対話篇

著者 :
  • 新潮社
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感想 : 41
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  • Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103051510

作品紹介・あらすじ

偶然の出会いの先に無限に広がる可能性から自ら選び取った、たった一つしかない奇跡、それが今、僕と君がこうやって向かい合っているということ-記憶を彩るすべての物語は、こんなかけがえのない「対話」から生まれているのかもしれない。不朽の名作中編集。

感想・レビュー・書評

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  • 3編から成る「人と人の対話」がメインテーマとなる一冊。
    ボリューム、内容ともにバランスの取れたよい内容であると思う。

    どこか寂しさや暗さを感じさせながらも、生き続けようともがく人。
    読むと、グッと来るものがある。

  • 3つともじわっときた。
    後悔がないように
    勇気を持って毎日をいきたい
    と思う本なのでした。

    ※ボクなりの要約

    「恋愛小説」※
    30を超えた僕は今でも
    英語の筆記体が読み書きが苦手だけど、
    14歳の頃、初めて真剣に好きになった彼女のコトをも想い出す。
    大学生のころの友人のコトを思い出すことをきっかけに。

    友人と呼べるかどうかってカンジの友人のコト。
    その彼が持つ、近しいひとに死を近づさせるコト。
    そんな彼とわかってても、
    それでもつき合う女性との会話を。


    「永遠の円環」※
    僕は大学生で好きな先輩がいるけど
    その彼女は不倫の後、自殺しちゃった。
    僕は、その不倫相手の教授を殺したいのに
    ガンで死を待つだけと思っている。

    で、ひとりの同級生に手伝ってくれと頼むと
    芸術的なやりかたで、殺してくれていた。
    その彼との会話を。


    「花」※
    動脈瘤を持ってしまった僕は
    手術をするのも、周りに告げるのも怖くて
    仕事も辞め、実家に戻り何もしないに等しい日々。

    そんななか、アルバイト話。
    最近著名な弁護士と、スターレットで
    東京から国道で1号、2号、3号線を使って
    元妻が亡くなった鹿児島のホスピスのとこまでに
    回想する彼と元妻との話と僕との会話。

  • 題材がどれも魅力的だった。

  • 通勤3回分で読み切れる長さ
    どのエピソードも別れの話だけれど、読了感は清々しいのは最後の「花」のおかげだと思います。
    全て男性目線で、エピソード感に仄かな繋がりを感じる。でも違う人の話。けれどみんな同じ後悔をしている。
    下手したらメロメロな恋愛小説になりそうなのに、とてもすっきりさわやかにまとめていて、金城さんのお話は不思議だなとおもいます。

    満員電車で本読むの遠慮してたのですが、もう気にしない。己のQOLの為に。周りの人には極力迷惑かけないようにしてますが、邪魔には思われるよね〜ごめんねごめんね〜!
    積本消化すっぞ!

  • 1つひとつの話が、主人公と誰かの対話によって展開していくといった印象を受けた。
    解明されないままの謎もあり、そこを想像しながら読むという楽しみ方もあると思う。読むたびに、その想像が変わっていくのも面白い。

  • 何気なく手にとった『映画篇』ではノックアウトされたので、期待して読み始めた分、前回より評価は下がるが、上手いなあと感心することしきり。レスペクトする作家なので今回はテレビドラマ『ボーダー』も見始めたけど、こっちは辛いなあ。

  • 金城ワールドに入っていけると読みやすい!所々SPを思わせる感じも…。2013.6完読

  • ミステリーでもサスペンスでも無いので、大きなオチがあるわけでは無い。
    それでも、読んでいる内にゆっくりと暖かさが心に広がる。
    愛と死を綯い交ぜにした、人間の関係性を読み取る事が出来る。

    話はザ・ゾンビーズ第3弾の『SPEED』につながっている。

    手元に残しておきたい小説。
    良作と言って差し支えなし。

  • 一番印象的だったのは永遠の円環ですが、一番好きなのは花でした。物語が対話からなっている、タイトルにふさわしい話たちです。

  • 忘れてしまう悲しさ。でもあたたかい。

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著者プロフィール

1968年埼玉生まれ。慶應義塾大学法学部卒。1988年「レヴォリューションNo.3」で第66回小説現代」新人賞を受賞。2000年『GO』で第123回直木賞を受賞。

「2020年 『映画篇』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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