グ、ア、ム

  • 新潮社 (2008年6月27日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (160ページ) / ISBN・EAN: 9784103017721

みんなの感想まとめ

家族の微妙な関係性と成長を描いた物語は、姉妹の上下関係が年齢や社会的な価値観によって変化する様子を描写しています。コメディタッチで軽やかに進むストーリーには、読者を思わず笑わせるシーンが満載で、特に登...

感想・レビュー・書評

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  • 女三人。母、長女、次女でグアム旅行。
    真面目な次女は姉の気ままな生き方をどうしようもなく思っているし、長女はすべて自分の生まれた時代(ロスジェネ世代)のせいにしている。

    せっかくのグアムなのに台風のせいでずっと雨だし、姉妹は仲が良くない。これじゃおかんが可哀そうやろ、ということで姉妹はテンションを上げて仲良しなフリをする。

    最終日の朝、空はエメラルドブルーの快晴だった。
    けれど、次女が痛み止めだと思って飲んだのは睡眠剤でもう台無し。母は、曇天のほうが落ち着く、と言い出す始末。
    長女は眠ってしまった母と次女を驚かせるため、部屋中の時計を進めておくことにした。
    (そのころ、日本にいる父は、飼っていたうさぎが死んでしまったので新しいうさぎを入れ替えていた)

    ---------------------------------------

    素晴らしい喜劇。
    旅先で喧嘩してしまって散々な思い出になってしまいそうなところで、母親のために雰囲気を良くしようと気持ちを入れ替える姉妹だったけど、結局うまくいかない。ぜんぜん関係ないところで父親も意味不明な行動をしている。
    いかりや長介さんなら「だめだこりゃ」で締めるような終わり方。感動も感傷も後腐れも何もない感じがとてもよかった。

    新潟に残った父親のキャラクターが強烈で素晴らしかった。この人も旅行に行けば、もう少し雰囲気が良くなったか、もしくはもっと台無しになったかもしれない。
    面白会話とうさぎへの執着心。この喜劇のMVPは父親。父親へのお土産は小物入れ(ドングリ入れ)。

  • 母、姉、妹が女3人でグアム旅行に行く話。父は留守番。
    長女は・・・次女は・・・といった語り口で主要登場人物の名前は一切出てこないことが印象的。
    自分の現状をロストジェネレーションのせいにしてしまうワーキングプアな姉。そんな姉を反面教師に堅実すぎる人間となった妹。少市民で間の悪い母とすっとぼけている意味不明な感じの父。
    そんな家族の家族だからこその気まずさやダメっぷりさが笑えます。細かなところが面白い。
    でも、言いた事はよくわからないお話です。
    おもちが歴代続いていることが衝撃でした。

  •  本谷有希子の描く“痛い女”がやっぱり好き。
     JR総武線と丸ノ内線と神田川に喩えられる母親と娘2人のグアム旅行。なんでこうも噛み合わへんねや!!って一周回って笑えてくるくらい、間が悪い。兄弟姉妹の性格が真反対やったりするのは、やっぱり互いに一番意識し合う存在だからなのか。
     鼻に葬式んときにドングリ詰めてやる、「いかんともしがたい」という寝言、「生理うつしたおかんが悪い!」という宥め方、とかセンスありすぎる。

  • 幼い頃は年齢だけで「上」と「下」が決まるけど
    大人になり、職業や収入など社会的なものさしで
    見るようになると姉妹の上下の関係は危うくなる。
    小説と同じ家族構成なので、姉妹の微妙な空気感は
    なんとなくわかる気がする。

    インパクトは弱めだけど、コメディタッチでさらっと楽しく読める。
    読書灯のくだりと、お父さんのキャラクターが好き。

  • 8月にグアムに行ってからずっと読もう読もうと思って放置してた本。グアムの良さゼロ! 痛快すぎるほどにゼロ!
    さすが笑
    この本グアム旅行に持って行こうと思ってたんだけど、ちょうど文庫本でた頃だったし、でもやめてよかった。
    そしていま読んでよかった。曇天! 台風! 名前の出てこない不仲姉妹と母親の、グアム旅行記!!

  • 今度グアムに行くことになったので、積んでた本谷有希子のグ、ア、ムを読むことにしました。

    こ、これ読んだら多分グアム行かなくていいやってなるな?笑
    とてもリアルな感じの生々しい描写が上手いですね。本谷有希子は。書かれたのが結構前なので時代を感じたりもしますが。
    先日読んだ本当の旅も海外旅行行く話なので、ああいう感じになったらどうしよう?と思ったけどならなくてよかった。でも絶妙にうまくいかない人たちの話

  • おもしろかった!
    家族ってこんなもんだよね。
    ドロドロしすぎず、気取りすぎずな文章で好きだった。読後感もよかった。

  • んー

  • 北陸の方言と、昔はジャズバー今はスパでアルバイトをする二十五歳の姉、彼女を反面教師に生きる親不知を抜いた二十一歳の妹、間に挟まれた優しい母の三人旅行。彼や仕事絡みの旅行前も含めどこか惚けてカラッとした力まない魅力。理不尽に言い負かす姉と受ける妹の喧嘩に軋み、後の母を喜ばせようという団結が家族らしい。

