- 新潮社 (2019年7月18日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (272ページ) / ISBN・EAN: 9784103038344
作品紹介・あらすじ
勉強できなくても、お金がなくても、大丈夫! 『校閲ガール』著者が描く、最高にハッピーな青春小説。美容科・看護科・調理科など職業に関する学科が揃う「働くための高校」で、お母さんを癒すためエステティシャンを目指す二年生の友麻。家が貧乏で肝心の母は行方不明でも楽しい学園生活を満喫中! 世間の価値観に縛られず、自分のやり方で幸せを探す彼女がたどりついた場所とは――。しあわせになれるヒント満載の青春長編。
感想・レビュー・書評
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家庭の事情を抱えた島育ちの高校生。
寮生活の中で成長していきます。
友麻は、長崎の高校の寮に入り、エステティシャンを目指しています。
島では村人がみな知り合いで家族のようでしたが、母一人子一人で、高校入学後にその母親が失踪。生きてはいるようなのですが事情はまったくわからない。
個性的な寮生たちもそれぞれにちょっとした事情があったり、ぶつかりあったり、仲良くなったり。
おおらかだが、ちょっとズレている?友麻。
「人との距離の取り方がわからない」と思っているのが何度も出てきますが、あまりこういう言葉を使いそうにないキャラなので、何となくもやもや。
謎を抱えた状態のまま、どんどん高校生活は進んでいくので、色々な思いを言葉にしきれないでいる、状況でしょうか。
子供の自分は皆に可愛がられて育ったが、母は酷な扱いを受けていたことに初めて気づく…それも自分を生んだから、という衝撃の事実。
行方がわかった母親の発言もどうなのかなあ…
後半は急展開で、友麻も急成長。
都合よすぎる気がしないでもないところでまた、もやっと(笑)
でもこれぐらいの年齢で急成長することは実際、ありえますね。
入り組んだ状況を知り、理解するに至ったとき、それが起きたのかな。
しかし、コピーで「最高にハッピーな高校生活」みたいな表現になっているのには、さっき気づいて驚きました。いや全然そうは思ってなかった…
幼さと若さが混じり合い、いろいろなレベルのことが起きてくるのが、とんでもない設定でも、何となくリアルでもあるかな~ぐらい。
人との距離の取り方がわからなかったのに、いい友達ができて良かったね!とは思いました(笑)詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
長崎の離島出身の友麻が看護科や調理科、パティシエ科と普通科のない高校のエステ科2年に進級し、寮に戻る所から始まる一年間の物語。エステ科の授業風景や寮での生活、学園祭等のイベント。その中で起きる友達とのいざこざや初めての彼氏が出来た事で浮かんでくる恋への戸惑いと青春学園物好きとしてはど真ん中だ。島出身らしくおおらかな友麻だが父は死んだと聞かされ母は高校入学直後に失踪と結構な境遇のせいか何処か心が固くなっているが、両親の現在と隠された様々な真実が知らされる事によって心が思い切り乱されながらも真っ直ぐ開いていく過程が爽やかでまた良かった。しかしやはり島の生活の面倒臭さこの上なし。絶対移住出来ないわ…。
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特に期待もせず読んだが、なかなか良かった。
ちょっと事情がある高校生の女の子が主人公。頭は良くない(とは言うものの勉強に意欲がなく、競争心もないため成績がぱっとしなかっただけで、本当に頭が悪いわけではない。)、自尊心もあまり高くない、家事家業をよく手伝い、動物や子どもに好かれる、ふつうの田舎のいい子である主人公を、読んでいるうちに好きになる。(今気づいたけど、ちょっと『彼女は頭が悪いから』の女の子に似ていて、エリートで自尊心も高い男と関わったために、とんでもない事をされてしまうあの女の子も、こういう環境にいたなら、もっとふさわしい男と知り合えたんじゃないかと思った。)
会話のテンポもいいし、作者は神奈川生まれだとあるが、長崎のこと、これだけ自然に、取材だけで書けるとしたらすごいと思う。
九州の田舎の、欲のない女の子たちのリアルな姿がよく描けている。
主人公だけでなく、友達や周りの大人のそれぞれの事情も上手く書き込んであり、爽やかな読後感。特に、島の大人達が、こういう事情だと悪者にされがちだが、ちゃんと納得できる形で人間として善良に描かれているのも良かった。
まあ、ドラマになりそうな内容ではあるが、いい小説だった。
エステの良さについてもよく分かった。この主人公のようなエステティシャンなら、施術してほしいなあと思った。 -
長崎県にある本土から15分の離島で生まれ育った友麻は、卒業後に自立するためにエステティック科のある高校に奨学生として進学し、寮で暮らしている。
父親は物心ついたときからおらず、母親は友麻が高校に進学すると同時に失踪してしまった。
悲惨といっていい境遇にも関わらず、友麻は明るく、むしろ痛みに鈍感になって生きている。
物語に流れる空気は明るく、描かれる島は美しく、個性的な登場人物たちのやりとりはコミカルで、時折笑えるくらいなんだけれども、読んでいる途中で、なんだか泣きそうな気持ちになった。
