青年のための読書クラブ

著者 :
  • 新潮社
3.73
  • (270)
  • (398)
  • (477)
  • (50)
  • (7)
本棚登録 : 2437
感想 : 425
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (231ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103049517

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • お嬢様女子高の歴史とループ。
    途中から、これがライトノベルなんだろうかとちょっと飽きてきた。
    これが一家の話になると赤朽葉家で、あっちは文句なしに面白かった。進化したのか。でも王子ってのは好き。

  • 小さいときからの活字中毒の私にとって、本のタイトルだけでも共鳴します。読んでみたらタイトルだけではなく、学校に溶け込めない歴代の異才学生たちが紡ぐ五話の物語、文章も読みやすく面白かったです。

  • 桜庭作品の中でも、好きな一作。ふんだんに散りばめられる文学の香りと閉鎖的な女子校の雰囲気。少年レーベル出身の作者だが、少女漫画の匂いを感じるのは私だけではないだろう。少年ぽく見える少女を理想の王子に仕立て上げ……、というシチュエーションだけでもう頁をめくるのがもどかしいくらい。女子を甘いだけでなく、醜く苦いものとしても書けるのは女性作家ならでは。
    桜庭一樹の作品を一作あげよ、と言われれば私は間違いなくコレなんだけれど、女性にしか共感しにくい作品ではないだろうか。読む人を選ぶ作品。

  • 女子校ファンタジーを突き詰めた本(だと勝手に思ってる)。漫画版もおすすめ。

  • 面白かった。時代が流れるのははやい。
    昔のことも残る。アナログでも。
    歴史。

  • 耽美で、青春で、美しく、毒々しい。
    だけれど、そこまで苦くなく、ライトな耽美ミステリー。

    読みやすくてすいすい読めちゃいます。

  • フランスからの宣教師、マリアナが設立した「聖マリアナ学園」。
    由緒正しき生徒会と芸術高い演劇部が覇を唱える中、
    深い森の奥にひっそりと佇む埃っぽい赤煉瓦ビルには
    独自の文化を築く「読書クラブ」があったのである。

    初桜庭さん。読みやすい。
    学園の裏の事件を、読書クラブ史として纏められた形。
    『儚き羊たちの祝宴』も読書クラブ的なものがあったけど、
    品格がまるで異なる。笑

    【烏丸紅子恋愛事件】
    教室にひとり、男がいる。

    貧乏の臭いと美しい顔を持つ、烏丸紅子は偽王子として担ぎあげられる。


    卒業までの二年弱、アザミには目的が出来た。学園を支配してから去るという、目的が。
    【聖女マリアナ消失事件】
    「神など、おらぬ。
    悪魔も、おらぬ。
    諸君、世界は南瓜の如く、空っぽなのである!」

    聖マリアナ学園が出来るよりも昔、1900年初頭のフランス。
    シスター・マリアナと古本屋で働く兄・ミシェールのおはなし。


    「妹を、ぼくとして葬ってほしい」
    【奇妙な旅人】
    「たいへんだ。生徒会六本木化計画が実行されつつあるぞ・・・」

    バブルの煽りで成金の娘たちが聖マリアナ学園にも現れた。
    扇子を振り踊る娘たちは、学園を改革しようと画策した。
    【一番星】
    よって、暗黒の読書クラブ詩に、ルビー・ザ・スターの暗黒部分を隠すところなく、ぼくは記そう。

    苺の香水を嗅いだ山口十五夜は、ロックバンド「人体模型の夜」を結成し
    聖マリアナ学園をジャックした。
    【ハピトゥス&プラティーク】
    ・・・・・・自分が「ブーゲンビリアの君」と呼ばれ、憧れられ、追われ、憎まれているという恐ろしい事実を!

    由緒正しき栄光の読書クラブは、今や五月雨永遠ひとりが属するのみとなった。
    崩落する赤煉瓦ビルとブーゲンビリアの花。


    ご清聴ありがとう。若い人たち。では、よき人生を。

  • 初桜庭一樹作品。
    ライトノベルのような感じで、読みやすかった。
    しかも短編集みたいな感じなので、そこも好きだな。
    名門お嬢様学校の異端児が集まる読書クラブ。
    学園史上抹殺された事件を密かに語り継がれているクラブ誌が集められた本って感じです。
    舞台は同じ学園ですが、年代が違う。
    学園が創設された1919年から翌年には男子高と合併することが決まった2019年の100年の間のお話。
    他の年代に登場した人物の再登場もあったりして、ニヤニヤしたりしちゃいました。

  • なんか、変な本です。何が変って、閉ざされた秘密の花園の中で更に閉ざされ忘れ去られた場所に棲息する、読書クラブ員という変な人達の本です。

    (以下は本文より引用・抜粋)
    時が経てばここも砂塵となり、風に押されて粉々に吹き飛ぶのであろう。わたしたちも老い、いったいいつまで生きていられるのかわからぬこころもとない存在だ。
    だが考えてみるに、ミシェールが消えた後に我々がやってきたように、いつの時代も、我々のような種類の者は存在する。若者は悲しく、回り道をぐるぐると雄々しく生きてゆく。なるほど、我々はかほどに老いたが、明日は常に誰かの―つまりは貴方の、輝く未来である。おぉ、それで十分ではないか?それがつまりは、生きたということではないか?いまは、黄昏。喪失の前の、一瞬の覚醒。我々は消えるのだろう。未来を若者に託し、砂塵となり、風とともに消えることに、なんの不満があるものか。乙女よ(そして青年よ!)、永遠であれ。世がどれだけ変わろうと、どぶ鼠の如く、走り続けよ。砂塵となって消えるその日まで。雄々しく、悲しく、助け合って生きなさい。
    ご静聴ありがとう。若い人たち。では、よき人生を。

