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Amazon.co.jp ・本 (288ページ) / ISBN・EAN: 9784103014317
みんなの感想まとめ
多様な言葉が交錯するこの作品は、現代のさまざまな文化や人々の声を直球で捉えています。詩や俳句、ヒップホップのリリック、さらには暴走族の文化や日常の独語まで、幅広いテーマが取り上げられ、読者に新たな視点...
感想・レビュー・書評
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なんかとにかく過激な言葉の羅列。
あとがきに変えてでは、相田みつお美術館訪問記が書かれているが、そこで指摘されていることに納得。
相田みつをは、一番訪問者の多い美術館であるにもかかわらず、プロの詩人や文芸評論家は、なぜか彼を無視する。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
p.2006/9/26
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詩人の書いた詩なんて前に読んだのはいつだったろう。しかし巷にはエッジの言葉が溢れている。とても面白かった。
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詩歌
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寝たきり老人の独語から暴走族の特攻服、エミネムから相田みつをまで―言葉の直球勝負17本。(アマゾン紹介文)
第一章 痴呆系
第三章 此花開耶姫の末裔たち
第六章 玉木宏の話芸
…は、面白かったです。
そのほか、第四章(池袋母子餓死日記)第五章(死刑囚の俳句)も興味深く読みました。
ただ、作者の方の「権威」嫌いが始終鼻につき、自分には合わないと感じました。 -
都築響一らしい、マイナーにしてメジャーなもののドキュメント。
彼は、やはり言葉の人間なのだろう。徹底して強度の高いリアルな、それでいて見過ごされている言葉をフックアップする。その姿勢は孤高だし、編集者として学ぶべきだ。
ただ、『ヒップホップの詩人たち』でも感じたことだが、例えばラップは音楽を聴かないと、その固有の魅力はわからないものだ(仮にアカペラだとしても)。玉木宏も、見世物小屋の呼び込みもそうだ。だから、言葉だけ書き出してもどうしても響かない。少なくとも俺には。やはり詩とは文章だけの力をもっているもので、だからこそ独自の表現が備わったのではないのか? 詩自体に肉声がこもったものだ。
そう考えると、ここに本当の現代詩と言えるものがどれだけあるか。
この認識をベースに、以下、箇条書き。
玉木宏「しゃべりの間ややりとりは、古典落語を学んでいないとおしまい」
餓死の節は辛くて読めない。これは詩だろうか?
暴走族のフレーズも、基本的には使い回しの常套句がほとんどのはずだ。ただ、「発表の場がリアルにちかいほど表現のリアリティは強度を増す」というのは、なるほど金言。
ボケてしまっている人やワープロの誤変換(これは時代の制約かもしれないが)、障害者の言葉は正直なんとも思わない。それは理を失ってしまった後のただの記号の垂れ流しではないか。ルールのない世界には何の芸術も生まれない。
ネットのエロ事師では、最後に紹介されるまさにビートそのものの煽りが素晴らしい。
相田みつお美術館レポートは都築響一らしさ全開だが、やはり相田みつおの詩にはまったく価値を見いだせない。同じく、説教系や訳知り顔の理屈臭い詩も同様だ。
この人は、着眼点は良いが、おそらく言葉の問題を切り取るのは相当難しい。ヒップホップの詩人たちでも光っていたのは各自の人生の振り返りである。スナックなどは良いだろう。要は、言語人として都築響一が筆をふるう仕事が一番良い。
それがよく分かるのは、最後のダースレイダーの章だろう。
彼のリリックの紹介は、読み飛ばすほどに退屈だ。
だが、彼の思想を語るシーンは非常に知的好奇心を煽る。即時的なやり取りから生まれる思わぬ言葉が強い力と意味を持って、日常に規定された言葉を突き破る。これはまさに詩の一手法だから。
