エデン

著者 :
  • 新潮社
3.96
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感想 : 484
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  • Amazon.co.jp ・本 (250ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103052524

作品紹介・あらすじ

あれから三年-。白石誓は、たった一人の日本人選手として、ツール・ド・フランスの舞台に立っていた。だが、すぐさま彼は、チームの存亡を賭けた駆け引きに巻き込まれ、外からは見えないプロスポーツの深淵を知る。そしてまた惨劇が…。ここは本当に「楽園」なのだろうか?過酷なレースを走り抜けた白石誓が見出した結論とは。

感想・レビュー・書評

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  • 『サクリファイス』の続編。ヨーロッパに拠点を移し活躍する日本人サイクルロードレース選手チカ。アシストに徹する姿勢、フェアに闘う姿勢がすがすがしい。このシリーズ好き。

    • hibuさん
      ひとみんさん、こんにちは!
      私もこのシリーズ大好きです。チカの日本人らしい献身性とサイクルロードレースの知らなかった部分が知れるのが楽しいで...
      ひとみんさん、こんにちは!
      私もこのシリーズ大好きです。チカの日本人らしい献身性とサイクルロードレースの知らなかった部分が知れるのが楽しいです♪
      2024/01/29
    • ひとみんさん
      hibuさん、コメントありがとうございます!
      面白いですよね!!
      サイクルロードレースの知識が全くなかったので、競技しながらお話できるんだー...
      hibuさん、コメントありがとうございます!
      面白いですよね!!
      サイクルロードレースの知識が全くなかったので、競技しながらお話できるんだーとか基本的なところから驚きでした。続編も楽しみです!
      2024/01/29
  • あれから3年、白石誓はスペインのサントス・カンタンを経て、フランスのチーム、パート・ピカルデイに在籍している

    昨年のプエルタ・ア・エスパーニャ、今年はツール・ド・フランスと日本人が今まで数人しか走っていないグラン・ツールに二つも出場することになる

    ツール・ド・フランスは三週間かけて3000キロメートル以上を走る過酷なレースだ
    その間にはピレネーとアルプスの山越えもある

    大会の数日前にスポンサーが撤退、パート・ピカルデイは解散することが決まっていた 次の移籍先を見つけるためにはこの大会でのアピールが重要な鍵となる

    そんな時、監督からレース展開に関して思いもかけない戦略を提案される
    それは、同じチームのエースをアシストしてきた白石にとっては耳を疑いたくなる提案だった

    レース中の駆け引き、探り合いは、胃が痛くなりそうだが、その緊張感が読んでいておもしろい

    ロードバイクレースというのは、違うチームであっても利害が一致すれば、共同戦線を張り、一緒に戦う。敵であっても騙し討ちのような卑怯な勝ち方をする者はいない紳士のスポーツのようだ

    そしてレースが終われば、敵同士ではあっても同じ道程を行く仲間であるという

    TVでいいから、実際のレースの様子を見てみたくなった





  • 前作に感激し、シリーズ第2弾のコチラも!
    前作同様、ページ数少なく、サラッと読んでしまうことが出来ます。
    しかも、決して薄味ではなく、内容も充実!
    自転車に乗りたくなります!

  • 4.8
    とても面白かった。
    まだ、サクリファイスを読んでいないので、順番から言ってそっちを先に読んだ方がさらに楽しめたのではないかと思う。
    ツールの話を中心として、バランス良く、話がまとめられてます。
    読みやすく、集中して読みきれました。

  • 自転車ロードレースを舞台にしたサクリファイスの続編。前作でスペインのチームに移籍する話で終わったが、そこから2年が経過し、チカはスイスのチームの一員としてツール・ド・フランスに挑む。本格的なレースの話の中に、人間関係も交えて、今作もうまくまとめている感じがした。

