殉愛: 原節子と小津安二郎

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 39
感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (318ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103039341

作品紹介・あらすじ

映画に殉じ、60歳で世を去った名監督。その彼に殉じ、42歳で銀幕を去った「永遠の処女」。映画史上もっとも美しい関係を描く-。丹念に紡がれる名作誕生秘話と、世紀のプラトニック・ラブの全貌。

感想・レビュー・書評

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  • 「殉愛」という表現はちょっと?ですが、それほどベタベタした内容ではなく、小津論的だったかな。小津映画を見返したくなりました。

  •  えらく俗っぽい書名だが、内容は映画批評的視点で貫かれており、書名から想像されるほどにはゴシップ趣向ではない。小津作品に対する分析はかなり主観的だが一本筋は通っている。

  • 【選書者コメント】だれもが気になるあの二人の仲!

  • 筆者の推量が暴露趣味に感じられる部分が所々あり、読後感が微妙であった。

  • まだ小津作品をほんのいくつかしか観ていないので、
    筆者の小津感をそのまんま受けとめながら読んだ。
    原節子にしてもおなじくいくつかの映画を観ての
    イメージしか持っていないので、本に書かれてある
    ことを「そうなのかぁ」と受けとめるのみ。
    たくさんの取材をなされたうえで書かれてあるものの、
    いってみれば筆者の主観でしかない。でもこの憶測の
    ように思いたいファンにとっては、こうして著して
    あるとうれしいものなのではないかと思う。

  • 原節子と小津安二郎の「深い」関係を掘り下げた、読みごたえのある一冊。小津がマザコン、原がファザコンであったとの説にも頷ける気が。

  • 女優、原節子と映画監督、小津安二郎。
    何の障害もなかったのに、ふたりとも独身を通した。お互いの感情が愛情だったのかどうかもわからないけれど、小津監督に愛情がなければ、原節子三部作と言われる、「秋子」や「紀子」は生まれなかったであろうと著者は言う。

    小津監督の言う「美しいものは、美しいところだけを見ていたい。」とは結婚してしまうと、今まで見えていなかったところまで見てしまうことで幻滅するのなら、今のままいつも美しいところだけ見ていたい、ということだろうか。

    また原節子は映画の中で「私、今のままがいいの」 「(結婚は)やっぱりよすわ」とまるで実生活にもあてはまる台詞を言っている。

    まあ、こういう問題は周りがとやかく言うものではないが、謎の多い二人に興味は尽きないのである。

  • この本に書かれているのが事実なのかどうかは、誰にも分からない。でもそれでいいのだと思う。

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著者プロフィール

ノンフィクション作家、映画評論家、音楽評論家。1951年佐賀市生まれ。早稲田大学第一文学部演劇科を卒業後、「キネマ旬報」パリ駐在員。帰国後、映像ディレクターとしてビデオ作品を演出。1985年から古湯映画祭(佐賀市富士町)の総合ディレクターを務め、その功績により「佐賀新聞文化奨励賞」を受賞。現在佐賀大学で教鞭をとる。佐賀新聞のコラム「シネマトーク」は45年目を超え、新聞単独連載の記録を更新中。2010年、モスクワ国際映画祭の「黒澤明シンポジウム」に招待され、日本代表として講演を行った。著作は『黒澤明 音と映像』(立風書房)、『シネマ・ミーツ・クラシック』(音楽之友社)、『映画でクラシック!』『殉愛 原節子と小津安二郎』(共に新潮社)、『巨匠たちの映画術』(キネマ旬報社)、『輝け!キネマ 巨匠と名優はかくして燃えた』(ちくま文庫)、『君は「七人の侍」を見たか?』(ヒカルランド)他多数。

「2023年 『北の前奏曲 早坂文雄と伊福部昭の青春』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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