さて、最も素晴らしいと思った詩は、友原康博氏の次の詩だ。彼は統合失調症だが、そこには、理屈をある程度保持する病だからこその、詩として成立するギリギリのラインがある。希求。
「母の質」
母の質
いつもいらいらしている母の質
私は母のいらいらを厳しく知る
それが私を悩まし
私をそくばくしようとしている
だから涙が自然と流れ
あわれみを感じる私の心なのだ
だから私も母の気持ちを理解してやらねば
ますます暴れ乱れ
父をえいきょうしてしまう
だから私がしっかりと母の姿を見ることによって
母は母らしくなり
家庭はえんまんになって
一日一日うれしい家ぞくとなって
去るのだ
だから一日も早く
母をいらいらささないように
心をつめている
私が生命をたちきるのである
私はそれを実行してゆき
母の質をもっともっとわからなければならない
それが母を神経質にさせることがなくなって行く
母の表情にも母らしい愛情がわいてくるではないか
私はそれを早く実行して行き
やさしい家庭となって
やさしい心をもやしてやり抜きたい
私はいつまでも考えているのだ
だから母が殴ってもけっても
決して抵抗しない人格を作って行き
すべて母と言う質をもっともやし
流れるリズムを作って
人生の個性をはっきりと写していけば
これだけ嬉しい物ではない
だからすべての恐怖を
かいけつしていかなければならない
主体がのしかかってくるのだ
だから家庭をもりかえして行きつづける行為を
無視してはならないことを
私はじ覚し
母の乱れを早くみつけ出して
母をきっと
やさしくしてあげたい -
最高にシュールでロック、そして時に叙情的でもある現代の「生きた」言葉たち。
脱力系かと思えば、手が切れそうな叫びもあり、かと思えばロマンチックなものもあったりして、言葉の振れ幅が大きすぎてのけ反る。
とりとめのない言葉たちをまとめる筆者の腕は都会的で、なるほど元雑誌編集者というのが頷ける。けれども、読んでいるとなぜか少し感傷的な気分にもなってしまった。
この本に収められているのは、いわゆる言葉に関してはプロではない人たちのものがほとんどだ(例外もある)。それらの言葉は妙に生々しく、それゆえに、現代という時代の刹那性を感じてしまうのである。
彼らの言葉は瞬間的には非常に深いのだが、ざっくりと切られても深手には至らない。そんな感じ。
とても面白く読んだが、おそらく、これらの言葉を私が思い出すことはないだろう……時を耐えうる言葉とは何か、ということを考えるいい機会となる本だった。 -
詩が好きだ。詩集も何冊も持っている。
でも同時代の「現代詩」のあのカンジ。理解出来ないししようとも思えない、カッコつけの、白々しいあのカンジがどうにも(なんか違うんだよな……でも私って詩が好きだったはずだよな……)とモヤモヤしていたところ、これだ。これです都築さん。
詩の形をしていなくても、詩になっている。
誰かの考えた事が、詩となって溢れ零れている。
都築さんが彼方此方で拾い集めたそんな路傍の現代詩。言葉とはなんて面白いんだろう。
特に良かったものを目次から。
痴呆系 あるいは胡桃の城の山頭火/点取占い あるいはショウユ味のシュールレアリスム/池袋母子餓死日記 あるいは遺書という暗楽詩/死刑囚の俳句 あるいは塀の中の芭蕉たち/玉置宏の話芸 あるいは分速360字のトーキング・ポエトリー/32種類の『夢は夜ひらく』 あるいは無限連鎖のモノローグ
この目次も、詩になっている。 -
生で素材そのままの言葉があふれていて圧倒される。
人の間を流通して平坦に分かりやすいようにならされた刺激的な言葉ではなく
身から生まれたままのムキダシの言葉は、誰のものにも似ていない。 -
7年前の刊行当時に新聞書評で見かけ、読みたいと思いつつそのままになっていた本書にようやくたどり着いた。書評にどう取り上げられていたのかはもう記憶が曖昧で、特攻服の刺繍の文言について書かれていたような、それが面白く思えて読もうと思ったような、というくらいにしか覚えていない。そういう”軽い”読み物のつもりでいたところが、案に相違した、という具合。
第3章までは、「なんだ”VOW”だったのか」と少し残念な気持ちで読んでいたが、第4章の池袋母子餓死日記、第5章の死刑囚の俳句には、頭を殴られたような衝撃を受けた。
