サヴァイヴ

著者 :
  • 新潮社
3.63
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本棚登録 : 1778
感想 : 359
  • Amazon.co.jp ・本 (234ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103052531

作品紹介・あらすじ

他人の勝利のために犠牲になる喜びも、常に追われる勝者の絶望も、きっと誰にも理解できない。ペダルをまわし続ける、俺たち以外には-。日本・フランス・ポルトガルを走り抜け、瞬間の駆け引きが交錯する。ゴールの先に、スピードの果てに、彼らは何を失い何を得るのか。

感想・レビュー・書評

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  • 「サクリファイス」シリーズ3作目、6編収録の短編集。

    「老ビプネンの腹の中」
    老ビプネンとは、フィンランドのカレワラという神話に登場する巨人の神様。
    エデンの少し前、チカがフランスに移って4ヶ月ほどのころのお話。
    取材の対象を調べもせずに、煽っておもしろい発言を出させようとするような記者には「サクリファイスとエデンを読んでから出直してきたまへ」と言ってやりたい。

    「スピードの果て」
    サクリファイスの2年後で、終章のすぐ後ぐらい。
    我が強く勝気なエース気質で、脚質はスプリンター。誰よりも速く走り、勝利を手にすることを望む伊庭。そんな彼が思わぬトラウマを得、思ったように走れなくなる。
    伊庭の意外にナイーブな面が見られるが、反面、チーム内からの孤立・対立は気にしないのも彼らしい。
    最後にたどりついた結論も彼らしく、悔しさも笑顔も不敵を越えていっそ清々しい。
    伊庭目線のお話はまた読んでみたいな。

    「プロトンの中の孤独」
    赤城&石尾がオッジに入ったころのお話。
    石尾はわかるけれど、赤城もチームから浮いた存在だったとは驚き。

    「レミング」
    プロトンの――から2年後。
    オッジの単独エースになった石尾と、すっかり角が取れてきた赤城。
    石尾と周りとの緩衝材になり「石尾係」とまで呼ばれているが、肝心の石尾のほうにはまだ壁がある。
    そんな石尾が赤城に敬語を使わなくなる=垣根が取れた瞬間が描かれていて感慨深い。
    赤城のアシストとしての感情の発露がきっかけなのだが、そこから石尾の本当の意味でのエースの自覚ができたのかもしれない。
    アシストの夢を喰らって手にする重い勝利を背負い立つエースの。

    「ゴールよりももっと遠く」
    レミングの5年後。チカと伊庭がオッジに入った年。
    石尾は押しも押されぬエースとなり、オッジは彼のためのチームとなっている。
    描かれるのは、スポンサーあってのスポーツの闇の部分。仕方の無いことと思う気持ちと納得の出来ない気持ち、割り切れなさ……。
    石尾の静かで激しい、彼なりの抗議行動がかっこよすぎる。
    ラストシーンのふたりの会話がまたいい!

    「トウラーダ」
    エデンから数ヵ月後、ポルトガルに移ったチカ。
    一本目のチカ話と同じくドーピングがらみのお話で、死人は出ないものの、やるせなくてちょっと後味もよくない。
    ゴールよりも――のラストがとてもよかったので、そのまま終わってほしかったかも。

  • はー、面白かったなぁ。

    若手の頃の石尾さんと、石尾係になった赤城さんの絆に
    しびれた。たまらなくかっこいぃ。
    アシストって女房役でもあるんだね。
    赤城さんに魅かれる。

    伊庭の「スピードの果て」も良かった。

    ところどころ猛烈に懐かしくって(特に石尾&赤城)
    感動と切なさで、泣きそうになりながら
    読破。また「サクリファイス」から読み返したくなる。
    もう星5をつけたくなる!

    最後の「トウラーダ」(油断)は、スポーツの世界の厳しさを
    改めて突きつけられた。
    おぉ…爽快感が少し減り現実に戻った。星4に。


    それにしても、がむしゃらに戦う男たちは、かっこいいな~と
    このシリーズ読んで良かった・・・と心から思う。

    素敵だなーと思う本棚さんには、十中八九このシリーズがあって
    本棚に置いていた皆様に感謝したいです。

    「キアズマ」楽しみだけど、予約数が多くて
    気が遠くなりそうです。早く読みたい。

    • taaaさん
      まっき~♪さん、こんにちは。

      レビューを読ませていただき、
      弱虫ペダルの事が書いてあったので
      思わずコメントしてしまいました(^_...
      まっき~♪さん、こんにちは。

      レビューを読ませていただき、
      弱虫ペダルの事が書いてあったので
      思わずコメントしてしまいました(^_^;)

      私は弱虫ペダルでロードレースにハマり、
      近藤さんのこのシリーズを読んだのですが、
      文章であの臨場感を出せる事に感動し、
      また一人一人の心理描写なども丁寧に描かれていて
      大好きなシリーズになりました(^-^)

      私もまだキアズマ読めていません…
      読むのが楽しみですね♪
      そして、まっき~♪さんが読まれた時の
      レビューも楽しみにしています(*^^*)
      2013/11/01
    • まっきーさん
      taaaさん へ

      こんにちはー。
      いつも花丸ありがとうございますm(_ _)m

      弱虫ペダル、面白いですねー。
      原作読めずに...
      taaaさん へ

      こんにちはー。
      いつも花丸ありがとうございますm(_ _)m

      弱虫ペダル、面白いですねー。
      原作読めずにいますが、アニメが面白くって毎週楽しみでわくわくします♪

      実際にロードレースとか出来ないけど、作品を読んだり、
      見たりすると何か分かったような気になってしまいます(汗)

      taaaさんと、順序は逆なのですが
      弱虫ペダルと近藤さんの作品に出会えて良かったなぁ~と思います(o^∀^)
      読書って世界が広がっていいですよね♪

