- Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
- / ISBN・EAN: 9784103030720
作品紹介・あらすじ
愛人と無理心中を遂げた双子の姉。残された姪を預けるために弘前にやってきた幸代は、死者の声を聞く「イタコ」の千歳と出会う。姉の死の真相を探ろうと、幸代は千歳に協力を頼むが…超常現象をごく論理的に解明する千歳と、おばけ・幽霊の類が大嫌いなのに霊の声を聞いてしまう家事手伝い・幸代の美女探偵コンビが、次々と起こる猟奇事件に挑む。
感想・レビュー・書評
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図書館で見つけた一冊になります。
昭和初期、青森を舞台にしたイタコさんのお話し。
当時の東北の日常を垣間見るようで、貧農への視座も興味深く。
これは雪に包まれている原風景、でもあるのでしょうか。
まつろわぬ「東北」の物語、松岡さんの言葉を思いつつ、しんなりと。
そのせいか、現世と常世の境界がどこか曖昧に霞むような、
そんな不思議な雰囲気も醸し出していました。。
といっても、生身の人間の悪意がトリガーではありますが。
なお、この昭和初期は、祖父の生きた時代でもあります。
続編が続くのであれば、そのうち大戦という「死」とも向き合うのでしょうか。
その描かれように、ちょっと興味が残ります。。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
期待せずに読む作品だったがあっという間に読了。思い返してみるとほとんどうろ覚えだけど田舎暮らしののんびりした記憶があり地主の母親の息子と姉との間に産まれた子と義姉と一緒に私も同じ空間に、暮らしているような気持ちになった。
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新潮社で主催する「日本ファンタジー小説大賞」の特別賞を受賞した作者の、受賞後第一作。「心霊探偵 八雲」の作者推薦の帯に惹かれて読んだけれど、うーん…(ーー;)
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イタコの千歳が事件を解決に導く短編集。実際に霊を口寄せするわけではなく、霊の存在が糸口を見つけさせてくれるという展開。助手役は訳ありで東京から来た幸代。昭和初期という時代設定なのでたまに出てくる古い言い回しがしっくりくる。
この時代における人々の格差から生まれる事柄を根底に置いているけれど、盲目というハンデを負ってはいるものの名家のお嬢さんである千歳の脳天気さがそれを見えにくくしているように思う。
反面、それ故に穏やかな雰囲気を纏わせているので浮き足立つことなく読める。 -
津軽弁分っかんねえ……
堀川先生のミステリはミステリらしいミステリで謎解きで「へあー!」ってなる…… -
昭和初期の頃のお話。始めはなかなか読み進められなかったが途中からなんとか先が気になるような感じに。
イタコの千歳はそれほどイタコの力を使わないので、そちらのファンタジー?を期待しているとちょっと期待外れな気になりそうです。 -
タイトルに「あやかし事件帖」とあるので、イタコの口寄せで事件を解明するようなものを想像していたのですが、ちょっと違った。
イタコである千歳は極めて論理的に推理を展開していき、逆に心霊現象嫌いの幸代が霊の声を聞いてしまうという、良い意味で期待を裏切ってくれた設定です。
昭和初期の青森・弘前という舞台設定や作中で使われる津軽弁が雪国の薄暗さや風情、閉塞感を醸し出していて、時代ならではの口減らしや身売りといった女性の身に降りかかる痛ましさが良く描かれているように思います。
表紙とタイトルで損してる感が否めない。 -
方言が難しくて、多分そのせいだけでもなく、物語に入り込むことも難しかった。
ラストだけはちょっとすき。 -
千歳(=イタコ)の活躍があるのかと期待していたのに、
想像をはるかに下回っていたので、残念。
どちらかというと、幸代の登場の方が多いような。。。?
そう妖しい感じもない。
もうちょっと、だなぁ。
ストーリーは悪くない。 -
イタコが口寄せをして殺人事件を解決?と思って読み始めましたがあまりイタコの役割は無かったような…。
時々コンタクトを取っていたような感じですがイタコの千歳よりも一般人の幸代の方が霊的なものと関わりが深かったように感じました。
幸代を巡る本家と分家の男二人の鞘当が次巻でどうなるのか楽しみです。