青年のための読書クラブ

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 2226
レビュー : 410
  • Amazon.co.jp ・本 (231ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103049517

感想・レビュー・書評

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  • 「青年のための」というタイトルなんですが、完全なる女子高校の中の話。
    女子校!
    私自身も女子校だったので(小学校から大学まで!)、女子校の独特の世界を知っています。
    この本の中の女子校は基本的にはお嬢様学校で、由緒正しい家柄の乙女たちの集団といった感じです。
    そんなお嬢様系の女子校で起こった珍事件を「読書クラブ」の部員がまとめたもの…という形式のストーリーでした。
    私の通っていた女子校は、家柄は由緒正しい人たちも多かったですが、けして「お嬢様系」の学校ではなく、私を代表するような活発なタイプの多い学校だったので、この本の中の学校と共通することなどなにもない? と思って読み進めていたのですが、女子校ならではのエピソードがたくさん出てきてニヤニヤしっぱなしでした。
    特に乙女ばかりの女子校に男勝りの子がいると「王子様」のような扱いになって、多くの乙女が目をハートにさせて追いかける様子とか(笑)(笑)
    アルアルアルーー
    (ちなみに私自身は男勝りだったのかは謎ですが、身長も高いし髪もずっと短いし、割と後輩にハートの目で追いかけられるタイプでした)

    第一話の、家柄の正しくない、途中から入ったちょっと臭くて皆に嫌われている女子を読書クラブの一員がみんなの「王子様」に仕立て上げていく話がツボでした。
    裏工作と、それにひっかかっていく乙女たちがおっかしいのなんの。

    一方、第二話ではその女子校を創立したフランス人の創立時のエピソードが綴られています。
    この話にはポロッと涙がこぼれました。
    なんと切ないのでしょう。

    三話、四話は乙女ばかりの学校に新しい時代の波が少しずつ入ってきて、不良っぽい子が巻き起こす事件と、乙女が豹変してロックスターになる事件について。

    そして五話では、第一話で登場した醜い容姿だけれど頭はとてもいい乙女が大人になった後の話が出てきていて考えさせられました。
    学生時代は容姿ばかりがもてはやされ、容姿の優れないものは目立ちもしなかったけれど、結局大人の世界に出たらやっぱり中身で勝負するべきなのでしょうね。


    一環して、「読書クラブ」のクラブ員は男言葉で話をしているので「青年のための」というタイトルになっています。
    乙女ばかりの女子校の中のはみ出し者たちの集団が男言葉を使って語っている様子は、女子校育ちの私にはとても納得するものがありました。

    アッパレ! 女子校!!

  • 乙女だらけの学園で、“異形”の少女たちが正史には残らない裏の学園史を書き綴る物語。
    物語は時系列順に並び、過去から少し未来へと繋がっていきます。

    幼等部からのエスカレーター式女学園ということがあり、女の子同士の友情や、いわゆるエスと呼ばれる関係が数多く出てきますが、女に囲まれて女に友情以上の感情を持つようになっても、所詮はひとりの小さな女の子なんだなぁと思いました。
    その小さな女の子が学園にもたらす数々の闇の歴史は、とてつもないものだったりもしましたが。
    変わらないものはないけれど、いつまでも夢を見ていたいのは、きっと誰もが同じだと思います。

  • 色々意外性もあり、やっぱりぶっ飛びもあり。
    描写が容赦ないんだよね

    読書倶楽部にまつわる歴史

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「描写が容赦ないんだよね」
      伝説とか神話と同じですからね。。。
      「描写が容赦ないんだよね」
      伝説とか神話と同じですからね。。。
      2013/02/25
  • 最終章に出てきた女性議員が、俺の中で完全に井脇ノブ子だった

  • 名門お嬢様学校、聖マリアナ学園には
    アウトローが集う「読書クラブ」があった。そこで語り継がれる珍事件の数々とは…。

    『史上最強にアバンギャルドな桜の園の100年間』様々な波乱の時代を駆け抜けた
    彼女たちが行きつく世界は何処なのか…。昨年「桜庭一樹奇譚集」を読んだのですが
    そこに収録されていた一篇を彷彿とさせるタイトル。どうやらその短篇作品は本作の
    冒頭を飾るはずだった、らしい。毎度のことながら、桜庭さんの描く女の子たちは
    本当に魅力的で、たまらなく愛おしい。親父顔のアザミ先輩なんて最高でした!

