白蝶花(はくちょうばな)

著者 :
  • 新潮社
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レビュー : 92
  • Amazon.co.jp ・本 (261ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103038320

感想・レビュー・書評

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  • 大正の終わりから昭和初期を生き抜いた女性の、報われない愛の物語。
    江戸の遊郭の花魁の恋模様を描いた「花宵道中」と同じく、本当に愛しい人とは結ばれない運命にある女たちの連作になっています。

    悲恋に身を焦がし時代に翻弄されていく姿は、とても女性的でした。
    いまより自由恋愛が難しく女性の自立も難しかった時代背景に関わらず、こういう禁断の恋的なのってやっぱり心ときめく媚薬なんでしょうね。
    それでも強く生き抜いて世代を繋いでゆくのは女なんですから。

    温泉芸妓の菊代と雛代
    妾として売られた泉美
    女中の千恵子とお嬢様の和江
    恋は儚くとも、そこから得た命は続いていくし
    羨望も嫉妬も女の友情には欠かせないものなのですな。

  • 時代背景と戦禍に翻弄されながら、自分を貫いた4人の女性の生き方が短編連作で綴られています。時代背景となる男尊女卑思想、貧困、身分の格差の抗えない理不尽や運不運が根底に流れています。自分の意志ではなく、妾・芸者・女中に身を落とした女性たち、そしてたまたま高貴な身分の家庭に生まれたものの親からの温かさを受け取れず、人を信頼できずに育った女性それぞれの哀しさに心が重なります。強い諦念や背徳感がありながらも、自分の情動を選んだ女性たちの選択に何か豊かさと強さを感じます。「花宵道中」と並んでこういう作品、好きです。

  • 読みやすかった。

    短編だけれども、一話一話に出てくる登場人物が長い年月をかけて、再度登場します。

    大正、昭和と戦争の混乱の中
    生き抜く女性の話です。

  • 花宵道中に比べてしまうと物足りないが、戦争中の話として乙女椿はとても読んでいて胸が締め付けられた。

  • 全く別の話かと思えば、ふんわり続きもの。

    生き辛い時代を強かに生きた彼女たちの物語。

    自分がこんなにも平和で贅沢な毎日を無駄遣いしている気になって少し苦しかった。

  • 一気に読んでしまった。
    序盤のような話が続くのかと思いきや、それぞれが別々の主人公で紡がれており、さらに少しづつ繋がっており、読めば読む程ぞくぞくした。どんどん時間が現代に近づく中で、自分の中でリアリティが増し、涙が止まらなくなった。
    女性の生き方は、絶えず変化している。平成に生まれ平成に育っているわたしは、どう生きられるのか。生きるのか。宮木あや子作品、まだまだ読み続けたい。

    2013.07.04

  • 大正、明治、昭和…
    激動の時代を生き抜いた女性達のお話。

    宮城あや子さんの描く
    しなやかで逞しい女性達の姿には心を動かされます。

    時代のうねり、社会のしがらみ、『性』の絶対的な壁。
    そういったものに翻弄されながらも、
    自らの足で立ち、歩き、唇をかみしめて生きてきてくださった
    先人の女性達は、本当に強く、美しい。

    命を繋ぎ、生きてきた先には、繋がる縁がある。
    その仕組みに気付いたときに、思わず声をあげてしまいました。…嬉しくて。


    私は文庫版を読んだのですが
    (表紙はこちらの方が好みだったので)
    大好きな三浦しをんさんが解説を書かれていたので嬉しかったです。

    「激動でない時代など、なかったでしょうが」
    という一言が印象的でした。

  • みやぎあやこめーーーーー。
    なんでこう、こう、くるもの書いてしまいますかね。この人。
    ただの短編集かと思いきや、“乙女椿”で前の二作と綺麗につながって、そして、“雪割草”で補完。
    読後の余韻なんて軽いものではなく、最後のページを捲り終わっても彼女たちの感情に引き摺られています。

    うまいなー、うまいよー、みやぎあやこ、くううううう。

  • 白蝶花(はくちょうばな)

  • 序盤は辛すぎ、中盤も辛く、終わり方も哀しい。でも美しい。

    性描写がどうにも安い官能小説っぽく、あとがきでフォローされているようには捕らえられなかった。下品と言ってしまってもいいかもしれない。

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著者プロフィール

宮木 あや子(みやぎ あやこ)
1976年生まれ。神奈川県出身。2006年『花宵道中』で第5回女による女のためのR-18文学賞 大賞・読者賞受賞しデビュー。同作は2014年映画化された。
代表作に2016年テレビドラマ化された『校閲ガール』とその一連のシリーズ。

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