- Amazon.co.jp ・本 (231ページ)
- / ISBN・EAN: 9784103049517
感想・レビュー・書評
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出版社 / 著者からの内容紹介
東京・山の手の伝統あるお嬢様学校、聖マリアナ学園。校内の異端者だけが集う「読書クラブ」には、長きにわたって語り継がれる秘密の〈クラブ誌〉があった。そこには学園史上抹消された数々の珍事件が、名もない女生徒たちによって脈々と記録され続けていた――。今もっとも注目の奇才が放つ、史上最強にアヴァンギャルドな“桜の園”の100年間。
内容(「BOOK」データベースより)
東京・山の手の伝統あるお嬢様学校、聖マリアナ学園。校内の異端者(アウトロー)だけが集う「読書クラブ」には、長きにわたって語り継がれる秘密の“クラブ誌”があった。そこには学園史上抹消された数々の珍事件が、名もない女生徒たちによって脈々と記録され続けていた―。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
少し妖しげな「マリ見て」(コバルト文庫)という感じ。
聖マリアナ学園校内にひっそりと居を構える「読書クラブ」
マリアナ学園の裏の歴史ともいえる事件が起こった時、任意で選ばれた書き手がそれを秘密のクラブ誌に記すことになっているのだが、この本はそのクラブ誌に書かれた(書かれる)5つの事件の物語である。
ちょっと雰囲気が劇団「惑星ピスタチオ」の舞台、『レコンキスタ』に似てるかも。
(大和さんの烏丸紅子とか、見てみたかったなぁ)
異形の少女たちの、異形のクラブ。
女子高時代に私も作ってみればよかったわ。 -
読書っていいよね。
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20世紀初めに修道女聖マリアナによって建てられた伝統ある女子高、聖マリアナ学園。
その敷地の辺境、崩れかけた赤煉瓦ビルの3階にある読書クラブ。
ここには代々のクラブ員が、学園の正史からは抹殺された裏の事件を書き記したクラブ誌があった。。。
面白かったです~!構成がとても凝っていて、最後の最後まで楽しめました。
特にラストの章は思わずニヤリ。
「烏丸紅子恋愛事件」「聖女マリアナ消失事件」「奇妙な旅人」「一番星」「ハビトゥス&プラティーク」の5編からなる連作短編集。
なのですが、この5編で学園の100年史となっているのです。
それぞれの時代の雰囲気や風俗が反映された女学生たちの行動も読んでいてとても楽しかったです。
戯曲じみた、大仰な言い回しや耽美な世界は好き嫌いあるかもしれませんが、この物語にはぴったり。
こんな話だとは思ってもいませんでした。とても楽しい読書でした。 -
正にツボな物語。女の子とはこういう生き物なのです。
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今までに読んだことのないジャンル。これも図書室の先生に薦められて。「今時の女子高生の気持ちが、なんとなくわかるわよ」と。しかも、桜庭一樹が女性だということも、初めて知った。文体も興味深くて、内容も「へ~!」とおもしろかった。女子高が舞台なので、確かに、こんな気持ちで生活している生徒、いるだろうな・・・と思いながら楽しめた。
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名門お嬢様学校の聖マリアナ学園のアウトローが集う読書クラブでの珍騒動がドタバタな感じで面白い。
5つの話で構成されているのだが、どれも封鎖的でマニアックな空間で繰り広げられ、足を踏み入れたが最後、どんどん引き込まれる。
「ハビトゥス&プラティーク」(慣習と振る舞い)という謎の喫茶店では、もういいおばあちゃんとなり、人生のスピードをゆるめ第2の人生を謳歌しているかつてのOGがコーヒーを飲み、読書をしている。
何とも温かい場面である。 -
面白い!!1つ1つの事件も引き込まれたし思春期の少女故の残酷さだとかもしっかり描写されている 烏丸紅子恋愛事件が特に良かった色々考えさせられたし