      キアズマ早く読みたいですが、予約数が・・・
      待つのも楽しみのうちの一つなので、ゆっくりと待とうと思います。

      taaaさんのレビューと本棚、素敵でいつも楽しみにしていますヽ(*’-^*)
      2013/11/01
  • 自転車ロードレースの話で、今回は短編集。1つはStory Seller1で読んだ事のある話だった。
    今までのような激しいレースシーンに興奮する事はないが、ロードレーサーの苦悩や葛藤が描かれていて、読み出すと夢中で読んでしまった。非常に面白かった。
    「サクリファイス」でも重要人物の石尾さんの話が読めた事が嬉しい。(3作あり、それぞれStory Seller1~3に収録されている模様)やはり、石尾さんは真のロードレーサーだった…。

    • 九月猫さん
      taaa('∀'●)さん、こんにちは!

      この短編集、石尾さん&赤城さんの過去話が読めて嬉しかったです♪
      「ゴールよりももっと遠く」の...
      taaa('∀'●)さん、こんにちは!

      この短編集、石尾さん&赤城さんの過去話が読めて嬉しかったです♪
      「ゴールよりももっと遠く」のラストで不覚にも萌えてしまいました(^^;)
      孤独なエース石尾さんの、夢を共有するようなあの言葉!
      赤城さんのことを心から信頼してるんだなぁって。

      そうそう!!
      taaa('∀'●)さんに教えていただいた「弱虫ペダル」、
      放送日が10月からに決まりましたね!
      漫画はまだ読めていませんが、アニメは楽しみです♪
      (どこの局なんだろう・・・見られる局だといいな(^^;))
      2013/06/03
    • taaaさん
      九月猫さん☆

      コメントありがとうございます(^-^)

      「サクリファイス」の時は私の中で無口なイメージだった
      石尾さんの人間らしい姿が読め...
      九月猫さん☆

      コメントありがとうございます(^-^)

      「サクリファイス」の時は私の中で無口なイメージだった
      石尾さんの人間らしい姿が読めたような気がして
      短編3作はとても面白かったです(*^^*)
      すっかり「石尾係」な赤城さんも良かったですね!
      確かにお互い信頼し合ってる姿は萌えます(笑)

      弱虫ペダル、どこの局でしょうか…
      私も楽しみです(*´∇`*)
      2013/06/03
  • 4.6
    面白かった、やはりスポーツ物は好きみたい。
    短編集ですが、話は繋がっていて、主人公も3人が代わる代わるという内容。
    近藤史恵さんの自転車物は初めてですが、もっと評判のいい本があるようなので、そっちも読みたいと思わせる内容でした。

  • サクリファイス、エデンに続く自転車ロードレース界を描く第3弾。前2作の過去、未来を収めた短編集。最初と最後には誓が、他の章では誓の日本でのチームメイトが主人公となって、描かれている。長編に比べ、比較的ミステリー色が強く、この作品の方が近藤史恵らしさを感じる。自分が興味があるから、最近目に付くのか、作品が書かれた時期より、メジャーになってきているのかは分からないけど、まだまだ誓の活躍が読みたいシリーズ。

  • 連作短編の形です。いつもの雰囲気はあるものの物足りなさもありました。個人的には最後にあの作品かな?と感じました。

  • 自転車レース

  • 読了。サクリファイスシリーズの外伝的な短編。日本ではまだメジャーではない自転車のロードレースが舞台。ロードとは団体競技か?個人競技か?そしてチームのエースとは?

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「サクリファイスシリーズの」
      シリーズになってたんだ!
      「サクリファイス」が文庫になったので、読もうかなと思っているところ。
      他のは文庫にな...
      「サクリファイスシリーズの」
      シリーズになってたんだ!
      「サクリファイス」が文庫になったので、読もうかなと思っているところ。
      他のは文庫になってるのかなぁ~もう少し待って纏めて読もうかなぁ(長い独り言)
      2012/07/07
  • 【内容】
    自転車ロードレースのシリーズ第三段。
    短編集。
    題名通りこの世界で生き残ろうとする選手たちの物語。
    『サクリファイス』で印象的な選手だった石尾の若い頃の話もいくつか。

    ≪人間は自分の運命さえ、自分で選べない≫
    ≪結局のところ、ぼくは自転車で走ることだけが楽しいのかもしれない≫

    【感想】
    今回はドラマ性よりも苦しさを先に感じるような一冊。
    とはいえおもろないというのではない。

  • 危惧した通り、最高峰を舞台にした前作からはやや物足りなく、陰湿話に食傷気味。

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著者プロフィール

1969年大阪市生まれ。大阪芸術大学文芸学科卒業。93年『凍える島』で第4回鮎川哲也賞を受賞しデビュー。2008年自転車ロードレースを描いた『サクリファイス』で第10回大藪春彦賞、本屋大賞第2位に輝く。〈ビストロ・パ・マル〉〈猿若町捕物帳〉〈清掃人探偵・キリコ〉シリーズをはじめ、長く愛読されている作品が多い。旅をテーマにした著書に、第13回エキナカ書店大賞受賞作『スーツケースの半分は』がある。近著に『歌舞伎座の怪紳士』『夜の向こうの蛹たち』。

「2021年 『たまごの旅人』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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