家庭にさまざまな事情を抱えていても、どれほど早く大人になろうとしても、庇護されるべき年齢であるがゆえに、自分の力だけでは生きて行けない少女たち。
大人たちの一方的な配慮に肯う他なく、抗議はできても、本当に抗うことはできない。
どんな境遇であっても、力いっぱい貪欲に日々を生きて楽しもうとする彼女たちの姿が、あまりにもきらきらしていて、若さってこういうことだ、と胸をうつ。 -
同著者の「雨の塔」が好きだったので気になっていて読んでみました。住み込みの学園モノ、ってところが似ています。
主人公の素朴で正直者な性格がよかった。淡々として大人びた感じもするけど恋愛というものがまだよくわからなかったりと年相応のピュアさが可愛らしくて、そのへんの描き方が上手でした。 -
校閲ガールが面白かったから宮木あや子先生の名前は覚えてました。
気になって読んでみたら、やられたー。
こんなお話も書ける方なんですね、知らなかった。
校閲ガールとはちょっと違うけど、
読みやすさは変わらずにあって
読み進めるのが楽しかったです。 -
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父は自分が生まれる前に亡くなり、母と長崎県にある島の端に住む友麻。
エステティシャンを目指し、島から出て、夕陽ノ丘高校に入学した。奨学生となり、寮に住む。それと同時に母も島を出て、失踪。
島の人たちは友麻にやさしくしてくれるが、母が村八分にされていた、ということに気づき、今までの自分の生活や島での出来事を振り返り、成長していく。
夕陽ノ丘高校での友達たちがすごくいい。
いろんな家庭環境もあって、でも将来に何か夢みて頑張る姿っていうのが、青春って感じでよかった。高校での友人って大切だなと改めて思った。 -
エステシャンを目指す高校2年生の少女の友情と成長の物語。母親が村八分的な状況にあったことを気づかないなんてあり得るのかなと思うほど鈍い感性を持った主人公。だけど母親の方も娘が高校に入って寮生活になると全く音信不通になる。島の人たちも子供に罪はないと言いながらつまり一見親切に見えつつひどいことをしている。読みながら、こんな島には住みたくないと心から思った。最後はハッピーエンドなのだが違和感の残る物語だった。寮生活は生き生きして楽しそうだったけれどね。
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働く為の学科のある高校でエステ科に入学した主人公。ルームメイトと最初は衝突しながらものちにわかりあうなど青春感。主人公があまり感情移入できないタイプだったかなぁ。
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エ、エステティシャン……
女流作家て独自ルートしばらく進んでから、色々な分野を開拓して小説書き進めてくけど、宮木あや子先生も順調にそのルート辿ってんのかな… -
2021.11.28 読了
島育ちの友麻。
母親と島のみんなに我が子のように
育てられた友麻は、
島から出て 寮のある高校での生活になると
人との距離感がつかめない。
いろんな子たちと 出会い、
初めての思いを抱いたり。
友麻の性格が 可愛らしくて
その周りの友だち達も いいキャラたちで
楽しかった。
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すごく良かった。主人公の友麻ちゃんが魅力的。母子家庭で育ち、奨学生として寮に住み、高校に通ってるのに、明るくパワーに溢れてて、応援したくなる女の子。周りにいる友達も個性的で面白い。友麻ちゃん、幸せになって!
続編出ないかなー。 -
複雑な家庭環境にありながら、
島の中で大事に育てられてきた。
だが、
全寮制の高校で多くの友人と関わって、
友人のお節介で、自分の生い立ちに秘められた
真実を知って、
彼女は大人になり、
楽園はただの楽園ではなくなった。
でも、希望に満ちた未来が見える。
宮木あや子、読ませるなぁ。
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美容科・看護科・調理科など
職業に直結する学科を揃えた高校の物語。
いいなと思うのは、
それぞれが個性に溢れているところ。
様々な事情を抱えているところ。
良い部分だけじゃなく
嫌な部分もありながら、
みんなでワイワイやるところ。
お年頃だから、
自らの悩みで頭がいっぱいになり、
人を寄せ付けなかったりもする。
相手のことを思いやれず、
自分の正しさで他人の領域に
ずかずかと踏み込んだりもする。
意味も実感も湧かない中で、
恋したり交際してみたり。
恋愛関係でもめ事が起きたり、
意地悪したりする。
ギャルみたいに飾り立てる子もいれば、
自分の中に閉じこもる子、
外見をまったく気にしない子もいる。
オタクもいればお嬢様もいる。
寮の部屋を汚部屋にしてしまう子、
(一部の生徒は寮生活なのだ)
遠い島の子も都会育ちの子もいる。
大人たちとも交流する。
外部からやって来るエステの講師、
寮の食事を担当する口の悪い卒業生、
門限に厳しい寮母。
教師と生徒とは違う斜めの関係性がいい。
皆それぞれで色々ありながら、
存在まるごと肯定されている。
そこが何よりいい。
著者プロフィール
宮木あや子の作品
