- Amazon.co.jp ・本 (231ページ)
- / ISBN・EAN: 9784103049517
感想・レビュー・書評
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小さいときからの活字中毒の私にとって、本のタイトルだけでも共鳴します。読んでみたらタイトルだけではなく、学校に溶け込めない歴代の異才学生たちが紡ぐ五話の物語、文章も読みやすく面白かったです。
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桜庭作品の中でも、好きな一作。ふんだんに散りばめられる文学の香りと閉鎖的な女子校の雰囲気。少年レーベル出身の作者だが、少女漫画の匂いを感じるのは私だけではないだろう。少年ぽく見える少女を理想の王子に仕立て上げ……、というシチュエーションだけでもう頁をめくるのがもどかしいくらい。女子を甘いだけでなく、醜く苦いものとしても書けるのは女性作家ならでは。
桜庭一樹の作品を一作あげよ、と言われれば私は間違いなくコレなんだけれど、女性にしか共感しにくい作品ではないだろうか。読む人を選ぶ作品。 -
女子校ファンタジーを突き詰めた本(だと勝手に思ってる)。漫画版もおすすめ。
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面白かった。時代が流れるのははやい。
昔のことも残る。アナログでも。
歴史。 -
フランスからの宣教師、マリアナが設立した「聖マリアナ学園」。
由緒正しき生徒会と芸術高い演劇部が覇を唱える中、
深い森の奥にひっそりと佇む埃っぽい赤煉瓦ビルには
独自の文化を築く「読書クラブ」があったのである。
初桜庭さん。読みやすい。
学園の裏の事件を、読書クラブ史として纏められた形。
『儚き羊たちの祝宴』も読書クラブ的なものがあったけど、
品格がまるで異なる。笑
【烏丸紅子恋愛事件】
教室にひとり、男がいる。
貧乏の臭いと美しい顔を持つ、烏丸紅子は偽王子として担ぎあげられる。
卒業までの二年弱、アザミには目的が出来た。学園を支配してから去るという、目的が。
【聖女マリアナ消失事件】
「神など、おらぬ。
悪魔も、おらぬ。
諸君、世界は南瓜の如く、空っぽなのである!」
聖マリアナ学園が出来るよりも昔、1900年初頭のフランス。
シスター・マリアナと古本屋で働く兄・ミシェールのおはなし。
「妹を、ぼくとして葬ってほしい」
【奇妙な旅人】
「たいへんだ。生徒会六本木化計画が実行されつつあるぞ・・・」
バブルの煽りで成金の娘たちが聖マリアナ学園にも現れた。
扇子を振り踊る娘たちは、学園を改革しようと画策した。
【一番星】
よって、暗黒の読書クラブ詩に、ルビー・ザ・スターの暗黒部分を隠すところなく、ぼくは記そう。
苺の香水を嗅いだ山口十五夜は、ロックバンド「人体模型の夜」を結成し
聖マリアナ学園をジャックした。
【ハピトゥス&プラティーク】
・・・・・・自分が「ブーゲンビリアの君」と呼ばれ、憧れられ、追われ、憎まれているという恐ろしい事実を!
由緒正しき栄光の読書クラブは、今や五月雨永遠ひとりが属するのみとなった。
崩落する赤煉瓦ビルとブーゲンビリアの花。
ご清聴ありがとう。若い人たち。では、よき人生を。 -
よくありがちな設定な気がするけど、楽しんで読めました。
女たちの世界の煌びやかなほうじゃなくて、影の部分の人たちにスポットを当ててるのが、これもありがちなのかもしれないけどおもしろかったです。
余談ですが、昔見た、ある女子高の演劇を思い出しました。
雰囲気が独特で、公立高校の私たちは圧倒されましたね…
演劇自体も、彼女たちの普段の様子にも…
彼女たちはきっと学校の中では輝いた存在だったんでしょう。 -
話が途切れがちという理由で短編集嫌いな俺が
初めて短編集の良さに気づいた作品
舞台はとあるお嬢様学校でそこにある青年読書クラブ
が巻き起こす(巻き込まれる)喜劇・悲劇が描かれている
異端をはじき出す社会に本当の美は生まれない
そんな異端だらけの読書クラブが個人的には好きです
異端とは個性の発露
没個性になるくらいなら異端でありたい
浮いている子?それ私のことじゃない
なんて人におすすめ
強いて言うならダークな御伽話集
お嬢様学校はもしかしたらこうかもしれない
と偏見ができてしまった
そうじゃない事を誰か証明してください。。。 -
ネガティブな時には読めない。
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桜庭先生の世界観が炸裂してる作品。
少女達は何を感じて生きているのだろうか。 -
女子校を舞台にした小説。
少女というのは、それ自体がひとつの性別なんだろうな。女とはある意味、別物。
こういう耽美な感じに憧れます。 -
学園モノは好きではないと思っていたのが失敗。
こんなに面白いならもっと早く読み進めればよかった。
なんでこんなに好きなんだろう、桜庭一樹さんの世界が。 -
現実離れした舞台
ありふれた少女
現実と非現実の狭間の小説だから自己投影も憧憬も抱ける
同じ高一として絶対にこんなこと巻き込まれないし、言葉遣いや「ずべこう」とかそういうところもありえないけどなんだろう、共感するところがあって、応援したい気持ちになる -
お嬢様が通う、聖マリアナ学園100年の歴史の中で珍事件が起こります。
この本の中では、5つの事件が起こり、
それを歴代「読書クラブ」員がクラブ誌に記録していきます。
どの事件も、女の子がアイドルを追いかけるような
冷めやすい熱気を持っていて、確かに珍事件ばかり。
読んでいくうちに、だんだん
次はどんな事件が起こるのか気になって、
読み耽ってしまいました。
桜庭さんの独特の文体がクセになりそうです。
また他の本も読んでみたいです。
なぜタイトルは「青年のため」なのかよく分からなくて、
自分の読解力のなさにがっかりしました。
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「烏丸紅子恋愛事件」「聖女マリアナ消失事件」「奇妙な旅人」「一番星」「ハビトゥス&プラティーク」の5編を収録。