先生の隠しごと: 僕僕先生

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 485
感想 : 86
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  • Amazon.co.jp ・本 (247ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103030553

感想・レビュー・書評

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  • 僕僕先生の過去が少しずつ露になってきて、今回はその過去に少しだけ引きずられてしまう僕僕先生が意外だった。最後の方まで僕僕先生の意図が分からず、王弁と共にやきもきしてしまった。
    相変わらず王弁は情けない弟子だけれど、亀の歩みながら成長していく姿も見れて面白い。

  • 人が人であることと、人が好きになることと、人の不思議さと、教訓をふくめて、相変わらずの面白さ。なんか、昔みた、まんが日本昔ばなしを思い出します。

  • 僕僕先生シリーズ第5巻です。

    蚕嬢の結婚式を見届けた旅の一行は、漢人の賊によって焼き滅ぼされた村に辿り着きます。
    そこで出会った少女を仲間に加え、一行は諸人の王・ラクスが治めるという楽園に向かうことに。
    その楽園は、民族の隔てもなく、身分も金銭的な格差もない、まさに理想の国…なのですが、王弁くんや劉欣は胡散臭さを感じている様子。
    そんな中、なんと僕僕はラクスのプロポーズを受けてしまい…

    前作での魃との戦いに続き、本作でも僕僕の過去が垣間見えます。
    いつもは飄々としている僕僕ですが、思い出や情に揺らいでしまう女性としての一面もあるようです。
    何もかも達観した仙人ではなく、こんな人間くさい一面もあるから、余計に王弁くんはほうっておけないのでしょう。

  • 僕僕先生 5
    長編。理想の国実現を目指すラクス王の話。

    陰陽。というか光があれば影がある。
    悲しいこと・つらいことがあるから
    楽しいことやうれしいことが感じられる。
    光のみの世界は、どこか歪んでみえる。

    王弁が、どんどん成長していく。
    劉欣と王弁が少しずつ歩み寄って、薄妃も少しずつ元気になってきた。
    なんか、今までは僕僕は全知全能の存在、みたいなイメージがあった。
    けど前巻あたりから、そうではなく、
    間違ったり悩んだりする”僕僕という人物”を感じるようになった。

  • 僕僕先生シリーズ、もう五冊目となりました。
    前回の「さびしい女神」でちらりと見え始めた先生の過去に触れる一冊。
    今回から一行に加わった蒼芽香が本当に可愛い! 年上のお姉さん・薄妃と一緒に衣を織ったり、恩を受けた劉欣に懐いて後を追いかけたり。蚕嬢も蚕嬢で可愛らしいキャラクターでしたが、入れ替わりに入ったこの子も好きです。

    王弁が成長した巻だな、と思いました。仙骨を手に入れた王弁ですが、特殊な力に目覚めることがない以上今まで培ってきたもので行動するしかありません。
    中盤、劉欣に「力も無いくせに、力がある人間が動かないからと怒るのは筋違いだ」「力がないなら、背負う覚悟くらいはしておけ」と言われてしまいます(それを言ってくれるほど劉欣は王弁を認めているのかな、と思いますが)。それを受けるように、王弁君は人の命を取捨選択しなければいけなくなり……。死んでしまった人々に、一言ずつ謝る姿にぐっときました。薬師は限界を知る仕事だ、というのも。

    何より、先生のことを待つことができるようになった王弁くんです。薄妃の助言もありますが、それが一番大きい成長だった気がします。
    「待つ人」はどの物語でも存在します。主人公の家族であったり、幼馴染であったり、友人であったり、恋人であったり。戦う人の強さもそうですが、待つ人の強さもまた強さだと思うのです。信じて待つことのできる強さ。

    今回も大満足の一冊でした。面白かった!
    ラクスのその後には素で叫びました。そう来るか!


    劉欣は誰に似ているのかと考えてみれば、ドラゴンラージャのウンチャイに似ているのかな……。あえて苦言を呈するキャラクター、好きです。

  • 僕僕先生シリーズ。

    今回の僕僕先生は、見目麗しき王からプロポーズされ、結婚しちゃう。王弁というかわゆい弟子がありながら。

    大昔に愛した人と見目麗しき王を重ね合わせる、僕僕先生のせつない想い。でも、仙人だからのめりこむことなく、しっかり冷静なんだな。

    王弁が僕僕先生の力を借りずに、大活躍するのも拍手喝采!
    毎回少しずつ成長するんだね。

  • 僕僕先生ほどの人でも記憶にはまどわせられるってことなのかな?
    最近劉欣が好きなんだよね。

  • 光の国へたどり着いた一行だか、僕僕が何やら隠し事がある様で思わぬ展開へ。西遊記の様な雰囲気を感じられる点で貴重なシリーズ。

  • 先生でも揺らぐんですね

    王弁くんが、また一つ
    世の濁り、重みをのみこんだ…
    この子はどこまでも大きく深い男になる気がする
    やっぱり寄り添いたいと願う相手が
    大きすぎる存在だから、かなぁ

    次巻もたのしみ~♪♪

  • 長いこと生きていれば、思い出に振り回されることもあるよね。

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著者プロフィール

1973年大阪府生まれ。信州大学人文学部に入学後、北京に留学、2年間を海外で過ごす。2006年『夕陽の梨─五代英雄伝』で第12回歴史群像大賞最優秀賞、同年『僕僕先生』で第18回日本ファンタジーノベル大賞を受賞。「僕僕先生」シリーズは読者の圧倒的支持を集め、ベストセラーとなる。著書に「千里伝」シリーズ、「くるすの残光」シリーズ、「黄泉坂案内人」シリーズ、「立川忍びより」シリーズ、『撲撲少年』『真田を云て、毛利を云わず 大坂将星伝』『三舟、奔る!』など多数。

「2022年 『モノノ怪 執』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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