  • 正反対の性格の姉妹とその母親の、3人のグアム珍道中。

    ことごとくぶつかる姉妹と、その間でおろおろする母親、疎外されている父親……と言うと深刻そうだが、終始コミカルにテンポよく進んでいく。姉妹も父母もありがちな人たちで、特別なことが起こるわけでもなく、どこかのお茶の間の光景を切り取ったかのよう。家族の名前を一切出さないのも、あえてどこにでもある話を狙ったからだろう。
    個人的には、初めての海外旅行がグアムだったし、数十年振りに昨年家族で行ったので、ブームが去って置き去りにされたようなくすんだグアムの描写には、うんうんと頷いてしまった。

    最近は、今村夏子を立て続けに読み、その息苦しいまでの特殊な世界にどっぷり浸っていたため、息継ぎに軽めのものを読みたくなり手に取った作品。印象に残るものではないが、気分転換にはちょうどよかったかな。
    そうそう、うさぎが秘かに代々続くのは、奇しくも今村夏子の『あひる』と同じ設定で驚いた。世界はまったく異なるけれど。

  • 母親、姉妹の3人旅。
    何も考えず好き勝手にやってる長女。
    堅実でちょっと神経質そうな妹。
    そんな娘たちを気にかける天然な母。我が家も似ている。
    最後、姉妹は楽しいフリをしてオカンを喜ばす。オカンは嬉しかっただろうね。
    それにしても、天気に、生理…こんなにも負のオーラに包まれてしまうとは…

  • 気まずい姉妹。
    姉妹というものは複雑なものを互いの胸のうちに秘めている。
    そうして、母親はどちらにも公平であろうと努力するが、常に何か報われない気分だ。
    努力はしばしば裏目に出るし。
    父親は、あ〜女って面倒くさいワ〜、関わらんとこ…と思いつつも、そこはかとない疎外感。

    (え?我が家の話?)

    どこまで行っても間の悪い、母と姉妹のグァム旅行。
    間が悪すぎて笑えてくる。
    多分、笑うところだろう。

    さて、グアム旅行は家族の絆を深めたか?

    結局、長女が考える、「総武線と丸ノ内線と神田川」どこまで行っても、この3人の相互乗り入れはないのだろう。
    ま、それもいいんじゃないですか?

  • 母、姉、妹の三人旅。
    テンポとコミカル具合が流石劇作家という感じ。
    自分の母、姉と重ねたり、自分の娘ふたりに重ねたりしながら読んだ。ひとそれぞれ価値観違うし、こだわる箇所は違うから解り合うのは難しいもんだよなぁ。
    親兄弟は血の繋がりがある分尚やっかいかも。

  • やっぱ本谷はおもしろい。自由な姉としっかりした妹っていうよくある設定だけど、自由な姉が全然その自由に納得してないのがよい。
    ほぼ脇役に徹する父は、ちびまる子のひろしみたい。

  • 東京に出てフラフラしている姉と、高校卒業後地元で働く堅実な妹、と、その母。が、父を留守番に残しなぜかグアムに旅行する話。
    本谷有希子は…イライラさせる人を書くのが上手なのか…
    姉にイライラしてしまって、、、
    読みやすかったですが、特に…という感じです。

  • 本谷さんの作品にしては、凄く読みやすくって面白かった。
    本の装丁も可愛いんですよね~
    「ヴィーナス誕生」のイラストになってて。

    愛すべき家族の話だな~
    口喧嘩出来るほど仲がいい姉妹なんです。
    お父さんも、お母さんもお茶目で素敵。

    北陸言葉がとっても雰囲気あって読みやすかった~

  • ロスジェネ世代で自己正当化の塊な長女。
    堅実ながら神経質な次女。
    二人の機嫌を伺う母。
    三人のグアム旅行顛末記。

    姉妹の相容れなさやもどかしさはリアルに共感。
    特に長女を見る次女の視点はまさに自分を見るよう。
    一人留守番の父の顛末にクスリ。
    【図書館・初読・11/9読了】

  • 母親と姉妹がグアムにいくはなし

    姉妹のぎすぎすしたかんじがもうリアリティーありすぎて

    自分も同じく妹がいるので

    やばいなもぅ

    なんでここまでわかっちゃうんでしょ

    海外旅行にへんな期待を持たなくてすむね!

  • 自由なおとんと
    何代目か誰も知らない
    うさぎのおもちが好き。

  • 自分が正しいと思っている姉妹と、姉妹に気を使う母親。
    皆それぞれ独特で身勝手。面白かった。

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著者プロフィール

小説家・劇作家

「2022年 『ベスト・エッセイ2022』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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