  • 98:時系列を追っていくやりかたといい、作中の登場人物の手記という形式といい、桜庭さんのお得意そうな作品。舞台が舞台だからか、それとも手記という客観性ゆえか、舞台を見ているようというか、作中作というか、そんな作り物めいた儚さと美しさ、透明感を感じました。引用されている古典の使い方もお上手で、スムーズに読了。読書クラブ、いいなあ……!

  • 伝統ある良家の少女ばかりが通う女学園の年代が違う子女(庶民の出もいる)の話です。
    舞台が同じなだけの短編集かと思いましたがつながっていてびっくり!
    それにマリア様がみてるを思い出しました。
    マリみてよりエグイというかリアルよりというか。

    アウトローというだけあって少女らしからぬ異形者ばかりでした。
    十代の少女特有のイタサがあって私も心がチクッとしました(笑)
    多分、人間の中でも「十代の少女」というどの世界とも交わらない異世界があるんでしょうね。

    ただ私はずーっと共学だったから女子高ってこういう感じなの?って思っちゃいました。
    女子高未経験だから女子でも未知の世界としか思えません(笑)

  • +++
    東京・山の手の伝統あるお嬢様学校、聖マリアナ学園。校内の異端者だけが集う「読書クラブ」には、長きにわたって語り継がれる秘密の〈クラブ誌〉があった。そこには学園史上抹消された数々の珍事件が、名もない女生徒たちによって脈々と記録され続けていた――。今もっとも注目の奇才が放つ、史上最強にアヴァンギャルドな“桜の園”の100年間。
    +++

    お嬢様学校の誉れ高い聖マリアナ学園が舞台の物語なのだが、学園物語という言葉から連想されるのとはいささか趣を異にする世界が繰り広げられている。そもそも、聖マリアナ学園の成り立ち方からして尋常とは言えず、すでにそこには異端の匂いが色濃く漂っているのである。だが、女の園の常としての偶像崇拝的な恋愛ごっこや、二大勢力の学内戦争などは、これでもかというほど盛り込まれており、その二大潮流から外れたところに存在する「読書クラブ」こそがこの物語の本流であるというところが、もっとも聖マリアナ学園らしいとも言えるのである。詰まるところ、本作は、読書クラブ員たちが代々秘密裏に書き綴ってきた「読書クラブ誌」そのものなのである。赤レンガの部室棟の倒壊とともに姿を消した読書クラブだが、中野の某所で密かに生き続けているラストシーンで思わずにんまりしてしまう。著者らしい一冊だった。

  • 乙女の園の、しとやかな、でも抑圧のないのびのびとした少女たちに愛おしさを感じて読了です。
    少女は何歳になっても、心のなかに生きているのだと、最後は少し涙が出そうになりました。
    女子校を舞台に、時代は移り変わりますがかつて女学生だった人がOGとしてでてきたりと、短い章がゆるやかに、でも確かに繋がっていてよかったです。
    図書館で借りて読みましたが、買って手元に置いておきたい。
    桜庭小説の他もきになるところ。

  • 歴史あるお嬢様学園の栄枯盛衰100年間を学園の異端児達が集まる読書クラブが学園の事件とともに綴った連作短編。
    作品中に登場する小説を読んでたらより楽しめます。

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著者プロフィール

桜庭 一樹(さくらば かずき)
1971年、島根県生まれの小説家。
1999年「夜空に、満点の星」で第1回ファミ通エンタテインメント大賞小説部門佳作を受賞しデビュー。
『赤朽葉家の伝説』で第60回日本推理作家協会賞(長編及び連作短編部門)、『私の男』で直木賞を受賞。他の代表作に『GOSICK -ゴシック-』『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』『赤朽葉家の伝説』などがある。
ゲームのノベライズやライトノベル作品や、山田桜丸名義でゲームシナリオを手がけるなど幅広く活躍している。

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