沈黙

著者 :
  • 新潮社
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レビュー : 9
  • Amazon.co.jp ・本 (257ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103035176

作品紹介・あらすじ

キリシタン迫害史を背景とする緊迫のドラマの中に、神の存在を問い、信仰の根源を衝いて、西洋と日本の思想的対立を鋭くえぐり出す長編小説。谷崎潤一郎賞、ピエトロザク賞受賞。

感想・レビュー・書評

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  • スコセッシ監督で映画になってるのを予告編で見て、こう云う映画は見ないと思いつつ、どんな小説か読んでみた。いや、救いのない話だわさ。だから宗教って分からんのやなあ・・・ で、やはり映画は見ないなあ~

  • 「彼等が信じていたのは基督教の神ではない。日本人は今日まで」フェレイラは自信をもって断言するように一語一語に力をこめて、はっきり言った。「神の概念はもたなかったし、これからももてないだろう」

    キリスト教徒弾圧下の日本、「ころんだ」と噂される敬愛する宣教師の後を追って日本に入った若き宣教師の苦悩。
    なぜ神は沈黙を続けるのかーー。
    英ガーディアン紙の「読むべき1000冊」の一冊であることからも、アメリカで映画製作されたことからも、キリスト教信者にとって興味深い内容だとわかる(作者自身もキリスト教徒だったわけだし)。
    残念ながら、教徒でない私にはキリスト教信者がどう読むのかを深く汲み取ることは出来ないが、宗教を巡る葛藤は心にくっきりと残った。
    また、日本と宗教という点でも、とても考えさせられる作品だった。
    一読では足らない、少し時間をおいて再読したい。

  • キリシタンに対して踏み絵を行っていた頃のお話。文章が難しく読み進めづらかったが、おもしろい作品だった。

  • (1985.10.29読了)(1979.11.18購入)
    第2回(1966年) 谷崎潤一郎賞受賞
    内容紹介 amazon
    島原の乱が鎮圧されて間もないころ、キリシタン禁制の厳しい日本に潜入したポルトガル人司祭ロドリゴは、日本人信徒たちに加えられる残忍な拷問と悲惨な殉教のうめき声に接して苦悩し、ついに背教の淵に立たされる……。神の存在、背教の心理、西洋と日本の思想的断絶など、キリスト信仰の根源的な問題を衝き、〈神の沈黙〉という永遠の主題に切実な問いを投げかける長編。

    ☆遠藤周作さんの本(既読)
    「イエスの生涯」遠藤周作著、新潮社、1973.10.15
    「キリストの誕生」遠藤周作著、 新潮社、1978.09.25

  • 徳川家光の時代、日本に基督教を布教しようと、ポルトガルから長崎へ潜入し、掴まれば拷問を受ける恐怖と闘いながら隠れ切支丹を救おうとしたポルトガル人司祭の壮絶な一生を描いた作品。
    映画の『パッション』を思い出した……。
    キリストが捕まり、拷問を受ける様子を延々2時間近く見せられる気分の悪くなる映画。
    あれは、自分の信仰を貫き通すため、自らの肉体的苦痛に耐え死に至った。そっちのほうがまだましだ。
    日本人の奉行たちがやったのは、他の百姓たちの拷問を止めたいなら、お前が転べ(=棄教)と迫ること。
    否応なしに他の命まで背負わされ、精神的にも追い詰められる。
    形だけでいいから、踏絵に足をかけてくれ、そうすればみんなが助かる。全能なるデウスは、慈悲の心を持っているんじゃないのか、と。
    そうして強制的に転ばせ、外国人司祭を一生監視下に置き、日本名を与え和服を着せ、妻や子供をあてがい、基督教を批判する文書を書かせる。
    救いはない。ただ生かされているだけ。
    わたしは無信心者で、信じる神も持たないけれど、これは惨い仕打ちだと思った。

  • 神の沈黙

    私はお前たちに踏まれるため、この世に生まれ、お前たちの痛さを分かつため十字架を背負ったのだ。

  • キリシタンの迫害と「転ぶ」ことについて。テーマとしては以前読んだ村木嵐のマルガリータに通じる所があるのだけれど内容的には全く違った。

    自分が棄教しないことで誰かが苦しむのならば棄教して救えばいいのか。それとも棄教せずにいなければならないのか。
    司祭様であろうとも考えてしまう「神とは本当にいるのか」、「神の沈黙」が私ごときにはわかるとは思わないけれど、でも考えてしまう。
    救いのない話。ゆるゆるとだんだんと真綿で首を絞めるような絶望に突っ込んでくような話。

  • 神の沈黙に対し宣教師はどうするのか。
    宣教師は自分がキリスト教を捨てないせいで信徒が死んでいくのに対しただ祈ることしかできないのか…

  • 中学あたりで夏休みの感想文宿題の為に読んだ本で最初は退屈でした。でも、読み進み、最後まで読み終わると、いままで宗教(信仰心があまりないので)について思っていた疑問の答えを少しだけ見ることができました。遠藤さんはすごい方だと思う。

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著者プロフィール

遠藤 周作(えんどう しゅうさく)
1923年3月27日 - 1996年9月29日
東京生まれ。父親の仕事で、幼少時代を満洲で過ごす。帰国後にカトリックの洗礼を受けた。1941年上智大学予科に入学したが、中退。慶應義塾大学文学部仏文科入学・卒業後、カトリック文学を学ぶためにフランスへの留学。帰国後の1954年『アデンまで』を発表し小説デビュー。1955年『白い人』で芥川賞を受賞し「第三の新人」として脚光を浴びた。
1958年『海と毒薬』で第5回新潮社文学賞及び第12回毎日出版文化賞、1966年『沈黙』で第2回谷崎潤一郎賞、1979年『キリストの誕生』で第30回読売文学賞評論・伝記賞、1980年『侍』で第33回野間文芸賞などそれぞれ受賞。1995年に文化勲章を受章している。
上記受賞作のほか、1993年刊行『深い河』もキリスト教と日本人をテーマにした代表作と見なされており、映画化された。60年代以降「狐狸庵山人」(こりあんさんじん)を名乗り、様々なエッセイを記した。数々の作品が欧米で翻訳され高い評価を受けており、存命中ノーベル文学賞候補だったこともよく知られている。

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