サヴァイヴ

著者 :
  • 新潮社
3.63
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本棚登録 : 1905
感想 : 376
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  • Amazon.co.jp ・本 (234ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103052531

作品紹介・あらすじ

他人の勝利のために犠牲になる喜びも、常に追われる勝者の絶望も、きっと誰にも理解できない。ペダルをまわし続ける、俺たち以外には-。日本・フランス・ポルトガルを走り抜け、瞬間の駆け引きが交錯する。ゴールの先に、スピードの果てに、彼らは何を失い何を得るのか。

感想・レビュー・書評

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  • 1、2作目のサイドストーリー。
    時系列が混乱しそうだけど、私の場合は連続で読んでいるので問題なし。
    石尾はやっぱりプロフェッショナル!
    そして、苦悩の末にドーピングに手を出してしまう選手の話もあり。こちらまで辛くなってしまう。

  • 「サクリファイス」シリーズ3作目、6編収録の短編集。

    「老ビプネンの腹の中」
    老ビプネンとは、フィンランドのカレワラという神話に登場する巨人の神様。
    エデンの少し前、チカがフランスに移って4ヶ月ほどのころのお話。
    取材の対象を調べもせずに、煽っておもしろい発言を出させようとするような記者には「サクリファイスとエデンを読んでから出直してきたまへ」と言ってやりたい。

    「スピードの果て」
    サクリファイスの2年後で、終章のすぐ後ぐらい。
    我が強く勝気なエース気質で、脚質はスプリンター。誰よりも速く走り、勝利を手にすることを望む伊庭。そんな彼が思わぬトラウマを得、思ったように走れなくなる。
    伊庭の意外にナイーブな面が見られるが、反面、チーム内からの孤立・対立は気にしないのも彼らしい。
    最後にたどりついた結論も彼らしく、悔しさも笑顔も不敵を越えていっそ清々しい。
    伊庭目線のお話はまた読んでみたいな。

    「プロトンの中の孤独」
    赤城&石尾がオッジに入ったころのお話。
    石尾はわかるけれど、赤城もチームから浮いた存在だったとは驚き。

    「レミング」
    プロトンの――から2年後。
    オッジの単独エースになった石尾と、すっかり角が取れてきた赤城。
    石尾と周りとの緩衝材になり「石尾係」とまで呼ばれているが、肝心の石尾のほうにはまだ壁がある。
    そんな石尾が赤城に敬語を使わなくなる=垣根が取れた瞬間が描かれていて感慨深い。
    赤城のアシストとしての感情の発露がきっかけなのだが、そこから石尾の本当の意味でのエースの自覚ができたのかもしれない。
    アシストの夢を喰らって手にする重い勝利を背負い立つエースの。

    「ゴールよりももっと遠く」
    レミングの5年後。チカと伊庭がオッジに入った年。
    石尾は押しも押されぬエースとなり、オッジは彼のためのチームとなっている。
    描かれるのは、スポンサーあってのスポーツの闇の部分。仕方の無いことと思う気持ちと納得の出来ない気持ち、割り切れなさ……。
    石尾の静かで激しい、彼なりの抗議行動がかっこよすぎる。
    ラストシーンのふたりの会話がまたいい!

    「トウラーダ」
    エデンから数ヵ月後、ポルトガルに移ったチカ。
    一本目のチカ話と同じくドーピングがらみのお話で、死人は出ないものの、やるせなくてちょっと後味もよくない。
    ゴールよりも――のラストがとてもよかったので、そのまま終わってほしかったかも。

  • 感想
    第三弾は今と昔の話が混ざった短編集。自転車競技が日本でマイナーなこと、チーム競技であること、薬物問題とは切っても切れない縁があることなどが書かれている。読みやすい。

    あらすじ
    シリーズ第三弾。白石が新しく入ったフランスのチームで過酷なレースに参加する話。世界選手権で伊庭が奮起する話。昔に戻って、赤城が若い頃に現れた石尾が新しくエースになる時の話。石尾が単独エースになってからも不穏な空気が流れつつ、沖縄レースに参加する話。新しいチームが不正をしてスターを作り出そうとする話。現在に戻って、白石がポルトガルで過ごす間にお世話になったチームメイトのルイスの家で、ルイスの薬物使用にあう話。

  • シリーズ第三弾 第二弾の続きでミッコとポルトガルのチーム サポネト・カクトに移籍となった白石誓の物語かと思ったが、第一弾で出てきた伊庭和美や石尾豪・赤城の短編集

    チームの絶対的エースとして君臨していた石尾豪とからのアシストに徹していた赤城のそこに至るまでの絆どのように築かれたのかよく分かった

    捉えどころがなく冷徹で勝利のためには手段を選ばないというような非情な人間のように描かれていた石尾の若い頃、どのようにしてエースになったのかが分かり、もう一度「サクリファイス」を読みたくなった