  • またやってしまった。前作との間に3ヶ月しか挟んでいないのだが30冊挟んでしまったがために、すっかりサクリファイスの内容を忘れている。
    本作はカタカナのチーム名と選手名が多く、そのことにも悩まされた。(私がアホすぎるのだろう…)
    もうこのシリーズを読むのをやめようかと思ったが、サヴァイブとキアズマの他の方のレビューを拝見し、興味は持った。
    しかしサクリファイスを読み直したり、続けざまに読む必要がありそうだ。
    あ〜、他の作家さんの続けて読まなければ忘れそうな本もあるし、大変だあ。

    あ、本作の感想を。
    自転車競技が団体プレイであり、心理戦であり、紳士協定のような暗黙のルールがあることなどが前作以上に理解できた気がする。

  • 今作の舞台はスペインかと思いきや、フランス。しかも、自転車競技の最高峰ツール・ド・フランス。アジア人の出場者はほとんどいない中、日本人として出場。
    チームの解体に揺れながらそれでもサポートとして一生懸命戦う姿に心が動かされた。
    最後は悲しい内容もあったけど次回作が楽しみになった。

  • 前作ほど「アシスト」の魅力は前面に出ていないけど、今作は「仲間」というものが描かれていたように思う。
    チーム内の仲間、チームを超えた仲間。敵同士がひしめき合うプロトンでも、仲間となって協力して走ったりする。
    休養日よりもレース中の方がおしゃべりする時間がある、というのはおもしろい。やっぱり独特な競技だなー

    ニコラが戻ってくることを期待しつつ、続きを読みたいと思います。伊庭がここに参戦したらなお面白いのに。

    ちなみに裏表紙の黄色と白は、ニコラとドニ?

  • ツールがやってるときに読めたので、なかなかのタイムリー感。
    今年の日本人出場選手は新城選手だけで、状況が似てるから臨場感があった。

    夢がある。
    そういう所が嬉しかった。

  • ジロ・デ・イタリア2011、第3ステージでのウォートル・ウェイラント選手の事故死。あまりにも痛ましい事故で前作『サクリファイス』を思い出した。そして、それがきっかけとなり、この続編の『エデン』を読了。 何とも、、、本当に何とも言えない気分になってしまった。

    事故翌日のジロ第4ステージはウェイラント選手に捧げる追悼レースということで、全選手が喪に服してのニュートラル走行を行った。そして本作品にも追悼ランのシーンが出てくるのだ。本作品は2010年3月に刊行されたものだが、その1年後にまさかこんなことが起きるとは、、、

  • 前作同様ノンストップ!!!

    今度の舞台はヨーロッパ、ツール・ド・フランス。
    前作よりはミステリ要素は低め。
    けどノンストップノーブレーキ注意です。
    感想書こうとするとちょっと前作のネタバレになりそう。

    白石誓ことチカは相変わらずかっこよかった。
    前も書いたが名前がすごく好き。
    自分を犠牲にしてまでもチームメイトのために果敢に走る姿は
    文章だけだがとてもかっこよかった。

    そしてツール・ド・フランスの様子もリアルに描かれていて
    行きたい!!!!ってなったー
    今ツール・ド・ジャポンやってるから
    それまず行ってみたいよね。

    自転車レースの緊迫してる中でも
    レース中他のチームの人と会話したり作戦を練って駆け引きしたり
    そうゆうとこも他のスポーツにはなくておもしろい。

    リアルな部分が事細かに書かれているのは
    さすが近藤さんが自転車競技好きだからなのかな?
    けど好きなものを題材に文章が書けて
    なおかつそれが評価されるってすごく素敵で羨ましい。

    迫力満点の作品です!

