの先駆的・前衛的作品を書き遺した作家。その傍らにはいつもカメラがあった。小説に取り入れられたカットをはじめ、都市に生きる孤独や不安を撮った多くの作品群から厳選、現代写真家としての足跡を明らかにする、ファン必携の写真集。生誕100年記念出版。

感想・レビュー・書評

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  • 安部公房の新潮文庫版を複数持っているが、カバーに使われている写真が放つ独特の印象にひかれていた。写真集はあるかと期待したがなかったので諦めていたが今回発売されると聞きすぐに購入した。
    少しボリュームが少ないように思うが、数少ない写真集なので好きな人は買う価値はあるように思う。

  • とうとう買ってしまった。
    ファンてふものの悲しさよ。/

    「自転車を押すホームレス」:
    本書のタイトルを一瞬取り違えた。
    「箱男写真集」と。
    それほどまでに「箱男」風の写真が多い。
    その代表がこの写真だ。
    ホームレスが所帯道具一式を積み込んだ自転車を押している。
    たぶん、箱を被っていない箱男もいるに違いない。
    彼らの匿名性や風景への擬態は、箱男に固有のものだ。
    男の顔は陰になっていて見えない。
    低く背を屈めて自転車に寄り添う姿は、まるで自転車の影になろうとしているかのようだ。/

    「歪んだ家」:
    凸面鏡に映った家は、崩壊寸前のアッシャー家のように大きく歪んでいる。
    あるいは、燃えはじめる前のように、とんがり屋根はすでに揺らぎはじめている。/

    「黒い鳥」:
    これってカラスだろうか?
    大鴉?それとも、夜鷹?/

    「フェンダー・ミラーに映るアパート」:
    いったい、男は誰を監視しているのだろうか?
    やはり、「レモン色のカーテン」の部屋だろうか?
    だが、そもそも彼女は依頼人のはずだ。
    いったいなぜ?/

    「タクシーの群れ」:
    夜、客待ちのタクシーの群れ。
    場末のいかがわしい喫茶店。/

    「ダンボール」:
    駅の地下通路の壁際に、壁に沿って置かれた一枚のダンボール。
    まるで、断固として所有権を主張しているかのように、頭とおぼしき辺りには新聞数紙に雑誌、枕のようなものや、缶ジュースなどが置かれている。
    どうやら、箱男の棲家らしい。/

    「新聞紙にくるまって寝ている男」:
    降りたシャッターの前で、新聞紙にくるまって寝ている男。
    これじゃあ、まるでミノムシだ。
    それにしても、箱は何処へやったんだろう?/

    「殺害現場」:
    スナックか何かの飲食店の床に、人相の悪い中年の男が首を左に傾げ、右手で左肘を押さえて横たわっている。
    やばいのは、男の体の下から大きく広がっている黒い染みだ。
    血だ!
    裸足にサンダルという履き物から見て、ヤクザの出入りか?
    だが、なぜ、こんな所に安部公房が?/

    「股の下からの雑踏」:
    白と黒の二体の裸のマネキンが脚を広げて、店の外を向いて立っている。
    黒のマネキンの股の下から駅の雑踏が見える。新宿?/

    「緊縛!」:
    切り株で作った高層ポックリのようなものを履いた超ミニの女。
    女の脚はむっちり感がいや増すように紐で緊縛されている。
    「団鬼六 緊縛卍責め」!。/

    「お仕事部屋」:
    笑い出したくなるほど、とっ散らかった部屋。
    何も書いてないが、勝手に安部公房のお仕事部屋と認定する。(たしかに、以前どこかで見た記憶が…。ひょっとすると、芸術新潮の「わたしたちには安部公房が必要だ」あたりかも。)
    中央の机上に照明スタンド二脚。
    真っ先に目に留まったのが、左手の壁に掛けられたカフカの肖像画のような絵。
    なんだか、笑いが止まらない。
    片付けられない症候群?ADHD?
    卓抜な発想も湧けば、色とりどりの虫も湧く。
    絶対に、ゴキブリの二、三十匹はいる!
    この写真、落ち込んだとき用にとっておきたいので、本書は永久保存版だ!/

    「箱女?」:
    ぱんぱんにふくらんだ紙袋を二つぶら下げて、歩いて行く女の後ろ姿。
    頭には帽子を被っており、顔は分からないが、肩の線から断然女。

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著者プロフィール

安部公房
大正十三(一九二四)年、東京に生まれる。少年期を旧満州の奉天(現在の藩陽)で過ごす。昭和二十三(一九四八)年、東京大学医学部卒業。同二十六年『壁』で芥川賞受賞。『砂の女』で読売文学賞、戯曲『友達』で谷崎賞受賞。その他の主著に『燃えつきた地図』『内なる辺境』『箱男』『方舟さくら丸』など。平成五(一九九三)年没。

「2019年 『内なる辺境/都市への回路』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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