- Amazon.co.jp ・本 (231ページ)
- / ISBN・EAN: 9784103049517
感想・レビュー・書評
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舞台は聖マリアナ学園という女学校。
この学校の片隅には、はみだし者たちがひっそりと集う読書クラブがあります。
1920年の学園創設から、系列男子校と合併して女学校としては終わりを迎える2020年までのあいだ、読書クラブ員たちは学園の正史では語られない秘密をクラブ誌に綴ってきたのです。
10代の頃にはじめて読んだときは、ミュージカルっぽい大袈裟なセリフや展開に馴染めず、最後までしっくりこなかったのですが、30代になって再読したらおもしろさに気付くことができました。
この物語の終わり方も、当時より歳を重ねたからこそ味わい深く感じるのかもしれません。
再読してよかったなぁ…と思いながら読了。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
聖マリアナ学園・・・なんて激しき女の園・・・❗
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聖マリアナ学園の裏に隠された歴史の話。
女子校独特の何とも言えない儚さや反面、女のしたたかさや、住み分けのあるいわゆる特権階級と言われるその世界がすごくよく表現されていて、面白い反面、ゲッソリもした。それくらいよく描かれていると思う。
設定なども面白かった。
けれど、私には苦手な世界だった。-
私も先日読んだ本でしたので、拝見させていただきとても嬉しかったです(^○^)。
女子校の香りがぷんぷんしていていましたね( ̄^ ̄)ゞ。私も先日読んだ本でしたので、拝見させていただきとても嬉しかったです(^○^)。
女子校の香りがぷんぷんしていていましたね( ̄^ ̄)ゞ。2013/01/29
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都心で広大な土地に建つ聖マリアナ学園の南のおんぼろクラブハウスで異形の少女たちは集い、埃舞うなか、壊れかけのブリキの人形や演劇のロミオ、ジュリエットのドレス、地球儀などに囲まれた部室でアンティークカップで薄い紅茶を啜りながら各々に本のページをめくる。
少女だけの薔薇色の楽園の腐臭にさらされながらの毎日。読書クラブの面々はその時々で学園で起こった正史には決して残されない暗黒史をクラブ誌として残していく。楽園の誕生から、百年の後の崩壊までの珍事件集。
少女たちが「ぼく」と「君」で呼び合うラノベ調の文体に慣れるのに少し戸惑った。 -
最終章に出てきた女性議員が、俺の中で完全に井脇ノブ子だった
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東京山の手にあるお嬢様学校、聖マリアンナ学園。
いわゆる陰キャの部活として「読書クラブ」があり、
そこには秘密の手記がある。
女子高であるがために、毎年「王子」を決める風習のあるこの学園で
その「王子」争いが行われる。
きらびやかな演劇部や、トップな生徒会からそれは選ばれることが多いが、
ある年、誰からも注目も浴びておらず、学園の離れにある赤レンガの建物にひっそりと生息している読書クラブから「王子」を出そうと画策する。
という話や
そもそも、この聖マリアンナ学園がどうできたのか・・・の話や、
その年代年代で学内、そして読書クラブでおこった出来事の真実が
その「秘密の手記」に綴られていく。
私は最初の「烏丸紅子恋愛事件」にワクワクしたし、これだけでも映像化したら面白いのにって思った。
後は次の「聖女マリアナ失踪事件」もちょっとびっくりだし、切ないし、うわぁぁ~って思った。
ラストもよかった。
中野ブロードウェイ行った事ないんだけど、行ってみたいかも・・・。あるかな?w -
少女期ならではの集団的な滑稽さ★★★★★
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最後に読んだのはだいぶ前だから読み返したいな
こっちの方が全然平和だったけど、なんとなく暗黒女子とイメージというかコンセプト?が似てるような気がする -
創立100年になるとあるミッションスクールの高等部『読書クラブ』に受け継がれる手記の話
色んな年代の生徒たちの珍事件が様々な本に関連付けられて物語られている
伝統とそれぞれの時代感が面白かった -
面白かったけど、赤朽葉の伝説と既視感が。
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お嬢様女子高の裏の歴史を綴る読書クラブ、という設定は面白かったのだけど、クラブメンバーたちから読書への愛情を感じられなかった…。
タイトルの「読書クラブ」に惹かれて読んだので、そこが薄いのは残念。
連帯した少女たちが迎える結末は好き。 -
2016/1/24
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乙女よ(そして青年よ!)永遠であれ。世がどれだけ変わろうと、どぶ鼠の如く、走り続けよ。砂塵となって消えるその日まで。雄々しく、悲しく、助けあって生きなさい。
ご清聴ありがとう。若い人たち。では、よき人生を。
(P.230) -
初・桜庭一樹。次代の少女小説の担い手をみつけた。いつだって本を愛する少女は可憐で美しい。
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桜庭さんっぽいノリ。苦手だけど嫌いじゃない。烏丸紅子とロックンロールが印象的でした。ロックの話は多分ホーソンが出てきたせいかも。「緋文字」は高校の時に読んで途中で挫折しました。そうか、ヘスタのお相手の牧師さんは死んじゃったんですね。
高校生のあたしにはいろんな意味で難しすぎた作品だったけど、このお話を読んで家の本棚からもう一度余裕のあるときに引っ張り出してみようと思いました。
それにしても読書クラブって良い響きですね。
クラブっていうより倶楽部って書く方が似合ってるかも。有閑倶楽部みたいに。有閑倶楽部読んだことないですが。
ただの読書好きの集まりってわけでもなさそうですし、曲者という言葉が似合いそうな部員ばかりでした。
第5話でアザミたちが再登場して、その後が知れたのはなんか得した気分。アザミっぽい職業ですね。
表紙の切り絵っぽい装丁も素敵です。可愛い。 -
女学校にて繰り広げられる、珍事件の数々。個性的なキャラたちが微笑ましくおもしろいです。まんがチックだけど、文学の名作をモチーフにしていたり、少女たちの台詞が知的だったりして、なかなか心をくすぐられました。桜庭さんの作品はこれが初読ですが、他にも読んでみたくなりました。
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読書クラブは米澤穂信の『儚い羊たちの祝宴』に出てくるバベルの会をイメージしてしまった。一話と二話、結末が好き。相変わらず桜庭ワールド全開の言葉選びは嫌いじゃない。2011/257
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初読。
第一章1969「烏丸紅子恋愛事件」
第二章1919-1960「聖女マリアナ消失事件」
第三章1989「奇妙な旅人」
第四章2009「一番星」
第五章2019「ハビトゥス&プラティーク」
最初は今まで読んだ桜庭一樹の文章と比べてペラいような気がして
ラノベなのかな?と思ったけど、読み進めていくうちに気にならなくなりました。
リアルじゃない、とかはどーでもいいケレン味たっぷりのお伽話。
うん、私ねぇ、こういうの結構好きだわぁ!(笑)
「君、僕はね・・・」
あちこちに散りばめられた文学ネタ、
3作目でなんとなく嗅ぎとれる私の苦手な桜庭一樹臭
(一番星の十五夜あたりからするような・・・w)を避けながら
思いがけない楽しい読書の時間になりました。
最終章を読んで、彼女達、かつての少女達とは一つ一つの物語、
本そのもの、である、と、ふとそう思いました。
桜庭さんの読書絡みの作品があるなら、もっと読んでみたいなぁ -
この世界観とか言葉選びとか好きなんだけど、文学って感じはしない。かと言って大衆小説って感じでもないし、ラノベって感じもしない。たとえて言うならAR 的な文学で、物質感がない。でも、逆にそこがいい…。