儚い羊たちの祝宴

著者 :
  • 新潮社
3.73
  • (220)
  • (423)
  • (374)
  • (56)
  • (8)
本棚登録 : 2169
レビュー : 434
  • Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103014720

作品紹介・あらすじ

ミステリの醍醐味と言えば、終盤のどんでん返し。中でも、「最後の一撃」と呼ばれる、ラストで鮮やかに真相を引っ繰り返す技は、短編の華であり至芸でもある。本書は、更にその上をいく、「ラスト一行の衝撃」に徹底的にこだわった連作集。古今東西、短編集は数あれど、収録作すべてがラスト一行で落ちるミステリは本書だけ。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • うわぁ~、後からじわじわ怖い。
    ラスト一行とまでは言わないけど、最後のオチは確かにゾクッと衝撃的。
    どれも見事な出来だと思うけど、「身内に不幸がありまして」と、こないだストーリー・セラーで読んだ「玉野五十鈴の誉れ」が特にいい。

    それにしても、旧名家だとかその御子女だなんて、ミステリー的にはおどろどろしい感じしかしませんな。
    「バベルの会」なんて、華麗なお嬢様方が古典を読んで優雅に談笑してるとは思えないんだけど、なんか禁断の魔術とか使ってそうなんだけど、と思っていたのだけど、最後の「儚い羊たちの晩餐」で、バベルの会の参加資格を知り、納得しました。

    アミルスタン羊は察したけど、雄は下々の食材だが雌は羊よりも味が良いとか、唇が良いとか、ほんと怖いよ。
    厨娘は中国の古典に元ネタがあるようで、何とも奥が深い。
    大寺鞠絵の手記、「わたしは」の後はどう続いたのか。

    程よい余韻が余計に怖いわ。
    おもしろかったです。

    • kwosaさん
      tiaraさん!

      >どれも見事な出来だと思うけど、「身内に不幸がありまして」と、こないだストーリー・セラーで読んだ「玉野五十鈴の誉れ」が特...
      tiaraさん!

      >どれも見事な出来だと思うけど、「身内に不幸がありまして」と、こないだストーリー・セラーで読んだ「玉野五十鈴の誉れ」が特にいい。

      わかります。
      僕もその二つが気に入っています。

      「どんでん返し」というよりも「最後の一撃」という方がしっくりくるオチの付け方。
      ラストに近づくにつれて厭な予感が膨らんでいき、最後にゾワッと。

      じわじわ怖いけど、やっぱりおもしろかったですよね。
      2013/08/31
    • tiaraさん
      kwosaさん

      ほんと真犯人とかトリックそのものではないところのオチが衝撃的でゾクゾク背筋にきますよね。
      嫌な終わり方ですけど、そのダーク...
      kwosaさん

      ほんと真犯人とかトリックそのものではないところのオチが衝撃的でゾクゾク背筋にきますよね。
      嫌な終わり方ですけど、そのダークさ加減がよかったです。

      「ボトルネック」や「インシテミル」から入ったので、最初の印象はそれほどでもなかったんです。
      でも「氷菓」を読んで面白いなーと思いました。
      他のも読んでみたいです。
      2013/09/01
  • 5話からなる短編集。
    『バベルの会』と言う大学の読書会が全話に登場するものの、それぞれは独立した話。
    どれも最後まで読むと『( ☉_☉)』みたいな感じになって(笑)すごく面白かった。
    個人的には『玉野五十鈴の誉れ』が一番好きかなー。

  • こういう本は嫌いじゃない。
    最初は不思議だな…と思い読み、あら…登場人物が…

    最後の方は
    「もしかして…」と鳥肌がたってしまった。

    話の運び方が巧いな…。
    さりげない言葉の遣い方が、すこぐ好き。
    言葉一つ一つが好き。
    わたし、この系の作品でもいけるんだな…と気がついた作品。

    『身内に不幸がありまして』は肝を抜かれそうになった。

    私が一番好きだったのは『玉野五十鈴の誉れ』かな。
    (一見ホッとする作品だけど、よく、よ~く考えると一番黒い…)
    だってさ、「赤子泣いても…」だよ。
    ゾッとしてしまいました。

    228ページ全文がすごく好き。
    なるほどな…と思った。これを伝えたかったのかな…。
    本が好きな人なら分かるだろうな、この感覚。

    もう一度最初から、読み返すと、きっともっと面白いと思う。
    もっとダークでも良かったかな。
    続編とかあればいいのにな。

    とても記憶に残る作品です。

  • 気になっていた作家、米澤穂信さん。1冊目にはシリーズもの以外をと思って選んだけれど。。。
    装丁そのままに、くろぐろと狂気が渦巻くダークな作品でした。。。

    博識に裏打ちされた(建物の描写など、知識のない私は辞典を駆使しないとわからなかった;;)端整な文体も、人や家が崩壊していくさまを冷え冷えと描く筆致もすばらしい。

    何が怖いって、表題作「儚い羊たちの祝宴」で、あの背筋も凍るような日記を読んだにもかかわらず、「ここはわたしの場所になるだろう」と、バベルの会の後継者になろうとしている、あの女学生が怖い!!!