    ただ石尾は山に挑み、山を走りたいだけだったのだと
    そして、誰よりも不正を嫌い純粋に自転車を愛していた男だったのだと

    それだけに石尾がこの世にいないことが、悲しい

  • 『嫌いな奴でも愛想よく振る舞っていれば、相手もこちらに悪い感情を抱かない。そうなるとこちらも嫌いな気持ちが薄れてくる。最低な奴以外は、良いところを探して好意を持つようにすれば大抵うまくいく。それでも好きになれない奴なら無理に付き合う必要もない。』 たしかに。なるほどと思う。

  • 自転車ロードレースの話で、今回は短編集。1つはStory Seller1で読んだ事のある話だった。
    今までのような激しいレースシーンに興奮する事はないが、ロードレーサーの苦悩や葛藤が描かれていて、読み出すと夢中で読んでしまった。非常に面白かった。
    「サクリファイス」でも重要人物の石尾さんの話が読めた事が嬉しい。(3作あり、それぞれStory Seller1~3に収録されている模様)やはり、石尾さんは真のロードレーサーだった…。

    • 九月猫さん
      taaa('∀'●)さん、こんにちは!

      この短編集、石尾さん&赤城さんの過去話が読めて嬉しかったです♪
      「ゴールよりももっと遠く」の...
      taaa('∀'●)さん、こんにちは!

      この短編集、石尾さん&赤城さんの過去話が読めて嬉しかったです♪
      「ゴールよりももっと遠く」のラストで不覚にも萌えてしまいました(^^;)
      孤独なエース石尾さんの、夢を共有するようなあの言葉!
      赤城さんのことを心から信頼してるんだなぁって。

      そうそう!!
      taaa('∀'●)さんに教えていただいた「弱虫ペダル」、
      放送日が10月からに決まりましたね!
      漫画はまだ読めていませんが、アニメは楽しみです♪
      (どこの局なんだろう・・・見られる局だといいな(^^;))
      2013/06/03
    • taaaさん
      九月猫さん☆

      コメントありがとうございます(^-^)

      「サクリファイス」の時は私の中で無口なイメージだった
      石尾さんの人間らしい姿が読め...
      九月猫さん☆

      コメントありがとうございます(^-^)

      「サクリファイス」の時は私の中で無口なイメージだった
      石尾さんの人間らしい姿が読めたような気がして
      短編3作はとても面白かったです(*^^*)
      すっかり「石尾係」な赤城さんも良かったですね!
      確かにお互い信頼し合ってる姿は萌えます(笑)

      弱虫ペダル、どこの局でしょうか…
      私も楽しみです(*´∇`*)
      2013/06/03
  • 4.6
    面白かった、やはりスポーツ物は好きみたい。
    短編集ですが、話は繋がっていて、主人公も3人が代わる代わるという内容。
    近藤史恵さんの自転車物は初めてですが、もっと評判のいい本があるようなので、そっちも読みたいと思わせる内容でした。

  • サクリファイス、エデンに続く自転車ロードレース界を描く第3弾。前2作の過去、未来を収めた短編集。最初と最後には誓が、他の章では誓の日本でのチームメイトが主人公となって、描かれている。長編に比べ、比較的ミステリー色が強く、この作品の方が近藤史恵らしさを感じる。自分が興味があるから、最近目に付くのか、作品が書かれた時期より、メジャーになってきているのかは分からないけど、まだまだ誓の活躍が読みたいシリーズ。

  • サクリファイス、エデンのスピンオフ。
    サブキャラ達のストーリーや誓が入る前のチームメイト達の出会い等が描かれている。
    ラストのドーピングの話が切なかった。
    読後、シェアバイクでかっ飛ばしてみた。寒かったけど、爽快でスカッとした。

  • サバァイブ。近藤史恵さんのロードバイクレースの本。3冊目のこの本は外伝のような作りで、チカの周りの人たちの短編物語。
    ショーとしてのロードレースと競技としてのロードレース、ドーピングなどの問題が、オッジの絶対王者石尾さんの過去や、石尾を支え続けた赤城、スプリンター伊庭の苦悩を通して描かれていて、本編とはまた違った面白さがありました。

    あと作品自体とはあまり関係ないですが、近藤史恵さんの風景の描写の仕方がとても好きです。

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著者プロフィール

1969年大阪府生まれ。大阪芸術大学文芸学科卒業。1993年『凍える島』で「鮎川哲也賞」を受賞し、デビュー。2008年『サクリファイス』で、「大藪春彦賞」を受賞。「ビストロ・パ・マル」シリーズをはじめ、『おはようおかえり』『たまごの旅人』『夜の向こうの蛹たち』『ときどき旅に出るカフェ』『スーツケースの半分は』『岩窟姫』『三つの名を持つ犬』『ホテル・カイザリン』等、多数発表する。

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