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本好きで、『マリア様がみてる』とか好きならたぶんかなり好き。
お嬢様女子高の文芸部に脈々と受け継がれる秘密の部誌の記述をめぐるミステリ。
伝統あるお嬢様学校もののお約束満載。 -
初めて手にする桜庭作品が本当にこれでよかったのか……(苦笑)。聖マリアナ学園の正史には残らない珍事件を書き綴った読書クラブ誌という存在がすでにもう、この世界のアクの強さをにおわせているのに、出てくる登場人物がまたギトギトしているというか強烈で、正直自分はこれを読んでどういう感想をもてばいいのだろうと、自分の気持ちなのによくわからず、途方にくれてしまった。面白いかどうか聞かれれば、癖がありすぎて微妙だが、不思議と吸引力がある作品だと思う。
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時代が移り表層は変わっても、少女は少女。潔癖で傲慢、移り気で残酷で傷つきやすくて。あの頃に欲しかったなあ、読書クラブ。
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桜庭一樹の作品で一番好き。
終わりかたもすっきり纏まるし、読んで良かったです。 -
2010年七月再読。
乙女たちの集う聖マリアナ学園に、ひっそりと生息する異形の少女たちの集う「読書クラブ」そして少女たちは学園の正史に残ることのない裏の歴史を読書クラブ日記に書きついでゆく。
第一話の烏丸紅子恋愛事件が一番好き。
読書クラブOGたちのたむろする喫茶店に行ってみたいなぁ。 -
ミッション系女子高の閉鎖的で古めかしい雰囲気。
赤煉瓦ビルの薄暗く雑多な空気が好き。
聖女マリアナ消失事件が一番面白かった。 -
男装の麗人というか王子にすごい憧れるんで
読んでてすごく楽しかった~^^
読書クラブっていうのもいい!馬のはく製にのって本読みたーい! -
引き込まれるように読んでしまった。
時間軸が繋がっていて最初から最後まであっという間に読み終えてしまいました。
続編が出来たら読んでみたい。 -
旧きよき時代(?)の女子校、というより女学校(ミッションスクール)が舞台。
うん、おもしろいっ。
読書クラブっていうのも。そこに集う面々も。
毎回、読書クラブのだれか(そして、そのだれかはあくまで脇役、思いっきりの脇役)が記録者というスタイルも。
桜庭さん自身のことばによる「古めかしくて仰々しい、翻訳物の三人称文体」が、フンイキを盛り上げてくれる。ほんと、ぴったり、しっくり。文体じたいが、ものすごぉく魅力になってる(って、ナマイキな感想だ・汗)
こういう世界も、好きだなぁ。
1章から5章まで、でてくるキャラたちが、こい。ほんとに、こい。こすぎっ。
ミッションスクールの閉鎖的なとこと、風とか、校舎とかのフンイキと、キャラの強烈さの対比が、とにかくおもしろい。たのしい。
そして。ラストも、いい。
「地獄の入り口のような、赤黒いドア」、こわいけど、開けてみたくなる……。
第3章 奇妙な旅人
*「なにを。正義感ってのは、誰かに迷惑をかけるものだ。だけど、だからこそ、それでも、常に正しいのだよ」
↑読書クラブ部長=高島きよ子のセリフ
かっこいい。
声に出して、読み返してみる。
……そうかぁ。そうなんだなぁ。
引用文献
『シラノ・ド・ベルジュラック』(エドモン・ロスタン)
『マクベス』(シェークスピア)
『緋文字』(ホーソン)
『紅はこべ』(バロネス・オルツィ)
マクベス以外、わからない。
読んでみたいな。 -
山の手の謎に包まれたミッションスクール。世に名高い伝統と格式ある乙女の園で、ひっそりと…かつ大胆に暗躍してきた「読書クラブ」の歴史。そこに代々と受け継がれてきた学園の秘密を書き留めた重要な史書~クラブ誌があった。女子高生の中途半端な心情&行動を様々な学園の珍事件を交えて巧妙に書いてあるオモシロイ話。
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一つ一つの話に引き込まれていった。