    二〇十九年度 読書クラブ誌
    文責 <ブリキの涙>


    聖マリアナ学園で、読書クラブ員達が暗黒の読書クラブ誌に書き残した事って、私達が今このblogに載せる行為とあんまり変わらないよね。一瞬で吹き抜ける風を捕らえようとして足掻いてる感じが。
    なんかその、曖昧で不安定だけど、確かにいたんだ、ここにいるんだよって主張する雰囲気が、とても好きな本でした。

  • 大袈裟に誇張された描写が男子禁制「女子高」を生々しさのないファンタジーな舞台へと押し上げ、あの独特な排他世界を逆説的なリアルさを持って体験出来る。
    そう、外の世界からみたら大仰にみえるけれど、乙女の園ではそれが常識なのだと。
    時代の流れと池のごとき外からの刺激もなく隔離された場、そしていつでも穢れ無き恋に恋する乙女。
    そして時代は流れ、秘密の花園は幕をひく…。
    それぞれの時代の乙女達が面白かったが永遠の乙女達に思いを馳せられるラストでよかった。

  • よくありがちな設定な気がするけど、楽しんで読めました。

    女たちの世界の煌びやかなほうじゃなくて、影の部分の人たちにスポットを当ててるのが、これもありがちなのかもしれないけどおもしろかったです。

    余談ですが、昔見た、ある女子高の演劇を思い出しました。
    雰囲気が独特で、公立高校の私たちは圧倒されましたね…
    演劇自体も、彼女たちの普段の様子にも…
    彼女たちはきっと学校の中では輝いた存在だったんでしょう。

  • 場所は小・中・高等部ならびに系列の大学まであるカトリック系女学校、時代は1919年から2019年までの100年間、主要登場人物は変わり者がひっそりと集まる読書クラブの面々です。ちょっと百合百合してます。

  • 話が途切れがちという理由で短編集嫌いな俺が
    初めて短編集の良さに気づいた作品

    舞台はとあるお嬢様学校でそこにある青年読書クラブ
    が巻き起こす(巻き込まれる)喜劇・悲劇が描かれている

    異端をはじき出す社会に本当の美は生まれない
    そんな異端だらけの読書クラブが個人的には好きです

    異端とは個性の発露
    没個性になるくらいなら異端でありたい
    浮いている子?それ私のことじゃない
    なんて人におすすめ

    強いて言うならダークな御伽話集
    お嬢様学校はもしかしたらこうかもしれない
    と偏見ができてしまった

    そうじゃない事を誰か証明してください。。。

  • ネガティブな時には読めない。

  • 桜庭先生の世界観が炸裂してる作品。
    少女達は何を感じて生きているのだろうか。

  • 女子校を舞台にした小説。

    少女というのは、それ自体がひとつの性別なんだろうな。女とはある意味、別物。

    こういう耽美な感じに憧れます。

  • 学園モノは好きではないと思っていたのが失敗。
    こんなに面白いならもっと早く読み進めればよかった。
    なんでこんなに好きなんだろう、桜庭一樹さんの世界が。

  • 現実離れした舞台
    ありふれた少女
    現実と非現実の狭間の小説だから自己投影も憧憬も抱ける
    同じ高一として絶対にこんなこと巻き込まれないし、言葉遣いや「ずべこう」とかそういうところもありえないけどなんだろう、共感するところがあって、応援したい気持ちになる

  • お嬢様が通う、聖マリアナ学園100年の歴史の中で珍事件が起こります。
    この本の中では、5つの事件が起こり、
    それを歴代「読書クラブ」員がクラブ誌に記録していきます。

    どの事件も、女の子がアイドルを追いかけるような
    冷めやすい熱気を持っていて、確かに珍事件ばかり。

    読んでいくうちに、だんだん
    次はどんな事件が起こるのか気になって、
    読み耽ってしまいました。

    桜庭さんの独特の文体がクセになりそうです。
    また他の本も読んでみたいです。


    なぜタイトルは「青年のため」なのかよく分からなくて、
    自分の読解力のなさにがっかりしました。

  • 「烏丸紅子恋愛事件」「聖女マリアナ消失事件」「奇妙な旅人」「一番星」「ハビトゥス&プラティーク」の5編を収録。

全425件中 121 - 140件を表示

著者プロフィール

1971年島根県生まれ。99年、ファミ通エンタテインメント大賞小説部門佳作を受賞しデビュー。2007年『赤朽葉家の伝説』で日本推理作家協会賞、08年『私の男』で直木賞を受賞。著書『少女を埋める』他多数

「2023年 『彼女が言わなかったすべてのこと』 で使われていた紹介文から引用しています。」

桜庭一樹の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×