    とても完成度が高い作品だと思うけど、本棚に置いておくと闇に飲み込まれそうなので、可及的速やかに、ブックオフに持っていこう。。。

  • 名士の子女が名を連ねる読書会「バベルの会」繋がりの短編集。
    何れの短編も物静かな怖さがそうっと背後から押し寄せてくる。
    この世界は現実なのか幻想なのか…どうか夢幻であってほしいと願いたくなる位ゾクゾクした。
    時代設定が古めかしいことも怖さを煽る。
    ひたひたと迫る得たいの知れない怖さ。もしかしてこれは…と予想しているとラストの一文で谷底に突き落とされる感じがクセになりそう。
    特に『玉野五十鈴の誉れ』の「始めちょろちょろ、中ぱっぱ。…」の歌が一番怖かった。暫くの間、あの歌を聴くと思い出しそう。
    久々に米澤さんの世界観を堪能できた。

  • 後味の悪さ。ぞわぞわ。それでもまた次を読みたくなる。

  • 初めての米澤作品。
    とても読みやすかった。
    久々に読書に夢中になれて嬉しかったなぁ。

  • 現実離れした世界に住む夢想家たちの狂気の集まる読書会「バベルの会」で繋がる連作短編…でいいのかな。
    古典文学や絵画の知識が深いともっと読み味わいも違うかも。
    うーん、作者らしい雰囲気で細かく描かれているのだが、なにせホラー感がちりばめられていて最後の表題になっている「儚い羊たちの祝宴」で凝縮される、自分にはそこが際立ってしまって「うーん…」という感じでした。
    (玉野五十鈴の誉れ)の最後の一文「始めチョロチョロ、中パッパ、赤子が泣いても蓋取るな」…うわあ!
    すごいんだけど満願よりも暗くなる

  • 米澤氏の作品の中で一番好き。
    全五話に漂う世界感と一文の破壊力は圧巻。

    身内に不幸がありまして ☆☆☆☆☆
    北の館の罪人 ☆☆☆☆
    山荘秘聞 ☆☆☆
    玉野五十鈴の誉れ ☆☆☆☆☆
    儚い羊たちの晩餐 ☆☆☆☆☆

  • *夢想家のお嬢様たちが集う読書サークル「バベルの会」。夏合宿の二日前、会員の丹山吹子の屋敷で惨劇が起こる。それは毎年繰り返され、四年目にはさらに凄惨な事件が。優雅な「バベルの会」をめぐる邪悪な五つの事件。甘美なまでの語り口が、ともすれば暗い微笑を誘い、最後に明かされる残酷なまでの真実が、脳髄を冷たく痺れさせる。米澤流暗黒ミステリの真骨頂*
    そこはかとなく暗く、優美に歪み、静かな狂気を孕んだ、なんとも言えない不気味さと気品を伴うミステリー。忘れた頃にもう一度この衝撃を味わいたい。

全434件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

米澤 穂信(よねざわ ほのぶ)
1978年、岐阜県生まれの小説家、推理作家。金沢大学文学部卒業。
大学在学中から、ネット小説サイト「汎夢殿(はんむでん)」を運営し、作品を発表。大学卒業後に岐阜県高山市で書店員として勤めながら、2001年『氷菓』で第5回角川学園小説大賞ヤングミステリー&ホラー部門奨励賞を受賞し、デビューに到る。同作は「古典部」シリーズとして大人気に。2011年『折れた竜骨』で第64回日本推理作家協会賞(長編および連作短編集部門)、2014年『満願』で第27回山本周五郎賞をそれぞれ受賞。『満願』は2018年にドラマ化された。直木賞候補にも度々名が挙がる。
その他代表作として週刊文春ミステリーベスト10・このミステリーがすごい!・ミステリが読みたい!各1位となった『王とサーカス』がある。2018年12月14日、集英社から新刊『本と鍵の季節』を刊行。

儚い羊たちの祝宴のその他の作品

米澤穂信の作品

儚い羊たちの祝宴に関連する談話室の質問

儚い羊たちの祝宴を本棚に登録しているひと

ツイートする