もう、さよならは言わない

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 172
レビュー : 26
  • Amazon.co.jp ・本 (269ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103035725

作品紹介・あらすじ

菜緒子が癌で旅立った日から二ヵ月、翼と二人きりで34回目の誕生日を迎えた僕のパソコンに不思議なメールが着信した。余命半年を宣告された妻が、自分のいない家族に宛てたメッセージ。「ありがとう」を伝えられなかった僕は、彼女に届くことのない返事を書くが…。

感想・レビュー・書評

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  • 34歳の若さで幼い子供と夫を残し旅立った菜緒子
    胸が張り裂けんばかりに、悔しく悲しく心残りであっただろう

    その思いを自分の死後、夫俊一の誕生日、二人の結婚記念日、クリスマスに届くようにパソコンのメールに託す

    懸命に二人で暮らす毎日の中で、ある日、突然届いた亡き妻からのメールに戸惑いながらも、愛する妻との思い出に浸る俊一

    愛する妻に先立たれてしまった夫俊一と幼い翼の悲しく寂しく苦しい日々
    悲しくても寂しくても苦しくても、前をむいて生きていかなければならない

    父子二人で懸命に明るく生きている姿に胸が熱くなる
    父子を囲む周りの人々も温かい

    最後の天国から届いた妻からのメールに俊一が書いたRe.メールがすてきだった
    届く当てのないメールではあるけれど・・・

    折につけて『ありがとう』の言葉を送ってくれた妻に
    もう一回『ありがとう』と言ってもらおう
    『俊ちゃん、よくがんばったね。ありがとう』
    と言ってもらえるように、しっかり生きていこう

    菜緒子が翼に読み聞かせをした『忘れられないおくりもの』は、私と幼いころの娘の愛読書でもある
    布団の中で読み聞かせしながら、亡くなった義父、娘にとってはおじいちゃんを思い出し、二人でポロポロ涙を流した思い出の本だ

    翼も雪が降るたびに、菜緒子とのパスワード『ゆき』とこの本を思い出すことだろう

    究極の恋愛小説、悲しくも優しい話だった
    俊一と洋子先生(翼の幼稚園の頃の先生)との恋の行く末も暗示されているようで
    三人の新たな幸せを信じ願いながら、読み終えた

  • いまだかつて、こんなに泣いた本があっただろうか。
    家族を失い悲しむだけの物語ではない。
    残された夫と子供が、そのなかで、幸せに生きていく。
    温かくて、優しい家族の物語。
    温かい涙が途切れることなく流れました。
    この本を読むと、まわりにはたくさんの優しさがあふれていることに気づくはず。
    「ありがとう」という言葉、大切にしたいものです。

  • 届くはずない、でも届く亡くなった愛する人からのメール。
    と聞くとファンタジーだがそうではない。

    愛する人に亡くなった後に届けれるものの少なさ、
    でも確実に届くものにはっとした。

    何が残したいんだろう。
    私もこの方法で、誰に何を残したいだろうな。
    少し考えました。

  • 榊先生の本を初めて読みました。
    とても心が温まります。「ありがとう」って素敵な言葉ですね!改めて思い出させていだだきました。
    ありがとうございます

  • 『感想』
    〇大切な人との関わり方とデジタル技術を組み合わせながら、人生を歩んでいく姿が描かれていた。

    〇大事な人との別れを乗り越えることは大人ならば誰しもが経験してきたことだろうが、そんな中相手を思いやる心が表現され、自分がその立場なら果たしてそんな風に思えるのだろうかという不安とそれが正しいのではないかという願望を混ぜ合わせながら読んだ。

    〇テーマは重いのに、結末は決して暗くないところに救われた。本も人生も、最後は明るい気持ちを持ちたい。

  • 大切な人を亡くすのは悲しくて辛い。
    でも、ストーリーとしては大切な人を想う日々を綴っていて、終始あたたかくてやさしい。ずっと穏やかな気持ちで読める。ありがとうって、言葉に出すこと、大事ですね。

  • もう、さよならは言わない
    著作者:榊邦彦
    発行者:新潮社
    タイムライン
    http://booklog.jp/timeline/users/collabo39698
    先立悲しさ、先立たれる悲しさが胸を打つ

  • とても良かった。悪感情がなく、キレイなお話し。

  • ありがとうはいい言葉だけど、やっぱり悲しすぎるな。

  • 末期の胃癌にかかり、亡くなってしまったSEの妻から記念日に届くように設定してあったメールが届く「Re:」の他、息子の幼稚園の先生と新しい関係を築く第一歩を踏み出すまで。
    「子供が死を理解できるのは何歳くらいからなのでしょうか」
    には、はっとさせれられました。
    特に「忘れられないおくりもの」は、私も幼少期に母に読んでもらった思い出があり、大切な一冊です。

    レビューにもよく書かれているように、扱っているテーマがテーマにしては、全体的に、すとんすとんとパズルがぱちぱちはまっていく感じでとても読みやすいお話です。読みやすいから特に、感情移入できるのかなと思います。辛い状況描写よりも、感情とか思考に重点を当てているので。

    最初の方に、洋子先生が、雨の日のお迎えの時に、翼君が風邪をひいているからタクシーで帰らないといけないと言い張って、翼君を抱えてタクシーまで走ったら携帯を水たまりに落とすシーンがあって、正直、もちろん息子の体調はとても大事だけど、代えられないという点では、携帯にあった大量の保存されたメールの方が大事だっただろうと思われて、保育士にあんまり良い印象は持てませんでした。私だったら恨んじゃうかも。他人のせいにして心が狭いな。でも、その後にビデオを渡してるから、ある意味とんとんなのかな。そういう風には考えちゃいけないのかもしれないけど。
    友達に意地悪言われた時に、「お母さんは死んでない」って答えた翼君。そう答えないと「お母さんがかわいそうだったから」と思って、敬老の日に自分の大事なウルトラマンの人形達を遺影の前に並べて、意地悪されたお母さんから、(こちらこそ)ごめんなさいって言われたことを聞いて泣いた翼君は本当に賢くて優しい息子だな、と心が痛くなりました。
    自分に余命いくばくかしか遺されていなくて、息子が、子供がいたら私はもっと取り乱してしまうだろうと思う。
    有川浩のストーリーテラーもやっぱりパソコンに手紙が入っているっていう話だったっけ。
    小さい子供を遺していかなければならないというのは、悔やんでも悔やみきれないだろうと思う。
    でも、彼の中に少しでも自分を思い出すパスワードが遺ったのならばそれはきっと自分が生きた理由だと思うんだろうと思う。
    最後の「Re:Re:」は一体どうやって戻ってくるんだろうと思っていたけど、秀逸でした。

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