マリアージュ・マリアージュ

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 451
感想 : 68
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  • Amazon.co.jp ・本 (205ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103045335

作品紹介・あらすじ

キスをして抱きしめられて、初めて普通の状態になれた-あの頃。自分一人だけで、自分一人として、存在できるようになった-今。結婚と愛の変転をめぐる6つの物語。

感想・レビュー・書評

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  • なんだかんだで初金原ひとみさん。
    映画も小説もお目にかかったことはないけど、蛇にピアスのイメージがあるので、官能的なイメージがあって、本作はいい意味で裏切られた作品も収録されていてよかった(短編集なので)。

    全体的にじっとり不穏な空気を孕んでいて、なんだか手に汗かきながら緊張しながら読了した。また読みたいです。

  • 恋愛、結婚、育児、不倫。生きていれば皆いろんなことがありますね。どこで意のまま動くか、どこで踏みとどまるかは人それぞれ。初めは良い関係でも時が経つと互いの相手への想いに差が出てきたり。6つの短編が入っています。

    • やまさん
      各位

      昨年ブクロクに登録した本の中からベスト7を選びました。
      なお、平成31(2019)年3月27日に読み終わった本からブクロクで管...
      各位

      昨年ブクロクに登録した本の中からベスト7を選びました。
      なお、平成31(2019)年3月27日に読み終わった本からブクロクで管理するようにしています。
      ① なんとなく・青空 / 工藤直子 / 詩 / 本 /読了日: 2019-12-11
      ② 螢草 / 葉室麟 / 本 / 読了日: 2019-12-16
      ③ あなたのためなら 藍千堂菓子噺 / 田牧大和 / 本 /読了日: 2019-04-10
      ④ 甘いもんでもおひとつ 藍千堂菓子噺 / 田牧大和 / 本 / 読了日: 2019-05-04
      ⑤ あきない世傳 金と銀(七) 碧流篇 / 田郁 / 本 /読了日: 2019-09-14
      ⑥ てらこや青義堂 師匠、走る / 今村翔吾 / 本 / 読了日: 2019-08-27
      ⑦ ひかる風: 日本橋牡丹堂 菓子ばなし(四)  / 中島久枝 / 本 / 読了日: 2019-07-23
      ※もしよろしければ、皆様の昨年感想を書かれたものの中からベストの順位を教えて頂けたら嬉しいです。

      やま
      2020/02/07
  • 仮装だけの評価でこれです。
    仮装が一番面白かった。

    女は決断したら行動が早い。
    それまではウジウジ悩んだり泣いたりしていても
    決まったら無情なほど切り離す。

    ましてや仕事を持った女性は強いよね。

    金原ひとみさんは、女性視点より男性視点の方が私は好みです。

  • 今年に入ってからとくに金原ひとみさんの小説をよく読んでいて、このダウナーな感じが今の気分にマッチしているのだろうか、と考える。
    様々な男女を描いた6篇の短篇集。
    男女間の嫉妬や疑い、肉欲、諦め…つねにどこかすれ違っていて、男と女は永遠に解り合えることはない…全体的に、そういうことについて描かれているように感じた。

    婚約中のカップルが彼の実家での法事のために帰省する「婚前」のざわざわする感じが印象的だった。彼女には大きな隠し事があって、それを隠したまま結婚しようとしている。そして彼の実家での人間関係を見て彼女は彼に対するある疑いを深めていくが…というお話。
    もしかしたら彼側には何もなく彼女が持つ疑いもただの思い込みかもしれないのだけど、自分側に後ろめたさがあるからつい疑ってしまうという人間心理。
    全体的に男女の不穏な関係性が描かれていて、安心して読めるラブラブ男女のようなお話は皆無。心より身体で繋がっていたり、裏切りや落とし穴に落とされるような出来事に見舞われたり、すれ違ったまま別れてしまったり。
    実際、男女が解り合えることなんて無いのだろうな、とある程度年齢を重ねた今でも思うのだから、この小説にあることはきっと、現実にとても近い。

    それなのにタイトルは「マリアージュ・マリアージュ」であるところが心憎い。引き立て合っている、という意味でなら、解り合えなくても、成立可能なのかもしれないが。

  • 愛の反対は無関心。
    恋愛は人を変温動物に変える。
    同じ温度にいることがこんなにも苦しく、哀しい。

  • あ〜〜そうだった、と読みながら思い出す
    こんなふうよなあ〜〜と
    パパとみみちゃんが面白かった

  • どの作品も面白く、質の高い短編集。『マザーズ』の雰囲気を彷彿させた「仮装」は特に好きだった。現代日本女性作家の中でハイブランドを身に纏うタイプの女性を描かせたら、金原ひとみさんの右に出るものはいないのではないだろうか。このあたりから、彼女の文壇での立ち位置がまたひとつ明確になってきた感がある。

  • 久しぶりの金原ひとみ。蛇にピアスからずっと読んでるけど、環境や心境の変化をものすごく感じた。
    いちばん好きだったのは「仮装」。育児あるある。愛しいと思わせるのが本当に上手。愛しいと思わせといて、いつもあっさり奪うのよ。またやられたね。

  • 試着室 青山 ポラロイド  仮装
    婚前 献身 6篇の短編集。

    どれもうまい。
    比喩や表現のうまさがひかる。
    感情の奥深くをえぐり出して
    分かりやすく見せてくれる。
    やはり、金原ひとみは間違いないな。

  • 結婚のあとさき、というテーマがとても気になって読んだ。
    ただ実際にはリアリティのある結婚生活が描かれてなかったなという印象。
    なんだろ、すでに破綻寸前、みたいなとっくに危うい夫婦ばかりだったからかな。
    時が経てば人は変わるし、人が変われば愛も変わる。愛はやはり幻想にすぎないのか。矛盾した想いの中で模索する様子がよく描かれていた。
    ただ、そこに至るまでの、結婚への失望とか悲観とかが読みたかった。

    仮装だけ際立って良かった。
    主人公の父親の気持ちも、家を出て行った母親の気持ちも、どちらも分かる気がする。
    読み終えたあとは子供が愛しくなった。
    私も子供をみているつもりで、でも単に自分だけをみていたのだと思う。柔らかな髪や、つややかな頰は確かに子供の、この子だけのものなんだと実感した。
    マザーズも良かったし、金原ひとみにはどんどん母親とか育児とかを描いてもらえたら嬉しい。

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著者プロフィール

1983年東京都生まれ。2004年にデビュー作『蛇にピアス』で芥川賞を受賞。著書に『AMEBIC』『マザーズ』『アンソーシャルディスタンス』『ミーツ・ザ・ワールド』『デクリネゾン』等。

「2023年 『腹を空かせた勇者ども』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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