  • 色々と大変だなと思いながらも、白石さんのプロ意識にはリスペクトしかないです。

    あくまでエースをサポートしていく姿勢に、置かれた自分の立場を超えていく葛藤した心理描写は読んでいて深く印象に残ります。

    終盤での事件の背景は、少し“うーむ”って首を傾げたくなりますが、結果的に次も見つかって、良かったと楽観的に受け止めてます。

  • 面白い。
    世界で一番有名な自転車レースを舞台に、ロードレーサー独自の勝負哲学や、悩みを織り交ぜて、レーサーたちの、炎のような一瞬の輝きを描く。

    ただ、山場が幾つもあるのに、そのどれもがあまりにも淡白過ぎな気がする。残念だ。

  • 本作を読んで、欧州の自転車ロードレースは相撲に似ているなと思ったんですよ。ここでトップを取るのは野暮だとか、勝ち方に美しさを求める感覚、そして外国人(ツールの場合はフランス人以外の選手)がちょっと違う目で見られているところとか。

    それはそれとして、とても好きな作品。淡々とした描写ながら読んでいて胸が熱くなります。

  • 続編のツールドフランス。名前は知ってたが、どんなレースなのかワクワクしながら読んだ。サラッと書いてるけど実際はもっと過酷なんだろう。クラフトワークのツールドフランスを久しぶりに聴いてみたくなった。

  • 『サクリファイス』の続編。ツールドフランスを走るロードレーサー達の話。
    ロードレースの駆け引きやレーサーから見た風景など、読んでいて引き込まれる。
    ただ話としては淡々としているので、『サクリファイス』で主人公の性格や過去について、分かっているからこその面白さかもしれない。

  • 『サクリファイス』の続編。『サクリファイス』に比べると少し落ちるけど、面白い。ロード・レースの駆け引きという点ではこっちの方が上かも。なんだかんだでアシスト向きなTHEジャパニーズな性格のチカがやっぱりカッコいい。更なる新天地、そしてニコラとの戦いを書いてほしいな。できれば伊庭も登場させて。たった2冊の小説で私をロード・レースの魅力に引き込んだ近藤史恵は凄い。2011/291

  • サクリファイスを学生のときに読み、心から感動して涙を流した。その続編が出ていたなんて!

    今度の舞台はツール・ド・フランス。
    主人公、白石誓は所属チームが解散の危機にあるが、移籍先は未定。
    チームメイトも監督も、それぞれが先のことを考えていてチームの気持ちはバラバラ。
    こんな状態でツールを戦えるのか。
    前作に劣らないレースの緊張感、選手たちの熱い思いに終始興奮しながら読んだ。
    何より、自分をヨーロッパに向かわせてくれた石尾の亡霊に励まされるように走る誓に心を打たれた。勝利は一人だけのものではない。それは命は一人だけのものではない、と言い換えることもできるような気がする。

  • 『サクリファイス』続編。舞台はついにツール・ド・フランス。チカの所属するチームは次のシーズンにスポンサーの撤退が決まっている。そして開催国であるフランスはここ数年自国の選手が表彰台のトップに上がっていない。そんな幾つかのしがらみがレース展開を複雑にしていく。この競技の興味深いところは、「チーム一丸となって勝利を目指す」という単純なものではないこと。敵チームと手を組むことも、仲間を犠牲にして自分が栄光を目指すことも当たり前にあるという点。だからこそ生まれる予期せぬドラマから目が離せなかった。

  • サクリファイス、エデン、サヴァイブと続く3部作の2作目。1作目のミステリ的要素を期待してしまったので、少し物足りなかったが、スポーツ小説として、サイクルロードレースの世界に十分引き込まれる。

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著者プロフィール

1969年大阪府生まれ。大阪芸術大学文芸学科卒業。1993年『凍える島』で「鮎川哲也賞」を受賞し、デビュー。2008年『サクリファイス』で、「大藪春彦賞」を受賞。「ビストロ・パ・マル」シリーズをはじめ、『おはようおかえり』『たまごの旅人』『夜の向こうの蛹たち』『ときどき旅に出るカフェ』『スーツケースの半分は』『岩窟姫』『三つの名を持つ犬』『ホテル・カイザリン』等、多数発表する。

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