採録された、権威主義的な文壇・詩壇から評価されることはないプリミティブな”言葉”の数々、一読に値する本でした。 -
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衝撃的かつ、感覚を刺激される現代詩について紹介されたある種芸術本ともとれる作品。どの章も面白かったけど、介護老人のうわごと、語りのところがずば抜けて面白かった。
酔った時、誰に宛てたわけでもないメールの内容が、ぶっ飛んでることがたまにある。こういう思考部分に実は人間の隠された欲望とか、思考が埋め込まれてるんじゃないかと感じてならない。無意識の中の意識、これからの人生、すごーく重要だと思う。 -
2013/6/27購入
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この言語感覚って現代詩だよね、というものに光を当てていく。
痴呆老人のつぶやき、点取占いの言葉、死刑囚の俳句、玉置宏の演歌の前説、夢は夜ひらく、特攻服、現代のヒップホップ、精神病患者のクイズや詩、風俗店ホームページ、湯呑、見世物小屋の前口上など。
冗談半分のようでいて、人生が詰まっている。血の出るような言葉から、即興。昔懐かしの気分から、社会の病理まで、様々なものに思いを馳せられる、読者側の感情の振れ幅が大きい。 -
人の数だけ表現がある。
自分の思いを表現したいと思うのは、本能なのか、サガなのか。 -
死刑囚の俳句。玉置宏の話芸(七五調にぴたりと収まった歌謡曲の紹介)。32種類の夢は花開く(園まり子版藤圭子版三上寛版を聞き比べてみたくなる)。ヒップホップのリリック。ネット上のHサイト・スパムメール・いかがわしい店の呼び込み。湯飲みにかかれた説教詩。暴走族の特攻服の刺繍。あたりが、印象に残る。ふだんあまりまとまって語られることの少ない、現代のコトバたち。ダースレイダーのヒップホップはきいてみたくなる。「はねたハネタ」「今、そこにある危機」「Mild7」あたり。そして、終章は相田みつを美術館訪問記で締めくくられる。「だれもが愛しているのに、プロだけが愛さないもの。書くほうも、読むほうも「文学」だなんて思いもしないまま、文学が本来果たすべき役割を、黙って引き受けているもの。そして採集、保存すべき人たちがその責務をまるで果たさないから、いつものまにか消え去り、失われてしまうもの。」を拾いあげたという作者の思いを集約したように。食わずぎらいもどうかと思い、その足で、相田みつをの文庫を一冊買ってきたぐらいにして。
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普段何気なく目にしているものに対して、
関心を抱くきっかけを与えてくれた。
声に出して笑ってしまうようなものもちらほら。 -
この一冊に面白いことがぎっしりつまっていた。
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綴られるのは死刑囚の詠む俳句、痴呆老人の独語、暴走族の特攻服の刺繍、湯呑茶碗の説教詩、見世物小屋の口上など。
詩壇や文壇に怒りをぶつけつつ、ストリートから「リアルな言葉」を拾い集める著者の姿勢にいたく感心する。
ストリートの詩人としてヒップホップの在り方が丁寧に語られているが、そんなラディカルな言葉なんかよりも何より心惹かれたのは、歌謡ショーでの玉置宏さんの曲紹介であります。
活字化されたナレーションは読んでるだけでも心を鷲づかみされました。こういうのを、マスター・オブ・セレモニーと呼ぶのだ。 -
普段は目もくれない言葉たちを詩ととらえる着眼点はおもしろいなあと思ったのだけど、なんとなく押しつけがましく感じてしまって、あんまり素直に読むことができませんでした。五と七のリズムには言われてはじめて気がつきました。いちばん好きな言葉は「オムツの中が犯罪でいっぱいだ」
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死刑囚の俳句に衝撃を覚えた。
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